Helpless

【映画】現代日本映画のメインストリーム

近年、多くの日本映画が海外の国際映画祭に出品され、高い評価を受けています。青山真治、黒沢清、万田邦敏は、国内外から高い評価を受ける、現代日本映画を語るのに欠かせない監督陣です。

このnoteでは、青山真治監督『Helpless』、黒沢清監督『CURE』、万田邦敏監督『接吻』を比較分析し、現代日本映画の共通点について論じていきたいと思います。

1. 映画監督

 ① 経歴

まずは青山真治、黒沢

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【映画】青山真治『Helpless』における消滅と空白期

『Helpless』は、青山真治監督による 1996 年の日本映画で、彼の劇場用映画監督デビュー作品です。

『Helpless』

1. 舞台背景

 ① 「左側」の消滅 (国外)

舞台は、1989 年の福岡県北九州市です。1989年の当時、世界で、また日本でも、社会的・政治的「消滅」が起こっていました。

同年 11 月 9 日、ドイツではベルリンの壁が崩壊しました。ベルリンの壁は、第二次世

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『ハッピーアワー』の青空と未来

冒頭、トンネルの出口が明るく見える暗闇がうつし出され、やがて出口を抜けるとそこはケーブルカーの内部と知れる。肩を並べて座る四人の女性が親しげに言葉を交わしている。まもなく場面は転じ、雨にけぶる山上の四阿で先ほどの四人が弁当を食べている。曇って海が見えないことを「私たちの未来みたい」と嘆きつつ、有馬温泉に出かける計画を話し合い、楽しげに見える。主要キャストのクレジットのあと、神戸の街並を見下ろすショ

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ありがたし!
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