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自然と共に生きるセカンドハウス

こんにちは、コーイチです。
 今回は、都心から約1時間半~3時間というアクセスしやすいロケーションで、オリジナルの木造建築「SANU CABIN」に月額5.5万円で滞在することができるサブスクリプションサービスを提供している、ライフスタイルブランド「SANU(サヌ)」を見ていき、このようなライフスタイルが今後も増加していくのか考えたいと思います。

1.SANUの誕生

(出典:SANU youtubeより)

 国連の調査によると、1950年当時、30%に過ぎなかった都市人口は、2018年には55%、そして2050年には68%に達すると予測され、急激な都市化の中で、自然と触れ合う機会は減りつつあります。
 一方で、2050年まで現在のCO2排出が続いた場合に起きる気温上昇とそれに伴う熱波、洪水、都市の水没、飢餓、多様な生物種の絶滅などの気候危機の影響は年々大きくなっています。
 そのような現状を考え、より多くの人が自然に触れ、自然を好きになることで、人々の意識や生活様式が少しずつ変化し、人と自然が共生する未来を創っていきたいとの想いから、2020年7月に「SANU」は誕生しました。
「SANU」は、人と自然が共生する社会の実現を目指して作られたライフスタイルブランドで、ミッションは、ホテル&レジデンスを通じて、あらゆる人々が自然と調和し、楽しく、健康的に暮らしていくためのライフスタイルを提案することです。

 「SANU」が誕生したきっかけは、ファウンダーでありブランドディレクターの 本間氏が、コロナの緊急事態宣言の時に、もし東京がロックダウンになったら海に入れないし、山にも行けないかもしれないと思って、千葉県長生郡の一宮町に小さな家を借り、その時の生活がすごく良く、気軽に訪れられて、そこで自分の生活を営むことがクレジットカード一枚でできればいいのにと思ったのがはじまりということです。
 会社名とブランド名の「SANU」とは、サンスクリット語で、「山の頂(いただき)」、「太陽」、「思慮深い人」の3つの意味があり、ブランドコンセプトとしては「Live with nature/自然と共に生きる」を掲げており、どのようにして都会で暮らす人と自然をつなぎ合わせることができるかということをサービスのテーマとしています。

2.SANU 2nd Home

(出典:SANU youtubeより)

 近年、健康志向・体験重視の消費の高まりも相まって、キャンプなどアウトドアアクティビティへの需要が急激に伸びています。
 さらに、直近の変化として、新型コロナウイルス感染症をきっかけにテレワークやオンライン会議の活用が進んだことで、都心のオフィスにこだわらず好きな場所から働くワークスタイルにも注目が集まっています。 
 また、別荘を所有している人は人口の0.7%、さらに不動産として12カ月のうちの1カ月しか使われていないという状況があります。
 「SANU」は、このようにうまく活用されていない不動産というものを、どうやって一人でも多くの人に利用してもらうかという観点から、特定多数によってシェアリングすることで、滞在期間中はあたかも自分の別荘であるかのように使えるようなサービスを作りたいと考え、都市に仕事や生活の拠点を置きながら、自然の中にあるセカンドホームを利用できる新しい仕組み「SANU 2nd Home」を開発しました。

 もう一つの家がある暮らしを低価格で提供するという仕組みでサービスを展開したいと考え、サブスクリプション制を採用し、月5.5万円〜の月額基本料金で、全国に点在するセカンドホームのどこでも泊まることが出来るようにしました。

 「SANU 2nd Home」は、都⼼から約1時間半で到着できるロケーションでの展開を予定しており、ハイキングやサーフィンなど、自然の中で行うアクティビティのベースとしたり、PCや本を持ち込んで、静かに集中するオフィスとしたり、⼤事な⼈とゆったりとしたひとときを過ごすための住処として利用したりして、「住」「働」「遊」の全てを、豊かな自然と共に楽しむことができる施設となっています。

3.自然を守る建物

(出典:IDEAS FOR GOOD youtubeより)

