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世界最大級のデザインカンファレンスに行ってきた!Awwwards Conference参加レポート

こんにちは、デザイナーのハセシュンです。

今回は、世界最大級のデザインカンファレンスと言われる "Awwwards Conference" に参加してきたので、熱が冷めないうちにカンファレンスの内容をレポートをしたいと思います!

目次

1)はじめに
2)30秒でわかるAwwwards Conference
3)シリコンバレーのデザイナーが集結。世界最高峰のデザイントーク
4)デザインが共通言語。国境を越えたWater Front Party
5)まとめ

はじめに

今回参加してきたのはこちら。

Awwwardsが主催する2日間のカンファレンスで、デジタルデザインに関わる多種多様なトークやディスカッションがサンフランシスコで行われました。ちなみに、これまでにもニューヨーク、アムステルダム、パリ、ロンドン、ロサンゼルスなど世界中の主要な都市で開催されています。

そもそもAwwwardsって何?って方のために簡単に説明すると、Awwwardsは1日1つずつ「Site of the Day(SOTD)」として優れたサイトに賞が与えられるデジタルデザインアワードです。個人のポートフォリオサイトから広告代理店のサイトまで幅広い作品が、表彰やノミネートされています。

30秒でわかるAwwwards Conference

カンファレンスの様子ですが、長々と言葉で説明するより見てもらったほうが早い!

ということで、今回旅のお供に持っていったOsmo Pocketで撮影した動画を簡単に編集してまとめてみました↓

ご覧のように、カンファレンス会場は大きく分けて2つのエリアに分かれていました。一つは登壇者のトークを聴くメイン会場である大きなシアター。もう一つはトークの間にあるコーヒーブレイクやランチをする休憩エリアです。基本的に登壇者のトーク時間は1人つき20分程度で、1つのセッションで3人聴いたら休憩というような流れでした。

また、会場入り口では参加者用のネームタグと下記のようなノベルティグッズが配られました。バッグのデザインがカンファレンス公式サイトのデザインとマッチしてて可愛かったです。

シリコンバレーのデザイナーが集結。世界最高峰のデザイントーク

さて、肝心のデザイントークですが驚くべきはその登壇者たち。

日本ではまず出会えない、シリコンバレー最前線の現場で働くデザイナー、デベロッパー、起業家などがカンファレンス会場に集結していました。

2日間で登壇された、計25人のリストがこちら。

Erik Klimczak - Uberのプリンシパルデザインディレクター
Lisa Ding - Twitterのプロダクトデザイナー
Matt Faulk - Basic Agencyの創設者
Vlad Magdalin - Webflowの共同創設者
Haraldur Thorleifsson - Uenoの創設者/CEO
Emilia Dallman - Facebookのプロダクトデザイナー
Ben Hersh - Dropboxのプロダクトデザイナー
Maykel Loomans - Glossierのプロダクトデザイン部門トップ
Claudio Guglieri - フリーランスのクリエイティブディレクター
Kat Fukui  - GitHubのプロダクトデザイナー
Peter Smart - Fantasyのプロダクトデザイン部門トップ
Steve Portigal - リサーチコンサルタント
Elaine Chao - Adobe XDのプロダクトマネージャー
Jennifer Brook - Dropboxのデザインリサーチャー
Dan Cederholm - Dribbbleの創設者
Travis Neilson - Googleのシニアデザイナー
Angela Guzman - Tijikoの創設者
Alex Cornell - Facebook Liveのインタラクションデザイナー
Hayley Hughes - Airbnb Design Systemのデザインリード
Joël van Bodegraven & Pedro Marques - Adyenのプロダクトデザイナー
Omayeli Arenyeka - LinekdInのソフトウェアエンジニア
Pablo Stanley  - InvisionAppのデザインリード
Brandy Porter - Mailchimpのブランドデザインディレクター
Melanie Araujo - Facebookのプロダクトデザイナー
Chris Do - The Futur 創設者

どうでしょうか...なんだかリストを眺めてるだけでも目眩がしてしまいそうなラインアップですよね。例えるならデザイン業界の「アベンジャーズ」といった感じ(笑)

そんなスペシャリストたちのトークはどれも個性的で学びが多かったのですが、この記事では特に印象に残ったものを3つ!ご紹介したいと思います。日本にいながら海外デザインカンファレンスのユニークな雰囲気を味わえるものを厳選しました。

* Awwwardsの方から公式に動画がアップロードされ次第この記事の方に随時リンクを追加していきます!更新したらTwitterでもお伝えします!

1. Haraldur Thorleifsson | Creating a Brand

ブランディングからプロダクトデザインまで一貫して行うデザインエージェンシー、Ueno。そのCEOであるHaraldulrさんのトークは「ブランディングって何?本当に必要なの?」という疑問に対する答えを身をもって体感できるものでした。

印象的だったのは次のフレーズ。

" We're not logical species. We're all controlled by emotions. We rely on emotion, then go backwards and rationalize our decisions."

