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うまく書けない

日常が辛くなればなるほど、死にたさが増せば増すほど、言葉が出てきていた、少し前まで。

自分の中に芽生えた絶望や、焦燥や、息苦しさは、言葉として昇華され、文字として出力されていた。そうやって誰かに苦しさを共有することで、心のバランスを保っていた。

最近また鬱の虫が顔を出し、隔週ペースの超特大偏頭痛、1時間に1回来る感情の波、毎日のように起こるパニック発作と生活していた。

「死にたい」と強く思うことすら無かったが、「これは白旗かなあ」と思ったので、主治医と面談したところ呆気なく診断書、休職決定。

状況としては今までと変わらないように見えるんだけど。

でも最近、めっきり言葉が出てこない。
出力は続けている。続けているので厳密には「出て」はいるんだけど、なんかしっくりこない。言葉が「空回っている」とか、「空を掻いている」とか、そういう表現が、この感覚に近いと思う。擬態語で表すと「スカッ」って感じ。

言いたいことを上手く言い表せていない。自分の言葉で語れていない。
これまでは、文字を吐出している時に、もっと「芯を食っている」感覚があって、「カーンッ」という爽快感があったんだけど、最近は全然ない。

それほど「辛く」ない、ってことなんだろうか。
だからあまりうまく言葉に出来ないんだろうか。

自分の感じていることを素直に、ストレートに表現している文章を読むと、惚れ惚れしてしまう。
内容を簡潔に表したタイトル、雰囲気の伝わる写真、適切な言葉選びと記号や段落の使い方で生まれる、小気味よいリズム。

そして何より、「この人だから書ける文章」だからこそ、人は「いいね!」を押すんだろうな。

私は文章を書くことでお金を貰っているプロではないから、別にうまく書く必要なんてない、とは思うんだけど、心の中を正しく言葉に出来ないモヤモヤがついて回って、気持ち悪い。

やめたくなってしまいそう。

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