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青春追随症候群

タイトルの『青春追随症候群』ですが、
如何にも精神医学的に存在しそうな言葉ですが
僕の過敏で繊細過ぎる性質が作り出した
完全なる造語です。

僕は『青春』や『思春期』の頃の
上手く言語化出来ずに勝手に傷付いて
藻がきながら登下校にウォークマンで
聴いていたウルフルズやエレカシやサザンや
スピッツなどが何となく当時の自分の
悶々とした感情を代弁してくれている様な
そんな暖かくもあり少し夏の終わりと
片想いにピリオドを打つような切なさが
26歳になった今も色濃く心のフィルムに
残っていてノスタルジックになる事が
寂しくもあり少し懐かしくも感じます。

わざと、あの娘の近くでいつもよりも
声を張って自分の存在に気づいてもらおうと
してみたりしていた思春期童貞の感情とか
そういったものがきっと僕の今の創作物に
大きな影響を与えている事は間違いないと
思っています。

片田舎の夏の夕焼けとあの娘がセットで
今でも脳裏に焼き付いているような気がします。

中学生の頃は早く大人になりたいと思っていた
少年の僕がいました。

それは、きっと周囲と同じ様に
立派な大人になれると
思い込んでいたし、大人は自由でしっかりしていて
漠然とした不安だとか悠久的な嫌な事に
悩まされたりしない強い生き物だと
思い込んでいたからだと思います。

でも、実際に成人をしてみると
そんな思い込みはよくある思春期特有の
自分にとって都合の良い妄想でしかなかったし
寝て起きて何となく毎日の日々を
過ごそうとするだけで、色々と足枷が
邪魔で覚束ない足取りでしか歩く事が出来ず、
何なら立ち止まっている時間の方が
長いように感じる。

当時の僕が今の僕の背中を目の当たりにしても
思春期フィルターで
「オトナ」に見えてしまうに違いない。

僕はあれだけ憧れていた大人になる事が
年々、途轍もなく苦痛で仕方がない。
それがたとえ当時、僕が勝手に妄想の中で
作り出した「オトナ」に100%なっていく感覚が
あったとしても苦痛に違いない。

今は寧ろあの頃の思春期の少年に憧れている。

これは、大人よりも子どもの方が
楽だとかそんな単純な話ではない。
その単純ではない話を上手く言語化する事が
出来なくて悶々とするが、
何とか言語化してみようと思う。

本当に自分自身でも雲を掴むような感覚を
何とか咀嚼して表現すると、
あの頃は大人になる事がゴールだったが
大人になってからの方が道のりが長くて
尚且つゴールが見えないし
何処がゴールなのかも不明瞭過ぎる。
それでもって、変な重錘が心のあらゆる部分に
ぶら下がっていて辛くなる。

恋だとかセックスがしたいだとか
勉強が嫌で授業を抜け出して
友人とバカをした後に学校から親に
電話をされていたらどうしようだとか
思春期の頃の重錘は青春というヤスリで
小さくする事が出来て、
その小さくなった重錘は宝石のように輝く。

だけど、大人は違った。
美しく輝くモノなんてのは1つも存在せず
醜くて暗鬱なモノに気付かないフリをして
それらが当たり前だと思わないと
生きていけない生き物だった。

その行動や言動自体は何も悪いとは思っていない。
ただ、自分には合っていないだけ。

だけど、時々ふと無意識のうちに
「オトナ」になりかけている自分に気が付いて
必死に引き返す事もある。
その時に心と心を無理矢理に
引き離すようにするのだが、この作業がかなり
堪える。

長々と綴ってみたが、あまり上手くは
言語化する事が出来なかった。
もし、大人ならもっと上手く言語化する事が
出来たのかもしれないと思うと
大人になるのも悪くないとも少し思ってしまいそうだ。
いや、そんな事はない。
(ふぅ。危ないところだせ。)


僕が好きな漫画の「20世紀少年」を
ふと、思い返してみた。
初めてこの漫画を読んでハマったのが
小学5年生の頃。
原作の中で主人公のケンヂ達が原っぱで
「よげんの書」を書いていた年齢と
全く同い年の頃。

そして、来年の2024年で僕は27歳になる。
ケンヂ達が「血のおおみそか」で
「ともだち」と戦ったのが41歳。
読み出したあの頃は少年のケンヂ達と
同い年だったのに気が付くと
「血のおおみそか」で戦った大人の
ケンヂ達との方が年齢が近くなっていた。


もう少しだけ思春期でいたい。

グ〜タラ〜ラ ス〜ダララ〜♪

安いエレアコと僅かな語彙力で
思春期を歌に変換する作業は
決して得意ではないけれど、
今はその瞬間がロックな「オトナ」で
あの時の妄想に限りなく1番近い生き物に
なれている錯覚に
酔いしれる事が出来るように感じる。


お前は今晩もあの娘と布団の中で
夜間飛行するのかい?
あの頃の少年よ、また今晩の話を聞かせてくれ。

思うままに片想いしろよ。

おやすみ。

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