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「手当て」を行うため、国境を越える。

先日のブログの中で申しあげました、WEBサイト
「ほぼ日刊イトイ新聞」で連載されておりました
白川優子さん+糸井重里さんの対談
『「国境なき医師団」は、かっこいいチームなんです。』
を読み知りました白川さんの著書
『紛争地の看護師』をね、先日、読了いたしました。

平成30年に刊行なされましたこの書籍では、
国境なき医師団(MSF)の看護師さんとして、
シリア、イラク、南スーダン、イエメン、そして
パレスチナ・ガザ地区へと赴き、
医療活動をなさった記がしるされているのですが。
書籍を読みながら、なんと申しあげますか、とくに、
やはり、戦争による傷痍に関する記述は
読むのがつらく、読書の頁もなかなか進まず、
ある場面では文章をじっくりと読むこともできず、
すこし薄目で読んでしまうようなときもあり、
ごめんなさい、と思いつつ、
なので、読書後の感想というものも
きちんとは述べられない、と申しあげますか、
ぼく自身の筆舌には尽くせがたいところもあるのですが。

平成27年の年末、ガザへ向けて
日本を出発された白川さんは、
パレスチナ・ガザ地区に入るためには
イスラエルを通るほかなく、まずは
イスラエルへと入国される。

 パレスチナのガザ地区に入るには、イスラエルを通って行く他に現在は方法がない。
 「イスラエルの入国審査では少し困難な場面も予想されます。ただ、とにかくイスラエルには入国をしなくてはなりません。まずは入国することだけを考えて下さい」
 出発前、国境なき医師団日本事務局の出発担当スタッフに言われた。彼は送り出す派遣スタッフの出入国を手配するプロだ。最新のビザや入国に関する事情を常にキャッチし、出発者本人に代わってビザや航空券を最速で代理手配する。
 その彼が、イスラエルの入国審査で直面するであろう問題や、予想される質問事項をリストアップしてくれた。またそれらの対応の仕方も教わり、私はその内容を頭に叩き込んだ。

白川優子さん著『紛争地の看護師』小学館、217-218頁より

このことは、たとえば、令和6年現在では
全くちがうものになっている、
というのは想像するのですが、それが
どのようにちがっているか、もしくは
この現在、ガザへ入る、とは、
どういうことなのか? というのは
ぼくにはあまりにも想像ができないけれども。
でも、当時のガザ地区について
このように述べられていることばを読むことによって、
書籍でも白川さんのおっしゃる、当時からも
「世界一巨大な監獄」と呼ばれるガザについて、
イメージもすこしできるようにも思えてくる。

この上で引用いたしました書籍の箇所及び、
「ほぼ日」の白川さんと糸井さんの対談の中でも
お話しされていたのですが、
「国境なき医師団」には
「医療」に関する方々だけでなく、
白川さんが「ビザ職人」と言われているような
簡単にはビザを取れない国のビザを取得するプロ、
そしてその他、あらゆる分野の
専門家がおられる、とのことでして。
そのような方々が集まるチームとして、
「国境なき医師団」が存在する。

「国境」って、なんだろう?
というのもやっぱり思うけれども、
ぼくにはよくわからない。
外国だってもね、ぼくはこれまで
一度しか行ったことがないのだし。
また、かつて、北緯50度線を境として
「樺太」の南半分が日本の領土で、
つまり、そこは国内唯一の
地上で「国境線」を見られる場所だった。
けれども、敗戦によって
日本の領土ではなくなり、
つまり、ぼくも、その線を
この目で見ることができずとなった。
そんなぼくは、この世界における
「国境」についてもぜんぜんわからないな。

「国境なき医師団」とは、
「医療」だけでなく、はたまた
現在の日本の医療のような
あらゆる医療機器が整備される場所ではなくって、
戦地での危機の中で行われる
「医療」のこと、だけでもなく、
「国境」を、いかにして越えるか、
ということまでを含めたチームである。

そのような国境を、
なぜ、越えるか? というのは
白川さんと糸井さんの対談でもお話しされていたような、
人間には「手当て」をする、というのが
本能としてある、つまり、人間の本能としての
「手当て」を行うため、国境を越える。

本当はもっとちゃんとした感想を
しるすべきところなのやもしれないけれども、
ぼくにはこういうふうなことしか書けなくって
こころぐるしいところもあるのですが、
書籍及び対談を読みながら、
このようなことを想っておりました。

令和6年4月24日


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