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仕事がキツくて、投げ出したくなってた頃に、すがりつくように読んでいた本の話

私は成功したCEOに出会うたびに「どうやって成功したのか?」と尋ねてきた。凡庸なCEOは、優れた戦略的着眼やビジネスセンスなど、自己満足的な理由を挙げた。しかし偉大なCEOたちの答えは驚くほど似通っていた。彼らは異口同音に「私は投げ出さなかった」と答えた。

仕事がキツくて、投げ出したくなってた頃に、すがりつくように読んでいた本が「HARD THINGS」だった。

今の自分の苦しさなんて、たいしたことではない

まず、前半の著者の体験談パートを読むと、「今の自分の苦しさなんて、大したことではない」と思える。

ドットコム不況が襲い、顧客が次々に倒産し、資金がショート。打開策を見つけてIPO(新規上場)を目指すも、投資家へのロードショウ中に妻の呼吸が止まる。上場してもパーティさえ開けないような状況で、株価は35セントまで急落。最大顧客の倒産、売上9割を占める顧客が解約を言い出す、3度にわたって社員レイオフに踏み切らざるを得ない状況に。

会社経営って、そういうもので、苦闘にまみれた困難が常態。CEOでなくても、なんらか責任者になったら、多かれ少なかれ、困難が待ち構えている。

本当の困難は論理と感情が矛盾するところにある

会社経営の本当の困難は、簡単な答えや処方箋が存在しない部分にある。本当の困難は論理と感情が矛盾するところにある。本当の困難は、どうしても答えが見つからず、しかも自分の弱みを見せずには助けを求められないところにある。

コンサルタントとして外部から支援していた時は、何も気にせずとも、正しく論理を組み立てられていた。

だけど、当事者になると、知らず知らずのうちに感情を正当化するために、論理を組み立てに行ってしまっている。

そして、最悪なことに、本人にその自覚がなかったりする。これが何より怖い。

問題と自分の感情(罪悪感)を切り離す

理想的には、CEOは正気であって、かつ緊急に問題に対処する必要がある。また、CEOは、問題に関して個人的な罪悪感を過剰に抱いてはならない。問題の重要性とそれに対する自分の感情を切り離せれば、自分や社員の士気喪失を防げるはずだ。

論理と感情が矛盾する問題を解こうとすると、普通なら病む。

わかりやすい例を挙げると、「トロッコ問題」。手をくださずに5人が死ぬのを見守るのと、手を下して1人を自分の意志で殺してしまうのか。まあ、当事者だったら病む。手をくださない第三者なら、手を下して5人を救うほうが正しいって言うことは容易。

ここまで極端ではないけど、Aを取ろうが、Bを取ろうが、誰かに恨まれかねない意思決定なんてしょっちゅうあって、まあ、その都度病むし、基本的に逃げたい。

誰もが怖いし、怯えている

実のところ、ほとんどの場合に私は死ぬほど怯えていた。いつまでたってもこの怖さを感じたが、長い間の努力によって怖さを無視できるようになった。

他の人も怖いんだ、怯えているんだ、と思うと少しはラクになる。

とはいえ、外からはそう見えないので、ホントか?と思ってしまうんだけども。

大勢に従いたくなる誘惑がすごい。だから、勇気が決定的に重要

怖い時に、他の人に意見がAなのであれば、特に自分より経験のある人や上司だったりすると、盲目的にそれに従いたい引力はものすごい。

大勢がAと言っているのにBの意思決定をするのは、大勢に嫌われ余計な衝突を背負い込みかねない。それでも、勇気を持って正しい方を選ばないといけない。

そこで一見すると、選択肢のどちらが正しいかそれほどはっきりしない場合には、大勢に従ったほうが安全だという結論になりやすい。しかし現実には、この 罠 に落ちると大きな危険が待ち受けている。いったん大勢の意見を気にするようになると、たとえば実際には 70 対 30 の選択肢であっても、大勢が 30 を支持していると、 51 対 49 の選択肢のように見えてくる。だから、勇気が決定的に重要なのだ。

まあ、できなかったし、今もできてないと思う。だけど、自分に勇気がなくて、その決断をしているのだ、という自覚くらいは持てるようにはなってきている。その分、罪悪感が増すんだけど。

勇気は鍛えられる

困難だが正しい決断をするたびに、人は少しずつ勇気を得る。逆に安易な間違った決断をするたびに、人は少しずつ臆病になっていく。それがCEOの決断なら、勇気ある企業と臆病な企業の差となる。

ほんとそう。「言葉でいうのは簡単だけど」の極みで、ホントつらい。

勇気はほかのさまざまな性格と同様、努力によって発達させられる。

勇気を鍛える、発達させる、という意志と覚悟を持ちたい、と自分を奮い立たせ、なんとか戦場に戻る感じだった。今もそう。

それでも、怖かったし、身動きとれなくなってたけど、

感情を切り離して考えて、正しい方に、勇気を持って決断しないといけない、という枠組みがわかるだけで、無自覚に感情に流されて間違い続けるよりは、だいぶマシかなと。

「HARD THINGS」は、時々読み返すと、その時の自分の発達具合に応じて、その都度学べることが多い本だと思う。

読むとツラい気持ちになるので、つい遠ざけてしまうんだけど、元気なときにも読みたい。

毎週note書いてます!

毎週書くのが、だいぶ苦しくなってきた。あと4回書くと、まる1年毎週続けられたことになるので、そこまでやりきりたい。

※今回は、12月1日(日)~12月7日(土)分の週報になります。







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