 「SANU 2nd Home」の施設は、土地の地形や、自然の美しさを借景としてそのまま活用し、自然と調和するミニマルなデザインの建物とし、室内空間はホテルのような上質で心地よいインテリアをベースに、長期滞在時の快適性も重視しワークスペースやキッチンも設えています。

 従来の自然立地での住宅や大型リゾート建設は、木を切り倒す大規模な造成や、大量のコンクリートを使った基礎工事、建設現場での大量の廃棄物など、その土地の自然環境や生物に与える影響が小さくありません。
 「SANU 2nd Home」は、開発における自然環境へのインパクトを最小限に抑え、従来建築に比べて30%超のCO2排出量の削減や、「SANU CABIN」の建設と同時に植林を進めるなど、事業の拡大と共に自然にプラスの影響を与える“リジェネラティブ”な建築を目指しています。

 さらには、いままでは柱や梁など直線的な使われ方しかされてこなかった木材を、違うアプローチで使用することで、木の価値を高めていきたいという考えを持ち、ビスや釘も極力使わない工法を採用するほか、木の板の両面からスリットを入れることで三次曲面をつくったり、木材の補強方法など、新しい実験にも取り込んでいます。

 また「SANU CABIN」では、現在の住宅の解体時に出る廃棄物の問題を解決するために、寿命を迎えた時に、解体してゴミとして処分するのではなく、簡単にばらせるようにし、また別の資材として再利用できるようにと様々な工法に挑戦しています。
 設計・施工パートナーであるADXの安齋氏は、人間と同じように、建築には始まりがあれば終わりがあり、建築の終わり方をデザインすることも大事で、本来は、建築をつくる契約の時に、設計工事だけじゃなく、解体について考えることこそがあるべき姿なんじゃないかと考えており、自分たちは、未来へものを届けるためにそんなことはやりたくないので、いまからつくり方を考えて実装すれば必ず叶うと思うので挑戦していると述べています。

4.SANUの新たな取り組み

(出典:SANU プレスリリースより)
(出典:SANU プレスリリースより)

 2022年11月、「SANU」は、「SANU 2nd Home」の次なる進出地として、千葉・九十九里浜エリアを発表し、滞在施設のニューモデルとなる「SANU Apartment(仮称)」の概要と開業予定を2023年夏として発表しました。
 「SANU Apartment(仮称)」は、「SANU」として初めて海辺に進出するもので、千葉の九十九里浜南端に位置する一宮町は、サーフィンの聖地で、海水浴場は徒歩圏内にあります。
 「SANU」は2022年7月時点で、既存の「SANU CABIN」と「Renovation Series(リノベ棟)」を合わせて50棟を展開しており、今後は、新しく発表した「SANU Apartment(仮称)」も含めて、2023年に100棟の着工を計画しています。

 「SANU」は、「自然と共に生きる」とは何なのかを常に考え続け、答えではなく問いとして世の中に発信していくことが「SANU」というブランドの定義であり、みんながどうやって生きていいのかを迷っている現代だからこそ、そのようなライフスタイルブランドが必要なんじゃないかと考えています。

5.最後に

(出典:Machimico youtubeより)

 近年、「アドレスホッパー」と呼ばれる、「特定の拠点を持たずに、全国のホテルなどを移動しながら仕事をして暮らす人」が増えています。
 リモートワークの普及に伴い、「旅をするように暮らす」という生き方は現代における新しい暮らしの形であるといえます。
 そうした中で生まれたサブスク型住居サービスは増加していますが、サービスや施設の形態は様々となっています。

 「アドレスホッパー」の最大の意義は“自分を成長させていくこと”で、自身で選択した暮らしのなかで新しい刺激を受け、今までとは違う価値観に触れることによって、自身の生活に変化を生み出すことができるようになることが魅力といえます。
 
 本格的な「アドレスホッパー」にまでならなくても、いつもと違う場所で休日だけ暮らすという「SANU」の提案するライフスタイルは、非常に魅力的かと思います。
 日常と違う自然に囲まれた場所で、新しい価値観に出会う、そんなことが気軽にできるのは魅力です。
 今後もこのように複数の拠点を持つ、ライフスタイルが望まれていくのかもしれません。

今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。
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