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PURPOSE(パーパス)という魔法の言葉

PURPOSE(パーパス)≒存在意義がある企業はそうでない企業と比較してより競争力を持ち、今後生き残れる可能性が高いらしい。

昨年くらいからミッションやビジョンに変わってPURPOSE(パーパス)が話題になることが増え、PURPOSE(パーパス)をテーマにしたビジネス系の書籍もだいぶ増えた。もともとは2019年のビジネスラウンドテーブルがきっかけ、みたいな話はいろんな書籍にも書いてある。ざっくり言うと、顧客や株主にとってだけではなく、従業員、サプライヤー、コミュニティなどのステークホルダーすべてにとっての存在意義を考えていく必要があるよという話。

環境問題などが顕在化していることから、資本主義に偏った考え方ではなく、より社会に対して企業は責任を持つ必要がある、といった時代背景もPURPOSE(パーパス)ブーム?の追い風になっているのかもしれない。

では、パーパスを作ったら企業の競争力が上がり、事業も伸びるのか。特に、業績的に厳しい企業にとっては、パーパス、というのが魔法の言葉に聞こえるし、事業が伸び悩んだときほどこういったことに取り組みたくなるもの。
あまり詳しくはないけど、1980-1990年位にはCI(Corporate Identityという概念が流行し、多くの企業がCIを作ったらしい。正しい目的でCIに取り組んだ企業は意味があると思うけど、なんとなくでCIを作った場合、その結果はなんとなく想像がつく。

パーパスがある企業 → 今後生き残れる企業

ということではなく、

偉大な企業 → 偉大なパーパスがある
      → 今後生き残れる企業

という、そもそも偉大な企業が生き残れる、というシンプルな話なのだと思う。だから、取ってつけたようなパーパスを作っても意味はなさそうだ。

パーパス関連について一通り調べた上で、スナックミーのことを考えると、「新しいおやつ体験を創造し、おやつの時間の価値を上げる」というミッションがあり、社内外にある程度浸透はしているのだけど、社会やお客様との結びつきが少し弱い気がしていた。おやつの時間の価値を上げてどうしたいのか?まで明言できておらず、若干サプライヤー視点な感じもした。

スナックミーでは、カタカナのスナックミーは会社、ローマ字snaq.meはサービスを表しているのだけど、上のミッションはどちらかというとサービスであるsnaq.meのミッションに近かった。(これまでは、会社=サービス、だったのでそれで良かった。)

一方で、最近ではotuma.me(おつまみサブスク)、CLR BAR(プロテインバー)などsnaq.me以外のブランドの展開も始めており、コーポレートとしてのミッションのようなものが言語化されていても良い時期かと考えていた。

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ちょっとどうでも良い蛇足で、ミッションなのか、パーパスなのか、企業の存在意義をどう呼ぶかという言葉の問題。正直どっちでも良く、このあたりの言葉の定義に頭を使うのは時間がもったいないのであまり深くは考えないのだけど、パーパスという響きがちょっと固いというか、なんとなく社会性によりすぎている印象があり、個人的にあまりしっくり来ていなかった。(自分には高尚なワードすぎた?笑)そんなときに以前読んだ本(Jim Stengelの「GROW」)で企業理念のことを英語でIDEAL(アイディアル)と記載しているのを思い出した。

IDEALは「理想」と訳されることが多いけど、英英時点では、

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の1のように「達成する価値のある、とても良いアイデアや基準」と説明されていて、個人的にこっちのほうがしっくり来た(特に、worth trying to achieveのあたり)。「達成する価値のある良いこと」とよんでもよいのだけど長いので、なんとなくスナックミーではIDEAL(アイディアル)というワードを使ってみることにした。(言葉遣いのどうでも良い蛇足ここまで)
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そこで、コーポレートのIDEALを言語化することにした。以前、snaq.meのブランドのリファインをしたときも、今まで運営してきたサービスのことを棚卸ししてデザインに落とし込む、というプロセスを行ったが、それに近いことを行った。(リニューアルやリブランディングではなくリファイン)

自分たちだけで考えていても客観的に言語化ができなそうだったので、DEの牧野さんチームに協力していただき、議論しつつ言語化していった。

その過程で、多くの会社のパーパス、ミッション、企業理念を調べてみた。ある業界では、ミッションや理念などを会社ごとごそっと入れ替えても違和感なく成立してしまうことも多かった。自社のIDEALを言語化するに際しては、少なくとも自分の中では、スナックミーらしさ、と思えるものにしたかった。同じ業界だとミッションや理念が似通ってしまうのはある程度仕方ないことなのだけど。

シリコンバレーという最高の(最低とも言う)海外ドラマの中でも、いろいろなスタートアップが

 "Making the world a better place"

を連呼するっていう皮肉があるけど、結局多くの企業が、自社の商品やサービスを通じて世界を良くしようと考えているので、会社の理念やミッションを超抽象化すると「Making the world a better place」になってしまう。

IDEALの言語化の過程は省略するけど、スナックミーっぽさがあり、同業界の他の会社が言うと違和感があり、かつ、自社としても少し背伸び感のあるものが欲しかった。心からworth trying to achieveと思えるものが良かった。

ちなみに、その過程の副産物としていわゆるVALUE(スナックミーで働く人たちの価値観)も出来上がった。IDEALの言語化の過程で、自分だけではなく社内のメンバーの声も広く拾いたかったので、(賛否両論あったのだけど)就活的なグループディスカッションをしてもらい、とても価値のあるいろいろな意見やアイデアをもらった。そのときに一度VALUEについてのグループディスカッション(マネジメントも全員参加)を45分程度行って、そこででてきた案をその日のうちにまとめて会社のVALUEにしてしまった。たぶん、ディスカッションの時間を含めても2時間くらいで決めた。

実はVALUEを作るのは今回が3回目で、1回目、2回目はあまり定着せずに、(自分の)失敗だった。1回目のVALUEは「スナックミー体験の一部になる」「リスペクト他チーム」「小さく早く」「直感を信じ、データに従う」「いつまでも探究心を」「行動と結果で示す」の6つ。有志で早朝に集まって何度か議論してまとめていった。今でも会話の中で使われるワードもあり、全体悪くないのだけど6つは多すぎた。あと、若干ワードに曖昧さがあり、新メンバーが入ってきたときにこのワードだけを見て内容を理解できないこともあった。2回目の中身は省略するけど、よりコンサル的アプローチでがっと作って、ロジック的にはきれいだったのだけど、内容はより難しい感じになってしまった。。(そこからの学び:VALUEみたいな大事なものはとにかく憶えやすいものにしろ!)

VALUEも「Making the world a better place」問題と同様に、突き詰めると、社会人としてとても大事なことをまとめた一般的な内容になってしまう。オーナーシップを持とう、チームワーク大事、チャレンジしよう、スピード命、みたいな。VALUEが一般的な内容になること自体は全く問題なく、どちらかというとそれを浸透させるほうが大事かとは思うので、決めてやりきる、のであれば正直ワーディングはこだわらなくて良い気もした。ただ、これまで2回失敗していることもあり、その経験を活かして今回は、スナックミーっぽくて、かつ、みんなが忘れないVALUEにしたかった。

ということで、少し長くなってしまったので、IDEALの中身やVALUEの内容の説明についてはコーポレートサイトに譲ることにして、

少し背伸び感のある

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というIDEALに共感して、

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というVALUEにフィットしそうで、おやつ好きのそこのあなた。
一緒に世界を面白くしませんか?

詳しくはこちら(コーポレートサイト)から

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