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ベジタリアン:マイノリティのカミングアウト→まわりの反応に3つの対応策

日本では今でも、「プラントベース(ベジタリアン、ビーガン、ゆるベジ等)食を主義にしています」と言った時のまわりの反応は、ポジティブなものばかりではないですよね。

◆プラントベース食に切り替える事を不安に思っている人
◆切り替えたが、周囲の反応に傷ついてしまいへこんでいる人
◆食生活以外でもマイノリティーとして生きている人

こういう人達に少しでも楽になってもらうための私の過去の痛い経験から身に着けた対策を3つご紹介します。

家族や親しい人に思い切って打ち明けた時に、受け入れてもらえないのは結構ツライものです。大事な決断や信念を否定されるようなものですから。
マイノリティでいるのは、自分の中ではやむにやまれずの選択であることも多いはずです。そのため、否定されると袋小路、デッドエンドに入り込んだような気になる人も多いいのでは?

「私はベジタリアンなんで、肉は食べないんです。」
と話した時、相手に微妙な顔をされることは何度もありました。
戸惑いと拒絶感の混ざったような顔をされるのは、菜食主義に関わらず、マイノリティーであることをカミングアウトする時に起こりがちなことです。

今回は、20年以上ベジタリアンでいる私が分析した内容です。
マイノリティー告白時に起きるネガティブな反応の原因3つとその対処法をお伝えします。ヘイトスピーチが起きるメカニズムと共通点があります。偏見、異質なものへに脅威がベースにある問題です。

親しい人に「ベジタリアンになります!」と言われて、何となく祝福できなかった人も、なぜモヤモヤしたのかがわかれば受け入れやすくなる時もあります。家族や友人が、そういう告白をしてきて戸惑っている人も参考にしてほしいです。

根本的解決法を見出したと言えるかわからないが、長年ベジタリアンをやって、対策出来るようになり、ずいぶん楽になりました。(20代の時は、傷ついてたくさん泣いたりしたこともありました。今より多様性を認めない社会でしたし、私の対応策も未発達だったんです(T_T))

★ベジタリアンというマイノリティーを拒絶したい理由は3つと見た!


<1>人は、わからないものに恐怖を感じる

みなさんの周囲に、何人のベジタリアンがいますか?
家族や親せきにいますか?
ほぼゼロに近くはないですか?

ビリーアイリッシュ、フジコヘミングさんなど、有名な人がベジタリアンやビーガンだと聞いても、よその世界の話にしか感じられませんよね。

ベジタリアンは、多くの人にとって馴染みが無い人達なんです。自分と違う未知の人達がベジタリアンだと思うわれるのも無理はない。

ベジタリアンという名前くらいは知っている人がほとんどです。でも、わからないことだらけなんです。

・ビーガンってのと同じ?
・葉っぱだけ食べているのかしら?
・たんぱく質を摂らなくて大丈夫なの?
・なんで美味しい肉を食べない人生を選んでいるの?
・宗教が理由?変なカルトかも??
・焼肉屋さんには行かないってこと??
・外食は一切しないわけ?
・家では毎日何を食べているの?
・早めに病気になったり死んじゃうんじゃないの?

など、一気に頭の中を疑問が駆け巡るようです。

大人の多くは、思っても疑問を口にしません。ただ、顔にちょっとだけ疑惑の影が出ます。
一方、子ども(思考が子ども的な人含む)は一気に疑問を口にするので、上記の疑問を持たれることがわかりました。

👉この対処は

丁寧に笑顔で説明することに尽きます。

時間もエネルギーも必要ですが、どんなに笑いそうになる質問にも真摯に答え続けてみると、あるところで、ふっと相手の顔が緩みます。
「な~んだ、そんなに恐ろし気なものではなさそうね」
という結論に達するのだと思います。

「ちょっと変わっているけど、無害な人」というカテゴリーに私を分類して、受け入れ完了になります。
「個性重視の人生なんで、よろしくね」と私の方で都合よく頭の中で言い換えてから、こっち側も納得!
そうしたら、もう解決済みになります。

食生活の主義だけの話ではなく、ありとあらゆるマイノリティーの人に応用できるやり方ではないでしょうか。

比較的若い人の方が、柔軟性があるのと、学校で多様性について授業を受けているせいか、早めに受け入れてくださることが多いです。(教育はいつの時代にも大きな社会問題を解決するカギです!)

