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2021年6月到着分 生豆インプレッション

今回の注文で生豆ダイレクトから届いた豆の生豆段階でのインプレッションをメモしていく。なお、写真は撮影距離がバラバラなので大きさは信頼できないのと、すでにハンドピックを終えた後なのでヤバい豆は映っていない。ナチュラルかウォッシュドの雰囲気が分かる程度である。


ニカラグア サンタマリア デ・ローデス農園 レッドハニー

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5 kgあるので1割を全数検査した。その過程でカビ豆や虫食い豆を検出しなかったので、残りは軽くサーベイするにとどめた。小石やカビ豆など特にヤバいものが入っていなければOKという場合、この商品はハンドピック不要である。この点は期待通りで素晴らしい。

スクリーン14~16程度の豆が多く中粒といった大きさであるものの、性質的にマイクロロットに近いパルプドナチュラルゆえか粒はあまりそろっておらず、ピーベリー、未熟に近い小粒豆、薄皮ががっつり残っているものなどが混在している。もっとも、粒のスクリーンが揃っているものがいいというなら、マイクロロットでパルプドナチュラルの豆など最初から買わず、コロンビアのプレミアム品でも買っておくほうが幸せになるだろう。あるいは自分で篩を買ってきてふるい分けてもいい。


グアテマラ カフェピューマ SHB

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極めて均質性が高く、貝殻豆はゼロ、潰れ豆とピーベリーも数えるほどで、色の異なる未成熟豆も見られず、コモディティに多い小粒豆の混在もなく、ほぼ全て半球状の形態でスクリーン16程度のサイズで揃っている。

2 kg、10万粒超の中で、絶対に除去しなければならなかったのは、おそらく出荷後に腐ったと思われるカビ豆が5粒と、軽石が1つのみであった。結局ハンドピックはしているとは言えるのだが、「ピーベリーも割れ豆も全部欠点豆」と言い切るうるさいおじさん相手でも自信をもって出せるクオリティを5分足らずで達成しており、手間は全くないと言っていい。

集荷選別ブランドなので同じようなクオリティの豆が毎年生産される可能性が高く、個人焙煎家向けとしてお勧め度が高い豆である。


ブラジル 南ミナス地域 ベラビスタ農園 ブルボンアマレロ樹上完熟

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検品・ハンドピックのために茣蓙に広げた瞬間に、はっきりと感じられるレベルの強い果実香がある。これがドライオンツリーか……と違いに驚いたものの、味にどこまで違いが出るかは分からない。ドライオンツリーを評価しているのってむしろ焙煎者のほうが多いのではないかな、などと想像する。

ただ、問題は欠点豆が多いことだろう。ドライオンツリーはブラジル伝統のナチュラル精製の極端なバージョンなので、ウォッシュド精製で行われる比重選別やパーチメントの目視選別が使えない。

1割を全数チェックするサンプリング調査の結果、スクリーンはそろっておらず、潰れ豆も相応に多く、発酵豆(色が異なりシワシワに縮んだもの)や虫食いからのカビ豆も一定の割合で入っていた。このため、結局全量で全数チェックが必要になったのだが、ハンドピックを面倒がりあまりしないタイプの私でさえ2~3%程度は弾いたので、厳しい人なら1~2割は当たり前に除去すると思われる。まあマイクロロットのようなので、そこはやむを得ないところか。


ブラジル チョコジャポン

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精製方法はブラジル伝統のナチュラル。1割を全数チェックするサンプリング調査の結果、虫食いからのカビ豆が(全体としては0.1%以下であるものの)無視できない割合で入っていたため、結局全量で全数チェックが必要となった。潰れ豆、割れ豆、ピーベリーが相当割合混在しており、未熟豆や発酵豆も散見される。

ベラビスタ農園のドライオンツリーに近い品質で、同じVOLCAFEのカフェピューマの頭一つ抜けた品質管理に比べると一歩劣る。もっとも値段も3割以上違うのでやむを得ないところか。


エチオピア イルガチェフェ地域 G2

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1割を全数チェックするサンプリング調査の結果、カビ豆など絶対に除去しなければならないものは発見できなかった。貝殻豆はなく、潰れ豆もほぼない。欠け豆や割れ豆が多少混ざっていた。

細長い豆が多く、ピーベリーも半分くらい混ざっている。グジG3ゲイシャと同じ特徴であり、エチオピア高原部共通の特徴と言っていいだろう。こちらのほうはウォッシュドなので全体的に色が透き通っている。味でどのような違いがあるか楽しみである。


コロンビア ウィラ県 グランドロックS18

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写真はちょっと遠景から撮りすぎたが、スクリーン18なので豆のサイズは大粒で揃っている。今回買った豆では一番大粒だろう。

1割を全数チェックするサンプリング調査の結果、極端なカビ豆は発見されなかったが、虫食い豆は散見され、一部はやや変色していた。貝殻豆はないが潰れ豆と荒れ豆は一定割合含まれており、ピーベリーは散見される程度にあった。

基本的には信頼できる豆であり、面倒ならハンドピックせずに使ってよいだろう。価格も適度に安く、個人焙煎家が安心して買えるブランドの一つだろう。


ベトナムアラビカ ダラット エバーグリーン18M

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印象は前回と変わらず。虫食い穴から変色するまでカビた豆が一定割合で発見される。コモディティグレードの豆やブラジルのナチュラルの豆よりその比率はずっと少ないものの、基本的に全数チェックしたほうがいい豆ではある。

スクリーン18サイズなので全体的に大粒。潰れ豆と欠け豆、ピーベリーが少なくない割合で含まれるほか、他のプレミアム品と異なり貝殻豆が一定程度含まれているのが特徴といえば特徴か。

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