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映画レビュー 「白ゆき姫殺人事件」

映画レビュー(旧作)の第3回目は2014年公開の「白ゆき姫殺人事件

監督はこの時点ですでに「チーム・バチスタの栄光」や「ゴールデンスランバー」などなどすでに大ヒットが連発していた中村義洋。いつの間にか殺人犯に祭り上げられてしまう女性を演じたのが主演の井上真央。驚くほど地味な女性を演じているのもこの作品の特徴の一つ。

原作は「告白」なども手掛けている湊かなえ。様々な登場人物の視点からこの殺人事件を語られて行く手法で、この感じの描写はいつの間にか引き込まれていく感じなので個人的には大好き。

すべて見終わって2回目に見た時に気づいたが、映画の前半部分で「それって想像じゃん」っていう台詞がある。結局その「想像」はある事を仕立てる為の「想像」なのだが、その「想像」を発信したことによって大きく物事が進んで行ってしまう。

この映画ではマスコミが流す情報のベクトルの掛け方、情報操作であったり、一般市民がSNSで好き勝手に憶測を事実のように伝えるやり方の問題点も描かれている。まぁ現代のミスリードとはこうやって行われるんだと思わせると同時に、ミスリードの結果、現状では何も責任を負うことが無くて済むという事実も描かれる。ここ最近もこのテの出来事が多くなってきているが、疑いを掛けられた側はたまったもんじゃないぜ…。

正直胸糞が悪くなるような事が続く物語。しかし中盤から後半にかけて主人公の幼い頃の親友、大学時代の親友が絡んできて、最後に心を通わせるシーンが実に感動的だった。

この作品は2014年公開の映画。最近もう一度見たのだけど「もう7年も前の作品かぁ…」って意識が強い。個人的には2年くらい前の感覚なんだけどねぇ。

この作品を見終わって「そうだ原作も読もう」と思って小説の方も買ったが、未だに呼んでない…。しかも「告白」も同時に買って、やはり読むなら告白からでしょって読んで、告白も途中で読むのが止まったまま。いい機会だから読み直してみるか…。



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