茉野柊

君のまわりを、染めていく。キミノマワリ。とは、どんなユニット?!!

「キミノマワリ。…君のまわりを、染めていく。もし、君が嫌いだと言うのなら、わたしたちがどんな色にでも染めてあげる。君の世界 まわり を」をコンセプトに活動中のキミノマワリ。メンバーは、白崎ゆな・桜木美久・山本章加・入榮透生・小椋あい彩・斎木まこと・柊よりの7名。プロデューサーを、BiSのメンバーだったナカヤマユキコが担当。インタヴューには、白崎ゆなを除く6人が登場。キミノマワリ。の魅力を語ってくれ

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ありがとうございます。引き続き、よろしくお願い致します。

読み切り小説「最近、愛がわからない。」

最近、愛がわからない。
彼からの着信で光るケータイの画面を見ながら、つくづく思う。
愛するってなんだっけ。好きってなんだっけ。

先週のデートだって、途中まではとても楽しい時間を過ごせてたのだ。

ニューオープンのイタリアン、無邪気なメッセージの書かれたケーキ、品のいいネックレス。はしゃいで写真も撮った。

最高の誕生日だった。トイレから戻ってきた彼が慌てた様子で、「ほんとごめん、こんど必ず穴埋め

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【最終回】真夏のアンダルシアに行ったら46度の炎天下でバスケをやるはめになり死にかけた話〈9〉|茉野柊

ホテルに帰ってからのことはあまり思い出せない。思い出したくない。

表面も中身も丁寧に時間をかけてじっくりグリルされた身体は、どんな手を施そうとも冷めようとはしなかった。

バスタブに水を張り体を沈め、冷たい水を飲みアイスを食べ、冷たいシャワーをかけ続けるが、時すでに遅し。

頭はがんがんするし、ふくらはぎの日焼けは火ぶくれのようになっているし、トイレに入れば下痢が止まらない。

寒気が止まらず、

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真夏のアンダルシアに行ったら46度の炎天下でバスケをやるはめになり死にかけた話〈8〉|茉野柊

ティムが横からアドバイスをくれる。

「リングに入る瞬間のことは考えなくていいんだ。そうするとむしろ変な力が入る。大切なのは、一番高いところまでをいい軌道で描くことだ。目の前のことを正確にイメージする。あとは引力がうまくやってくれる。自分で無理になんとかしようとしちゃダメだ」

正直、すべてを鵜呑みにしたわけじゃないし、言っていることの中身は10%も分からない。これだから体育会系は、と呆れる気持ち

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真夏のアンダルシアに行ったら46度の炎天下でバスケをやるはめになり死にかけた話〈7〉|茉野柊

痛い。痛みで意識が戻る。

見ると右手の人差し指の爪がはがれかけている。かばって放ったシュートはリングにも届かず、ぼとりと落ちる。

とぼとぼとボールを拾いに行くと、突然視界がにじんだ。

ボールが、ゴールポストが、すべての輪郭がはっきりせず二重三重に見える。あ、懐かしい、かげろうだ、と思ったけれど、違った。

私は泣いていた。

びっくりした。けれど止まらない。声は出ない。ただ涙だけがこぼれる。

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真夏のアンダルシアに行ったら46度の炎天下でバスケをやるはめになり死にかけた話〈6〉|茉野柊

私は正直その日、浮かれていた。

なしくずしのように同棲していた部屋を引き払い、いよいよ結婚のための新居を探し始めて2ヶ月。すったもんだのあげくようやく「ここだ」という部屋に行き当たった私たちは、その場で不動産屋さんに返事をした。

態度ばっかり丁寧で頭の悪そうな不動産屋を先に帰して、私たちはこれからの城にしばしたたずんだ。

大きな窓からは日が温かく差し込む。

理屈抜きにピンとくる物件だった。

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真夏のアンダルシアに行ったら46度の炎天下でバスケをやるはめになり死にかけた話〈5〉|茉野柊

暑い。死にそうに暑い。

酷暑のアンダルシアで、気温40℃超えの炎天下で、なぜかバスケットをしている。

ジーンズが脚にまとわりつき、乾き始めていたカットソーは再び汗でびちょちょになる。

日差しを防ぐための羽織っていたカーディガンは、脱いでまとめて荷物と一緒にコートサイドに置いた。

盗まれないかとか、スマホが熱でおかしくなっちゃわないかとかその時は考えたが、今となってはもうどうでもいい。日焼け

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真夏のアンダルシアに行ったら46度の炎天下でバスケをやるはめになり死にかけた話〈4〉|茉野柊

西日の差し込むリビング。窓を開けてベランダへ出てみる。20階だての11階のマンションは、近くに建物はなく眺めがいい。

窓を閉めてキッチンのほうへ戻り、改めて部屋全体を眺める。

間取りは2LDK。流しの上の申込書にははんこが押してある。

男は一緒にベランダに出てこず、所在なさそうに立っていた。スキニーのデニムに、フレッドペリーのポロシャツ。

「いよいよだね」と私は声をかけただろうか。男の唇が

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真夏のアンダルシアに行ったら46度の炎天下でバスケをやるはめになり死にかけた話〈3〉|茉野柊

光。光と熱。

白。光。光。熱。熱風。熱。

エントランス前の小さな通りに勢いよく出た瞬間、あまりの暑さと日差しにすぐに後悔する。

熱。白。白い壁。白い道。

反射。反射。熱。光。

後頭部がずんと重くなり立ちすくんでしまうが、もう引くに引けない。ニューバランスのスニーカーを石畳へ下ろす。

コルドバには昨晩着いた。

マドリッドから電車を5時間ほど乗り継ぎ、お目当てのホテルのお目当ての部屋にチ

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真夏のアンダルシアに行ったら46度の炎天下でバスケをやるはめになり死にかけた話〈2〉|茉野柊

部屋が暗いことも、気が滅入る要因のひとつかもしれない。

窓の外についている日よけ扉は閉めてあって、小さなシャンデリアのほのかな光だけが室内を照らしている。

アイスの空き袋とペットボトルがいくつも突っ込まれたくず籠、乱雑に開いたスーツケース、古びた木のドア、アンティークの箪笥。

どうせ窓を開けても風は吹き込まないわけで、それよりは、日差しを避けたほうが暑さ対策になる。

と、頭で分かってはいて

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