人間は論理的なようで論理的ではない生き物。みんな常に「感情」にコントロールされていて、実際の判断や決断に対する説明などは感情が動かされた後に後付けでしている。だからこそ、まずユーザの心を動かすために「ブランディング」が重要なんだ、とおっしゃっていました。

そしてそのことを体現するかのように、Haraldurさんの喋りは非常にコミカルで、観客の感情を動かすのが非常に上手かったです。トークが終わる頃にはすっかりUenoという会社やHaraldurさんのファンになってしまいました。

ちなみにこちらはトーク中に唐突に始まったTシャツ砲の様子w

この他にも観客を楽しませるためのアイディアが盛りだくさんで最高でした。動画がアップされたらその全貌を是非ご覧ください〜

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2. Alex Cornell | SomeWhen Very Strange is Happening

続いては、Facebook Liveのインタラクションデザイナー、Alexさんのトーク。

結論から言うと、彼がトークで一番伝えたかったメッセージは、デザインのアイディアを伝える時は ”Idea Vessels(アイディアを入れる器)” が大事だということ。つまり、どんなに良いアイディアもアイディアの表現方法が適切じゃなければ、聴く人に興味を持ってもらえないよね(逆もしかり)という内容だったのですが、そのメッセージの伝え方が他の登壇者とは一線を画すものでした。

トーク序盤は普通にスライドを流しながら淡々と話していたAlexさん。しかし、「本当はとあるプロダクトのプロモーション動画をここで流す予定だったんだけど…」と彼が言いかけたところで突然ビデオ通話の着信音が会場に鳴り響き、スクリーンには知り合いらしき人の映像が映し出されました。

え、アクシデント?と思いきや実は全て演出。通話の相手はよく見ると "Face Time Machine (Face Timeのタイムマシン版)" で繋がった過去の自分で、何とか協力してこの登壇中にプロモ動画を完成させよう、そして観客のみんなに見せよう!と言う展開に。

や、ややこしい!(笑)でも、このような複雑な見せ方で最終的なアイディアを伝える事がキーワードとして何度も出てくる “Idea Vessels” の事例のひとつなのでした。実際、彼の思惑通り、混乱してしまうような状況に注意が惹きつけられ、最後までそのトーク内容にも聴き入ってしまいました。

綺麗なUIやプロトタイプを作っただけで満足しない。そのアイディアの伝え方までしっかりとデザインできるのがシリコンバレー最前線で働くインタラクションデザイナーなのだなと感心しました。

そして、過去の自分とやり取りして最終的に出来上がった動画がこちらw

スマホから目を離さずに済む生活を実現してしまうガジェット、その名も「LOOKOUT」(笑)絶対にありえないプロダクトなのに、本当に実現してしまいそうなプロモーション動画のクオリティは必見です。

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3. Pablo Stanley | The Faker You Are, the More Successful You Can Be

そして3つ目は、InvisionAppのデザインリードであり、Youtuberとしても有名なPablo Stanleyさんによるトークです。

彼のトークは(皮肉たっぷりの)デザイナーあるあるジョークのオンパレードで、数秒に一回は会場に笑いが起きていたのですが、その根本にあるメッセージは非常に人生の真理をついたものでした。

“The Faker you are, the More Succcessful You Can Be”
すごい人のフリをしている人ほど、より大きな成功を収めることができる。

かなり物議を醸し出しそうなフレーズですが、僕はこの話を聞いて以前読んだこの本を思い出しました。

ここでは詳しく触れませんが、Pabloさんの話した「すごい人のフリ」をすることがなぜ重要なのか、またそれだけでもダメな理由が解説されていておススメの本です。

というわけで、僕はこれからも節操なくすごいデザイナーのフリをしていこうと思いました()

デザインが共通言語。国境を超えたWater Front Party

白熱したトークが繰り広げられた2日間の最後に待っていたのは、カンファレンスの参加者と交流できる素敵な懇親会でした。

懇親会はメイン会場から少し離れた見晴らしの良い場所で行われました。

サンフランシスコ在住のデザイナーはもちろん、オーストラリア、ポーランド、イタリア、カナダ...自分と同じように他の国から初めてサンフランシスコに訪れた参加者も大勢おり、お酒を片手に気軽に話しかけてくれました。

意外だったのは仲良くなって連絡先を交換する時「LinkedInやってる?」と聞かれたこと。残念ながら自分は持っていなかったためInstagramやFacebookのアカウントを交換しました...今後デザインカンファレンスに参加される方はぜひ事前に用意しておくことをお勧めします!

懇親会ではたくさんの方々とお話しましたが、中でもGoogleのシニアデザイナーであるTravis Neilsonさんの言葉はとても印象に残っています。

デザインカンファレンスは既に業界でホットなテーマを取り上げるだけでなく、デザイナーにとって「これから業界でトレンドになってほしいこと、当たり前になってほしいこと」を話す場でもあるんだ。

まだそこまで注目を浴びてないテーマこそカンファレンスで発信し、仲間を増やし、次の当たり前をみんなで作っていく。このような考え方は日本のデザイナーも見習うべき点だなと感じました。

また、今回のサンフランシスコ旅で一番嬉しかったのはAirbnb Design Systemのデザインリードとして登壇したHayley Hughesさんとの出会い。懇親会で話したことをきっかけに、後日Airbnb本部オフィスの中をじっくり案内してくれたのです。こうした海外デザイナーとの繋がりができるのも、海外カンファレンスに参加する魅力の一つだなと思います。


まとめ

今回初めて参加した、海外のデザインカンファレンス。登壇者のユニークなトークスタイルにはなかなか衝撃を受けましたが、プロダクトデザインの現場でデザイナーが感じている課題は世界共通なのだなと実感しました。ただ一方で、それらの課題に対する各企業の取り組みはやはり日本より一歩先に進んでいることにも気づかされました。今後日本からもこのデザインカンファレンスのように世界に向けて発信する場が増え、デザイン業界がより一層盛りがっていくといいなと思います!

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ここまで長々と読んでいただきありがとうございました!

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