多様性を全く認めない人には、そもそも理解は期待出来ないです。ある程度のところでこちらからシャッターを下ろし終了にすることもあります。残念ですが、人生そんなに長くないし、そういう人と付き合うのは時間とエネルギーの無駄と思い、立ち去ります。



<2>自分もベジタリアンになれと言われるのではないかと身構える⁈


私がベジタリアンだからといって、「あなたにもベジタリアンになって欲しい!」と言ったことは一回もないです。新興宗教の誘いではないのですから、勧誘などしません。私が選んだ道だというだけです。

でも、よおおおおおおおく考えてみたら、「もし、あなたも賛同してベジタリアンになってくれるなら嬉しい」と思っていたかも!と気づきました。肉を食べることを自分の中でどうしても受け入れられない理由があったわけですから。

だから、面倒な事を言い出しそうだなあと身構えられたのかもしれないと考えております。

「お肉を食べることは良くない」なんて、大昔の肉食禁止令的なことを言い出して、肉食に罪悪感を持たせようとしてるのでは?とまで想像する人もいるかもしれません。

実際、そういう記事や動画、ポスターはたくさんあります。多くの人が内心気づいていても見ないようにしている畜産や環境問題についての事実を突き付け、ショックを与えて行動変容を促そうとしているのですが、嫌な気分になる人がいるはずです。その結果、ビーガンやベジタリアン批判を感情的にしてしまう。怒鳴ると相手も怒鳴る、という構図と同じです。

👉この対処法
「ベジタリアンになるのは、私みたいに何でも我が道を突き進むタイプの人間だけでいいよ~~。日本では特に理解もまだ進んでなくて大変だって知ってるからさ~。
でも、ほんのちょっとでも考えに賛同してくれるなら、せめてベジタリアン達を温かく受け入れてくれたら嬉しいいな~。ベジタリアンがゆるベジ含めて少しずつ増えたら嬉しいには嬉しいんだ〜」とゆるく思うことにしました。
というか、微笑んで念じるようにしています。
「受け入れてくれると嬉しいなあ~」という念を送るのです。
ゆるい気持ちの波長は結構伝わる
ように思います。

 🍈  🥦  🍅  🥕  🌽 

ゆるく構えることは、今の時代に合っているようです。
主義主張を振りかざすのは昭和的ですよね。
ゆるいベジタリアンが広まって、受け入れられる雰囲気は広まっているのではないでしょうか?
多様性はこういうところにも表れているのですね。



ポールマッカートニーさんのミートフリーマンデーの提唱(月曜だけ肉無し)は、素晴らしい!
週1日ベジタリアンになる人が7人いたら、1人がベジタリアンになるのと同じだけ地球環境に良い影響があります。
土日に脂質含めて食べすぎる傾向が多い人が、月曜だけベジタリアンにする!
大抵カロリーダウン出来ます。
週1ベジ程度は、難しくありません。

◆私のベジタリアン食の例
朝食:納豆ご飯 ワカメと油揚げの味噌汁 きんぴら、果物、ヨーグルト
昼食:トマトスパゲッティ、豆サラダ
おやつ:ナッツとお茶
夕食:ご飯、厚揚げと野菜の中華炒め、キノコの和え物、漬物

出されて食べたら、普通に満足できるのでは?


週1回だけベジタリアン
地球にも自分の健康にもプラスがあるので、ウィンウィンです。


フレキシタリアン、つまりゆるベジの考えも一般的になってきました。
完璧にベジタリアンを目指すのは、ハードルが高すぎる人も気軽に試せます。プラントベース食寄りの食事にするゆるい感じが良いですよね。

イギリスの料理家のジェイミーオリバーも、いつの間にかフレキシタリアンになっており、ベジタリアン料理本も出していました。


一応、プラントベース食と言う食事の定義はあります。知りたい人は、下の記事を読んで下さい。
どの程度まで、菜食にするのかというラインがあるのですが、あまりきっちりと言わなくてもいいように思います。

