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【spin a yarn】

1年前

【spin a yarn】 体に花が咲く 全身は色とりどりになり 自分は土と自覚する その幻想が何を意味しているのかを わたしは知らないでいるけれど ほころぶ、と笑う 白骨のわたしと目が合い 霊よ、骨よ、花よ、と歌う

2年前

【spin a yarn】 春めく ドラムロールが聞こえる 心は浮き、そして安堵する 悲しい記憶はあり、 ずっと見えない不安に包まれたままだけれど 春はいいな 足の裏を叩く 枯れた枝は、もう仮初めに見え

2年前

【spin a yarn】 夜の帳にもう少し、くるまれていたいと顔を埋める 新しい夜の香りは星の匂いをふんだんにまぶし 今しばらくの眠りへ誘う 間近い朝にも怯えず、夜は湛えられているけれど 人や動物や植物が毎晩吸い込むので、いくらか擦り切れて 新しい星が、薄れた夜から顔を覗かせる

2年前

【spin a yarn】 わたしの心は灰青になり 鳥の声や 星の声が はいあお、いい色 と歌うような声も

2年前

【spin a yarn】 喜んでいようと思う。 自分のみじめさが恥ずかしかったのだけれど、 それでも衣食があり、長く眠ることもできる。 こうやって書く場所もあること。 敬虔になることは難しいのだけれど、 その方がずっと自分らしく、楽しい。 必要なことは一つ。 良い方を私も選ぶ。

2年前

【spin a yarn】 雪が音を集め 手渡し 芽吹く春が歌うと 鳥が自分の声を聞き 首を傾げながら 嬉しくて歌うと

2年前

【spin a yarn】 礼拝を終えて、雪を待つ。 わたしの緋色の罪は、主の血で贖われている。 正しくなりきれない者だけれど、それを知るので、主にあって正しいことを求めてゆこうと思う。 雪を待つ。 罪を知らないと嘯く罪を、拭ってくださる方を思い、祈る。

2年前

【spin a yarn】 言葉があらわれる もう少しもう少し 気がつけば、繁茂している そんな風景を期待している 心の冬は去った、と まだ確信を持って言えないけれど もし、春が来たら どんな言葉で祝おうか 不思議な物語を束ねるから もう少しもう少し (楽しみに) 待っていて

2年前

【spin a yarn】 朝は、昨日の朝に似ている。 夜は、いつかの夜に似ている。 鳥の声を待つ。 文字が体の中に足りないことに気づく。 今日も少しずつ新しいわたしになり、若枝を心に見つける。 その枝に鳥がやってくるのを待つ。 囀るのか、啄ばむのか、見極め、しるしとする。

2年前

【spin a yarn】 目覚めた時に夜は去っていて、残り香も乾いている。 親しい朝は普段と変わらない様子、それでも緊張は少ない。 体はあちこち軋んでいる。 眠っていたものを起こしているから、と思う。 言葉を探すことは楽しい。 健やかでなくとも、続けられるのだから嬉しい。

2年前

【spin a yarn】 自分が見当たらない曇り空の今日は 歩くことや音聞くことを 丁寧に行い それで十分、という日を過ごす 倒れるように現れる、わたし、わたし、わたし まだ所在がない どれもわたしだけれど、皆、少しずつ虚ろ 欲しい物を尋ねれば 囀りの翻訳 君という言葉はあるの

2年前

【spin a yarn】 夕方に手が届くこと その喜びが思いがけず いつから、と振り向けば 年端のいかないわたしが佇んでいる 長く待った、と言う それはすでに、わたしを纏っている 深く息を吐く 球根を目覚めさせるのは誰なのでしょう、と

2年前

【spin a yarn】 心の夜に星がまたたく またたきを口に含めば 甘苦く、瞳の奥でふくよかに広がる 世界の秘密を届けよと 不思議が燃える言葉で語るので わたしは、また嬉しく旅をはじめようと思う

2年前

【spin a yarn】 東京に雪が降る。 浮き足立つほどには、特異で、 白けた目で見られるほどには、心構えが拙い。 政治を見るように寒い、のろのろとしている。 鹿爪らしい顔をしているけれど、何もしない。 東京に雪が降る。 字面だけで美しい。 相応しい振る舞いを考える。

2年前

【spin a yarn】 心に明るみがあること ようやく枷は解け 新しい物語の浮かぶ ひたすらな夜や ひたすらな冬を 治せるものか分からないけれど この明るみが 一日の周期のなかに現れて欲しいと願う ひたすらな夜に明かりを灯す 明るみのある今、それを祈る

2年前

【spin a yarn】 夜の子どもたちが芽吹く 星の目配せ 帳の匂い 月影の足 夜光雲 それぞれ夜の名前を戴いて 若い呼吸をしている やがて夜気を滴らせる時 そのインクで何を書こう ひとりひとり 名前にふさわしい 美しい夜を書こう

2年前

【spin a yarn】 窓にふれる 指がふるえる 音を聞くこと いつからか、痕跡を残すことを恐れてしまって 小さく生きている 音を聞くこと 不覚に知られても それは輪郭 指がふるえる 窓をやわらかくすると 朝の震えが白く曇る

2年前

【spin a yarn】 心が夜のまま、外が明るくなっていくのを見ている やがて心のひだが、赤みを帯び、起きる 赤いドレープの部屋にいる 血が通っているように思うので そこは守られなければいけないような気がする ひだをめくれば、その向こうはまた夜で 今も醒めない夢の中にいる

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【spin a yarn】 わたしの祈りは闇雲にならず 聞かれていること それを知る喜びがあり 苦しいことは多いのだけれど 虚しく終わることがないと信じること 幼子のように夢中な 真の祈りに到達できていないように思うけれども それができず呻くこともまた 祈りとなること

2年前