鈴木駿 Suzuki Shun

東京で編集の仕事をしています。大学では社会学や文化人類学 専攻。旅をテーマにインディペ…

鈴木駿 Suzuki Shun

東京で編集の仕事をしています。大学では社会学や文化人類学 専攻。旅をテーマにインディペンデントな生き方を模索中。 Instagram https://www.instagram.com/ha_sushi/

最近の記事

湯河原ツムツム日記

世の中はゴールデンウィークに浮き足立っている。そのムードに僕も感化されて、真上にある太陽が燦々と降り注ぐ三連休日曜日に小田急線藤沢行きの電車に飛び乗った。向かう先は、湯河原。1日かけてじっくりと温泉に浸かり、今日だけは世忘れ人になる予定だ。 片道1時間半のショートトリップ。電車にはそれなりに人が乗っている。平日の朝にはない賑やかな雰囲気がある。みんな僕と同じGWトリッパーなのだろうか。 僕は座席に座りながら本を読んでいたのだけど、ふと外の景色をぼうっと眺めたくなって席を立

    • 腰痛くても夜行バスに乗る

      寝て起きれば目的地に着いているという便利な乗り物、夜行バスーー。しかし実際は、狭くて、長時間で、体の負担的にもけっこうハード。それでも僕はあえて夜行バスを選ぶことがある。安いだけじゃない、僕が夜行バスに乗る理由。 京都で学生時代を過ごした僕は、実家のある福島や友人のいる東京に行くのに、よく夜行バスにお世話になった。お金にシビアな大学生は新幹線に乗るなんてさらさら頭にもなく、夜行バスの一択だった。 平日を選べば、京都ー東京間を3000円もあれば移動できた。なんと新幹線の値段

      • 空港で本を買う

        心配性の私は、いつも集合時間より早く到着するようにしている。ゴールデンウィーク初日の今日、北海道に向かう私はフライト時刻の3時間前には空港に着いていた。 早く着くのは焦らなくて済むからで、特にやることはない。空港内のローソンで何でもないカフェラテとロールケーキを買い、広いロビーにポツンと置いてある椅子に座って人々の往来をぼんやりと眺める。この何にも追われない時間が私を安心させてくれる。 ロールケーキを食べ終えた私はふらふらと空港内を歩く。すると、本屋をみつけたので入ってみ

        • 【URBAN SLOW LIFE#1】千駄木・根津の街を歩きながら"旅をかたちに残す"ことを考える

          まえがき 先日、世田谷の生活工房ギャラリーで開催していた、編集者・岡本仁さんの展示「岡本仁の編集とそれにまつわる何やかや。」を観に行ってきた。そこでは、彼の日常生活の中にある”旅”が、写真・テキスト・空間などの形として表現されていた。そこに強い親近感と、私も自分の旅を形に残さなければといった渇望に近い思いが湧いてきた。 私は2022年3月に東京に越してきてからは、それぞれの地区・地域に異なる顔を持つ東京の街の持つ魅力に魅せられ、時間があれば東京の街を散策している。 ただ

        湯河原ツムツム日記

        マガジン

        • URBAN SLOW LIFE
          1本
        • 僕の好きなもの
          3本
        • 坂口恭平さんの説法の時間
          1本

        記事

          【Playlist】 午後、高尾登山

          高尾山。東京都内に位置し比較的初心者でも登りやすいため大都会・東京に住む人にとっては馴染み深い山だろう。せっかく私も東京に引っ越してきたのだからと(日頃のデスクワークで固まった心身のリフレッシュのためにも……)、高尾山に登ってみることに。 登山をするにあたり、高尾登山専用プレイリストをつくってみました。山を登るときの高揚感や歩くテンポを意識した選曲になっています。もしもあなたの携帯のGB数にまだ余裕があり、ちょっと体を動かす時間と気力があるとするならば、今すぐこのプレイリス

          【Playlist】 午後、高尾登山

          東京暇人日記

          どうも東京に越してきました。鈴木です。 ご近所さんなら、これからお世話になります。 福島にいた頃は、東京に越せば何か毎日がキラキラしたものに変わると、そう思っていました。 ただ、東京に越してきても暇人は暇人のままです。何も変わりません。 今回は暇人がただつらつらと暇つぶしに東京で考えた事を載せてます。ご興味ある方はご覧ください。 ------------------------------------------------ 引っ越しの色々な手続きやら東京の人やモノの

          東京暇人日記

          【MEMEME×SNOW SHOVELING対談】 〜継続は力なりか〜

          なにかと有目的的な発言や行動が求められる現代社会。 私も就職活動では、自分の心にある形を成していないモヤモヤを無理をしてでも形に、声にすることを求められました。 もちろん形になることで自分を相手に伝えたり、自分の思考が整理されたりするが、相手に伝わったのは心の中にあったモヤモヤの表層部分だけ、というか、複雑性をそぎ落としてこれまでの概念に近づけて出したものであるから、何か自分としては重要な部分がそぎ落とされたようにも感じました。 「言葉にできないようなモヤモヤにこそ価値は

          【MEMEME×SNOW SHOVELING対談】 〜継続は力なりか〜

          【進路報告】現代社会を編集する

          僕の記事を読んでくれている人もそうでない人も、お久しぶりです。 私は3月の大学卒業後は、東京にある編集系の会社で働くことになりました。今回私が決断したこの進路は、小さいころ思い描いていた大学生活とは違かった大学生活を振り返り、図書館で目に留まる本をひたすらに読み、自分の心に耳を傾けた上で選択した進路です。 つまりこの進路は今の私にとって、最善の選択だと思っています。 私は編集の道へと進みます。この社会を編集していきます。 私がなぜ編集の道を選んだのか、将来の自分が今の自

          【進路報告】現代社会を編集する

          若いって素晴らしい!

