ニカラグア サンタマリア デ・ローデス農園 レッドハニー

概要

前回購入したペラルタ一族別に経営する農園で、COE経験もあるとのこと。品種はカツアイで、性質上マイクロロットに近いと思われる。

今回これだけ5 kgで購入。理由は4点あり、
①この商品だけなぜか5 kgが異常に割安。
基準が厳しいワタルコーヒーで近年扱いがあり、外れの可能性が低い。
ワイルドコーヒーの評価で欠点豆が少ないとあり、大量に買ってもハンドピックに手間がかかる恐れが少ない。
④レッドハニー(残果肉の多いナチュラル寄りのパルプドナチュラル)で果実香が強めと推測でき、ワタルコーヒーでは「個性が強いので、敢えて苦みの味わいと香りを落とした風味」となる深めの焙煎をしていることから、ケニアやニューギニア、インドネシアで香りやボディが特に強いロットと似た性質で、深煎りしても香りが落ちず氷で薄めてちょうどいいくらいのアイスコーヒー向きの豆で、夏の大量消費に向いていると予想。
このあたりである。

5 kgもあるので、今後しばらくこの予想が正しかったか見てみたい。

生豆インプレッション

1回目焙煎 ミディアムロースト

生豆の特性からチャフが多いことが分かっていたので、豆を焙煎前に水洗いすることを試みた(やっている人はおり、少なくとも劇的に味が変わるわけではなさそう)。しかしこれが失敗であった。

まずは豆の味を見てみようということで、ミディアムロースト(1ハゼ終了後あたり)を目指してみたのだが、水洗い後の乾燥が不均衡で濡れた部分が温度が上がらなかったらしく、一つの豆の中でも著しい焙煎ムラができてしまっており、場所によってはシナモンローストより白いままではないか、といった感じになっていた。この結果、豆は挽きにくくなるし、香りがそれほど強いわけではないわりに酸味が勝ちすぎ、正直なところ失敗であった。など水洗いした残りはフレンチローストとした。

2回目焙煎 フルシティロースト~フレンチロースト

2ハゼ後オイルが多少浮くくらいのロースト。水洗いした豆だが、このレベルまで火を入れるとムラは気にならなくなる。特有の香りはほとんどしない。味は薄くすると甘味を残すが、苦味が強い。牛乳との相性はまあまあ。個人的には好きだが、チョコレートのフレーバーが強いほうが好きという人には向かないかもしれない。

3回目焙煎 シティロースト~フルシティロースト

2ハゼが始まる前後、オイルが浮く直前程度で止めたロースト。ここから水洗いではない。このあたりが一番狙っていた焙煎に近い。香りの質はコーヒーらしい香ばしさが主体になりつつフレッシュな香りも残しており、「ケニアやニューギニアの深煎り」に期待していたものに近い仕上がりになっている。フレッシュな香りはフルーティさが主体ではあるが、グアテマラやルワンダと比べるとジャスミンのようなフローラルな成分もわずかに感じられる。

熱水ドリップ
苦味と渋み、ボディ感をどれだけ求めるかに応じて温度を変えて調節できる。80度前後とすることで渋みと苦味が弱く、90度まで上げるとボディが強くなる。好みで決められる柔軟性がある。

冷水浸漬
基本的にはドリップと同じ。味の調節は浸漬時間と、最後にストレーナーに残っていたものを落としきるかで決められる(ストレーナー残液は渋みが強い)。濃い目に出せば牛乳とも合う。

4回目焙煎 ハイロースト~シティロースト

1ハゼ終了後しばらくして止めた程度のロースト。

熱水ドリップ
酸味が勝ちすぎるかと思ったがそんなことはなく、さわやかな程度に落ち着いている。甘味が前に出て、苦味は後景に引いている。香りもフルーティさがフルシティより強調されており、全体的に好バランスとなっている。

冷水浸漬
基本的にはドリップと同じだが、冷水浸漬のほうが甘味やフルーティな香りといった「わかりやすい美味しさ」が低温でより強調される結果となっている。この豆については、ブラックで飲むならばこのローストで冷水浸漬がベストの抽出法というのが自分の判断である。


総論としては5 kg買って大正解というか、夏の間に消費しきる可能性が高い。


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