ウィークデーベジタリアン、週末は自由食で肉や魚も食べるという食事を提唱している人も現れました。いろいろなレベルの人がいるということです。
この人にとっては、その割合がちょうどよかったんですね。
TED(字幕付き)8分のトークを聞いてみてください。多くの人が賛同しやすい方法を面白くお話されています。


<3>肉を食べることを非難されたり、食生活の乱れを指摘されるのではないかと身構える

生活習慣病の人、太っている人が、自分の食生活に誇りを持っていることは少ないです。食に関する自己評価は低いのです。

焼肉を食べ過ぎることなどが、健康に良いと思ってやっているわけではない。肉の脂が動脈硬化や大腸がんなどのリスクを上げる話はどこかで聞いたことがあるはずです。
「好きな物を食べたいだけ食べて死ぬんだからいい!」と口で言っていても、100%心底そう思っているわけでもないのが、栄養相談中に顔を見るとわかります。

そのため、居心地が悪く思うのだと思います。

まるで聖人のように自分を律して生活出来る人が目の前に現れたら、居心地悪いですよね。

実際は、ベジタリアンだからと言って、全員が健康的な食生活を送っているわけではありません。
ノンベジの人と同じく、お菓子やアイスやお酒過剰摂取したり、太ったり、生活習慣病になったりします。ベジタリアンの方が肥満率も生活習慣病を持つ率が低いですが、不健康な食習慣の人もいます。その点は、ベジタリアンもノンベジも同じなんです。

でも、よく知らないから、肉を我慢して野菜だけを食べて満足できる仙人のように感じるのかもしれません。

そして反発心が出るのではないかと想像しています。

👉この対処法
「普通ですよ~」と口に出して言ったり、説明したりします。食事に関する悩みや健康問題は、共通していることや、食べ過ぎてしまうこともある具体例の話をします。

政府ではないが、やはり説明する事は大事だと思います。考えているだけでは伝わらないから。
理解すると、納得できるのは何についても同じです。

↑↑ 中田敦彦さんもヴィーガンになられたようですね。
とてもよく調べてわかりやすく発信して下さっています。環境に良いだけでなく、健康にプラスがあるとわかったことがヴィーガンになると決心した理由だったと他の動画でおっしゃってます。

私も、管理栄養士として健康を損ねる食事が良い食事とは思えないので、健康に良いのかというのは大事でした。
答えが知りたくてアメリカの大学院に留学まで行ってわかったことは健康に良いということでした。もちろんヘルシーな食べ方をする菜食なら!という条件付きです。(母校ロマリンダ大学の記事はコチラ)

<まとめ>

①わからないものへの恐怖
②誘われるのではないかと身構える
③避難されるのではないかと身構える

結局、恐怖から嫌悪感になることが多いのではないでしょうか?

ヘイトクライムまで発展することは無いにせよ、ネガティブな感情をマイノリティーの人に持つのは何かしらの恐怖から来ているのでは?
自分の平安を脅かす可能性のある異物を排除したい気持ちが働くのだと理解しています。

それがわかれば、嫌な顔をされても必要以上に傷つかないで済みます。怖いんだよね?と思えばいいのです。また、悲しむだけで終わらないで具体的な対応法も考えられるのでは?

時間がかかることもあります。でも、話せばわかることも多いです。
戦争より、時間がかかっても外交で話し合いを続けた方が良いですよね?個人の人間同士も同じです。

仲良くない人にまで100%理解されることを望みませんが、家族を含め親しい人にだけ最低限受け入れてもらえるように努力だけはしてきました。とにかく話し合いが大事です。

特に家族の中で一人だけベジタリアンになる時は、たくさんの話し合いが必要です。協力が必要なことが多いですから。

カミングアウトしたくないならする必要は無いと思います。パーソナルなことですから。
でも、隠すのは難しくストレスフルです。

この記事が少しでもベジタリアンを含むマイノリティの人が生きやすい社会になるために、役に立つことを祈ります。


ここまで読んでいただいてありがとうございます💛
皆さまのプラントベース生活がハッピーに続けられますように💗

はつみ|管理栄養士|プラントベース食のの栄養と料理|@ベジ広間の縁側


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