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鉄人の秘密

昨日私のデスクの前に座っている
違う部の部長H氏と話をしていた時のこと。

ちょうど話題が私の上司Sさんに及んだ。

昨日は外部の業者さんが来社されており、
私の上司はその応対をしていたのだが、
どうやらその日の夜にその業者の方と
一緒に食事に行くらしいという話であった。

そう言えば昨日彼は今来日している
外国人たちとも食事に行ったはずである。

なんならその前日も夕方に東京で
顧客と面談のアポが入っていたはずなので
3日も続けて帰宅が非常に遅くなることになる。

他人事ながらとても大変だなと
思っていたのだが、
H氏があることを言い出した。

「俺、Sさんのしんどそうな姿を一回も見たことないわ」

Sさんは私が今の会社に入社して足掛け7年ほど
私の上司として付き合っているが、
言われてみると私も一度も見たことがない。

Sさんとはいっしょに海外出張にも行ったし、
短い期間の中で強行スケジュールで
出張を組んでしまったこともあるが、
その時も飄々としていつもと変わらない様子であった。

そんな風に関心していると
H氏がこんなことも言った。

「そう言えばSさんが体調崩したって話は
一回も聞いたことがないよな」

それを聞き、私は7年間の記憶を思い返してみたが
言われてみれば風邪を引いたり体調を崩したなどと
言う話は一度も聞いたことがない。

お子さんたちがコロナに感染されて
在宅勤務をされた時こそあるが、
その時にもご自身はケロっとされていた。

そして、昨今インフルエンザがとても
猛威を振るっており、
Sさんのご家族も罹患されたようであるが
Sさんご自身は全く問題なかったようである。

何ならSさんご自身は50年の人生で
一度もインフルエンザに罹患されたことがないと
仰っていた気がする。

H氏との話の結論は
”Sさんは鉄人”ということで着地したのだが、
私の中でこれは大きな疑問になった。

”なぜSさんはこんなにも体調を崩さず、疲れを見せないのか”

もちろん持って生まれた体質はあるだろう。

だが、それだけでもない気がする。

それはいつでも目の前のことを楽しむからでは
ないかと私は思うのだ。

楽しんでいるからと言って病気にならないのは
論理的に成り立たない気はするが、
同じ物事でもイヤイヤやるのと楽しんでするのでは
明らかに後者の方が健康的に進めることができるであろう。

Sさんは一般的に見ればよく話す人なので
どこに行っても人との会話を楽しんでいるし、
何か作業をしていてもそこで得られる事象を
楽しんでいるように見える。

こんな例えが正しいのかどうかはわからないが、
毎日が遠足の前日のような生き方を
されているのではないだろうか。

遠足の前日のようにワクワクしていれば
風邪もひかないように無意識のうちに
気を付けるだろうし、
早めに寝ようと心掛けるであろう。

もしかするとSさんの生き方は
人生を楽しみ、そして健康的に生きる
一つのモデルなのではないか
そんな風に私の考えが及びかけた時に
H氏がふと私に一言言った。

「〇〇君(私の苗字)もしんどそうなところを
一回も見たことがないけどな。
Sさんといい、〇〇君といい、
この部署はみんな鉄人なのかもしれんね」

あれ?私もそう見えているのか。

ふと気になって振り返ってみると
私はこの数か月の間に帯状疱疹を発症した以外に
ここ数年特に体調の不具合で休んだことなどない。

もちろん私とて疲れがたまって
元気がない時もあるが、
そんなときも周りの人からは
とても元気に見えていたらしい。

Sさんも私と同じように多少の体調の変動はあれど
それが周りから悟られにくいだけなのかもしれない。

とは言え、私も家族がインフルエンザに罹患したときも
自分は感染しなかったし、
コロナの時も然りである。

もしかすると、私もSさんと似ているのかもしれない。

こうして毎日noteを書いているが、
過去の記事を見ても、
何だか日常に起こる出来事を掘り下げていて
それらを楽しんでいるように見える。

やはり目の前に起こることを味わい、楽しむことは
健康にとって重要なのであろう。

実際人生は毎日が遠足のようなものなのである。

今日は一日いつも通り出勤をするが
どんな遠足が待ち受けているのであろうか。

そう思うと何だかワクワクしてくる早朝であった。

ちなみに鉄人という言葉を聞くと
”鉄人衣笠”として有名な衣笠祥雄さんを
思い出すのだが、
当然ながら私は衣笠さんが現役の頃を知らない。

ということは、衣笠さん以降に野球界には
彼に並ぶほどの鉄人が出てきていないと
いうことなのであろうか。

Sさんは私たちにとって鉄人であるが
そのおかげで私には鉄人の称号がつかずに
済んでいるのかもしれない。



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