          今は退屈な時代だ。ルネサンスこそ黄金時代だ。 映画「ミッドナイト・イン・パリ」より 高齢者にとったあるアンケート、 「人生で一番後悔していることはなんですか?」 1番多かった回答は、挑戦しなかったこと。 好きな人に告白しなかった、やりたい事をやらなかった———— 歳をとると、そう思う人が多いらしい。 もっと挑戦すればよかったと。 でも実際のところ、その時に戻ったとして挑戦できるかといったらわからないくらい、当時はプレッシャーがあったり、他の人の目が気になっていた

          若いって素晴らしい!

          父の青春とそばにある本達

          最近、父から新しい本の読み方を教えてもらった。 ツンドクと呼ばれるその読書方法について習ったときに、これまでの僕の読書方法はどれだけ柔軟性に欠けていたのかとハッとさせられた。 * ある日、突然父が本を買ってきた。 それは、今大河ドラマの主人公にもなっている 渋沢栄一著の『論語と算盤』。 江戸の倒幕から明治までの目まぐるしい時代を駆け巡った彼が心得た、先の見えない時代の指南書だった。 父はこういう本を読むのかと、少し驚いた。 普段本を読んでいる姿なんて微塵も見せて

          父の青春とそばにある本達

          【エッセイ】介護業界で働く母の苦悩と優しさ

           「今日は嬉しい事があったんだ」 お風呂上がりの母が食器を拭きながらそう言った———  ケアマネジャーとして介護業界で働く母の元に、昔働いていたデイサービスから電話があったらしい。 母が働いていた頃から、そこのデイサービスには、 建設会社で働いていたが、脳出血で倒れ、体の半分が不自由なその方が通っている。 ただその方は、ごく一般的な利用者というよりかは一癖あるような利用者さんだった。 金のネックレスをジャラジャラと鳴らし、何かあると大声をだして威嚇をするような方で、

          【エッセイ】介護業界で働く母の苦悩と優しさ

          【MEMEME×SNOW SHOVELING対談】ひとり時間の必要性~ひとりでいることと他人と関わること~

          僕の存在を証明してくれるのは僕以外の誰かでしかない 視聴者:ひとり時間が好きで逆に他人と過ごすことがしんどくなっています。うまくバランスを取る方法はあるか?社会との関りもなくなっていっている気がする———— 晴さん:質問をしてきてくれた方は、他人と関わりたくないから個人に逃げ込んでしまっている状態なのか、もしくは、本当に居心地が良くてひとりでいるのかな。それによってこの質問の意味合いが変わってくる。 他人と過ごさなければいけないという強迫観念から他人と過ごして疲れるならそ

          【MEMEME×SNOW SHOVELING対談】ひとり時間の必要性~ひとりでいることと他人と関わること~

          鬱にならないための計画~毎日スケジュールを立てること~

          私は自分の進路をもっと考えたいという事で、大学三年を終えてから一年間休学しました。まあ結論から言うと、その一年間の毎日が自分との戦いというか地獄のような日々だった。元々世界中をバックパッカーとして回る予定だったんですけど、世の中はこんな状態になったもんでいけなくなり、一切の予定が無くなったんですね。それが悲劇の始まりで。悲劇というかもはや喜劇です。 スケジュールが決まっている生活それまで大学生として授業があって、休みの日は何々をしてみたいなある程度自分のスケジュールというの

          鬱にならないための計画~毎日スケジュールを立てること~

          鴨川フェス企画書~京都・鴨川でフェスをしよう!~

          京都と鴨川通大学のために京都に住んでいたころは、よく、ほんとによく、時間を見つけては鴨川にいた。ギターを持っていきカネコアヤノやハナレグミやいろんな歌を歌ったし、FRESCOでコロッケや中華のなんか総菜を買っては、そこで食べたりもした。忙しい街中を一本抜ければそこに鴨川がいつもあるのだ。文化と自然が融合した街、京都。とでも言おうか。鴨川にはよく変な人が集まる。そこで暮らしている感じの人。武士の格好してYOUTUBE撮影している人。ちゃんとピクニックしている人。日本のサラダボウ

          鴨川フェス企画書~京都・鴨川でフェスをしよう!~

          スケーターの社会学~街をサーフィンする~

          駅裏や公園に響く、ウレタン製のタイヤと地面が摩擦する音————。 小さな四つのタイヤに彼の全体重がかかる。それが地面と摩擦する。その音が消えたと思ったら、 乾いた木の板がコンクリートを弾く高い音が鳴り、板は彼を乗せたまま宙を舞う————— 私が初めてスケーターに眼差しを向けたのは、ロサンゼルスを旅していた時。車どおりが多い通りを、恐れもせずラフな格好をした数人の若者が駆け抜けている光景を見たときに衝撃を受けた。 日本ではありえないほど、車に接近して走っていたり、すごいス

          スケーターの社会学~街をサーフィンする~

          生かすものは生かされる~農業から学んだ自然界の法則~【後編】

          ゼロ地点を考える 農業体験先で出会った無農薬でイチゴを育てる恩師は、農業をやる上で何を大切にしているかというと 「ゼロ地点を考える」 農業を始める前に、もうこれ以上深堀できないよ、という所まで考える。 どうやったら作物が元気に育つのか、どうやったらその作物を食べて体が喜ぶようになるのか、なぜ私は農業をするのか、と。 なぜなら、まずスタート地点で自分の方向性が分かっていないと、後々「なんで俺こうなっちゃったんだろう」と思ってしまうから。 それは農業だけではなく、人

          生かすものは生かされる~農業から学んだ自然界の法則~【後編】