"地域再生の失敗学"を読んで

3冊目。

今回は経済学者の飯田康之さんが書いた"地域再生の失敗学"を読み終えたので、感想を書いていきます。


どんな本か

筆者と現場プレイヤーや研究者との対談を通して、これからの地域再生のヒントを示すものとなっています。

基本は対談方式で書かれていて、非常に読みやすいのが特徴でした。研究者の方との対談の前にインプットのための講義パートもあります。

本の名前にもなっていますが、地域再生が失敗するパターンなどが、それぞれの学者や政治家、プレイヤーの視点で語られています。

真っ当な再生

活性化して人口が回復します!っていう地域の再生は、稀な例でそればかりが注目されてしまうけど、現実的な選択の下に、経済の原則に逆らわない地域再生を語っている本です。

やっぱり余程のポテンシャルがあるところでないと、魔法のような地域再生はなくて、現実をちゃんと見て動くしかないんだなと思いました。

特に"補助金"という行政の介入は、持続性もないことや、稼ぐことを辞めたり、尖ったことができなくなったりと、懐疑的か、否定的でした。

行政職員だった頃は、そんな発想はなくて、インセンティブを付けて、バンバン企業誘致すればいいじゃん!って思っていたので、とても刺さりました。

大事だと思った視点

読んでいて備忘録的に残したいと思ったことを箇条書きで書いていきます。

  • 地域再生の主体は民間である。

  • 小東京を目指さずに東京にないものを目指す。

  • 人口減少は一概に悪ではない。農業などで一人当たりの作付面積が増えて所得が向上するケースもある。税収が減らなければ、一人当たりに使える税金も増える。

  • 自分たちで価値を見出だせていない地方はたくさんある。だからこそどんどんよそ者に見てもらって、価値を掘り起こすことが大事。元来の街道沿いの商業はそうやって発展してきた。

  • 自分たちは100年後のまちに責任を持てない。

  • 地域活性化にも競争意識は必要。みんなが納得する良いことをやればうまく行くは幻想。

  • どこでも同じようなイベントがあって、別に広げなくていい人まで広げてしまうことがある。(例:東北の村の取組みを有楽町でPRするとか。)

  • 絆対策と商業対策は分けるべき。

  • 地方交付税という仕組みがナショナル・ミニマムを作ってきたし、日本はそれを望んてきた。

  • 人口減少下においては、地域や市町村で役割分担が大事。買い物する地域、観光する地域など。

  • 地域が元気であるための条件は、行きたくなる場所であることにつきる。行きたくなるには、住みたくなる、働きたくなる、遊びに行きたくなる、の何でも良い。

面白いと思った海外事例

面白いと思った事例も備忘録的に書いていきます。

  • BID(business improvement District:商業改善特区)は地区全体の合意を下にメンバーが固定資産税を上乗せして払い、ビジネス環境の改善に向けた取組みの費用を賄う仕組み。ニューヨークのタイムズスクエアで導入。

  • 交通税(VTあるいはtransport tax)はフランスに導入されている税。目的税。9人以上の職員を雇用する企業の給与支払額の一定額を徴収。LRTの整備に当てられた。

最近の活動

さてここからは、2枚目の名刺をつくる活動を書いていきます。

正直にいうと、あまり進捗はなくて、本業が忙しくて仲間と一回飲んだぐらい。

改めて居心地の良さを感じたのが、正直な話で「なんて辞めたのか」とも思うけど、やっぱりあのときは外に飛び出したかったし、そう思えるのも外に出たからこそなんですけどね。

意外な効果

2枚目の名刺を持とうと思ってから、本業の仕事の効率は確実に上がりました。

次の動き

とりあえず地元の活動で、沿道沿いに花を植える取組みが近々あるので、参加する予定。

ひさしぶりに会う方もいるので、楽しみだなぁと思ってます。 

次はまちづくり系じゃない本も読んでみたいと思います。

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