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夫と私

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多動、整頓ベタ、デベソ、異常な集中力、の夫とのすっとこどっこいな日常です。
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土禁?

土禁?

毎度毎度愚痴らせてもらっているが、夫の部屋は部屋というより今や物置になっている。この家で一番広く十畳くらいあるのだが、足の踏み場もない。
通販で買ったものの空き箱が転がり、何かわからないもののリモコンが無造作に投げ出され、惜しくもゴミ箱にシュートし損ねた鼻紙が二、三個散っている。その真っただ中に大画面のモニター、両脇にはスピーカー、奥にはピアノ、そして仕事の書類・・・とかなりのカオス状態である。何

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『ゴールデン』ウイーク

『ゴールデン』ウイーク

夫は使ったものを全く補充しない人である。
石鹸が少なくなっていようが、シャンプーが空になっていようが、自らが補充するという発想がない。
「ないでー」
とこちらに呼びかけて終了、である。
自分も補充することが出来る、という認識がまるでない。意図的にそうやっているのではなく、そういう思考回路を辿るのが夫にとっては自然で当たり前、なのだ。
恐らくは、小さい頃から母親に『はいはい、お母さんがやってあげよう

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同じ轍を踏む

同じ轍を踏む

今日は夫が在宅勤務で、私は出勤日である。こういう日の朝は猛烈に忙しい。
夫の出勤時間は午前七時である。時報とほぼ同時に家を出て行く。この後すぐに私は掃除に取り掛かる。だいたい一時間程度で終わるので、その後に皿を洗ったり、ゴミを出したりという家事を片付けて、八時半の出勤時間までに少し余裕がある状態が望ましい。
ところが在宅勤務だと、いつもの出勤時間に夫が起きてくる。洗濯はやや早めにするが、朝食もいつ

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夫、歯医者に行く

夫、歯医者に行く

夫の差し歯が取れてしまった話をちょっと前に書いた。
のらりくらりとポ〇グリップを頼りに誤魔化していたが、やっぱりいよいよ無理になってきたようで、やっと夫は渋々歯医者の予約を取った。
どの歯医者が良いか、については私は一切助言しなかった。そもそも二人共地元の事情に明るくないから、助言なんて出来ようがない。
夫は地元の情報通?である行きつけの理髪店の店主のおばさんに、『あたしゃA歯科に行ってるよ』と言

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オレにもくれや

オレにもくれや

私は毎朝、レーズンを食べることにしている。
随分前に酷い鉄欠乏性貧血を指摘され、『少しずつでも、食べ物で継続的に補うように』と言われてから食べ始めた。今は貧血ももうすっかりなりを潜め、ほぼ健全な血液であるから食べなくてもいいようなものだが、長い間の食習慣をいきなりやめる気になれず、今でもずっと食べ続けている。
量は二つまみほど。ヨーグルトに入れる。キウイや季節の果物を入れることもあるが、基本的にヨ

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熱をはかる

熱をはかる

夫が風邪を引いた。『微熱がある』といってしんどそうにしているが、食欲は普通にあるので心配はしていない。
向かいの席の同僚から貰ったに違いない、あいつは咳ゴホゴホしてる癖に会社に無理して来よる、ホンマに迷惑や、とブツブツ言っている。
いつものことなので、ふーん、といい加減な返事をしておくことにする。

夫はちょっとしんどいと、マメマメしく熱をはかる。そして表示された体温を見るや、
「三十六度六分や!

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デリカシーなし男

デリカシーなし男

夫は一般的な基準で言うと、かなりデリカシーの欠如した人だと思う。
夕飯の席で会社の同僚との会話の話になり、
「○○さんな、『××』って言うたから、オレ『○○』って言うてん」
というのを聞いてギョッとすることもしばしばある。ため息が出ることもあるが、本人はどこ吹く風である。エブリデイ・ノー自覚、かなりの重症だ。
「あかんかったか?」
息を呑む私に驚き、幼い子供のように目をくるくるさせて真顔で訊く様子

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知ーらないっと

知ーらないっと

先日の朝のことである。
「おはよう」
といつものように起きてきた夫の様子が何かおかしい。体調でも悪いのかな、と思い、
「どうしたん?」
と私が問うと、ほぼ同時に
「差し歯が抜けた」
と夫がコロンと取れた歯を見せた。

夫はお世辞にも歯が良いとは言えない。
本人は「親がロクに予防をしてくれなかったから」と言う。私も虫歯の治療には若い頃から苦労してきた人間であるから、夫の意見もわかる。
私達の親世代は

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素直でない夫と可愛くない妻

素直でない夫と可愛くない妻

「なあ、人間はなんで働くか知ってるか?」
昨日の夕飯後、夫が得意そうに私に問いかけてきた。
こういう時、
「知ってるよ」
と言ってはいけない。
「さあ、なんやろね?」
とそれとなく先を促すようにする。早く話を終わらせる為である。
そして決して積極的に望んで聞くのではないという事を、ウニュウニュした曖昧な態度で暗に示しておく。相手がそれに気づくかどうかは全く別の話であるが。

「人間はな、自分の利益

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頑固なスズメに手こずるアライグマ

頑固なスズメに手こずるアライグマ

雨ばかりが続いた束の間の晴れた日に、洗濯をしたくない主婦は多分いない。私だって勿論洗濯したくてうずうずする人である。
でもそんな私に、必ず水を差す人がいる。
夫である。

夫の清潔観念は私より随分レベルが低い。こういう事に煩い夫を持った友人達からは、羨ましがられることもある。『イチイチ掃除の度に小言を言われなくて良いねえ』ということらしいが、何事も程度問題というのがある。
確かに、忙しい時などに掃

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いつか言える日が

いつか言える日が

夫の姉から電話があったのは、つい二、三日前のことである。関西の施設に入居している舅の具合が悪くなり、急遽併設している病院に入ることになった、とのことだった。
非常に心配したが大したことはなく、検査して結果が何ともなければすぐにまた元の施設に戻れるらしい。
付き添ってくれていた介護士さんが、舅の手足の動きにちょっと違和感を感じ、念の為に検査したら異常が見つかった、という経緯らしかった。本人は意識もは

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小さな秘訣

小さな秘訣

ウチは今まで二十五年間、借り上げ社宅住まいである。
どうせ転勤があるし、退職するまではどこに落ち着くことになるかわからないから、ということで、敢えて自分たちの家は持たずに今までやってきた。
両方の親からは『早く自分達の家を持ちなさい』と凄い圧をかけられた時期もあったが、そうやって若い時期に家を建てたものの、転勤転勤で自分の家に殆ど居たことがない人の話を聞いたりすると、これで良かったのではないか、と

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許せるユルユルと許せないユルユル

許せるユルユルと許せないユルユル

私は『すぐに物を捨てる』と夫からよく批判?される。夫から見ればまだ十分に使用に耐える、『ちょっと』襟ぐりの線が緩んだTシャツとか、『少し』裾が擦り切れて糸が出ているようなズボンなどをポイポイ捨てるからだ。
「お前は罰当たりなやっちゃ。まだ着られたのに」
といつもお冠である。
しかし私にしてみれば、ほぼ毎日会社に出勤する夫に、情けないようなものは着てもらいたくない。ウチは超お金持ちではないが、一応外

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永年の疑問

永年の疑問

夫が家に居る時間の長さに比例して、家が汚れるのはなぜだろう。
結婚以来ずっと解決できていない、私の疑問である。
小さな子供ならわかる。あちこち動き回るし、散らかすし、こぼす。汗も大人よりずっと沢山かくし、くしゃみや咳は手でふさがないし、平気であちこちで寝転がるし、バッチいことの限りを尽くす。家の中を美しくすることは何一つしない。それが子供だからしょうがないし、こちらも端からそういうものだと思って諦

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