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ハンチバックとデフリンピック~“障害者がいないことになっている日本“を知る~

4月から転職し、様々な障害を持つ方の就職相談を行う仕事に就いた。
早いもので3週間が経過、15日間でのべ約100名の方との面談を行った。
と言っても、業務システム操作力と基本知識が圧倒的に不足しているため、同僚のサポートがないとまだまだやっていけない状態である。
面談が1時間半に及んでしまったり(本当は切り上げねば💦)、思いもよらない相談内容にどう反応してよいかわからない場面があったりと、なかなか大変な職場に来たものだと実感する。

そう、やりたいと思っていた通りの仕事である(カッコいい笑)

▼私の転職ストーリー

おお、138のスキ!(2024年4月22日現在)

ということで?、今回は障害者にまつわる記事を2つ投稿してみたい。



①“ハンチバック(市川沙央)”を読んで

著者が芥川賞受賞のニュースを見ていた際から読みたいと思っていた一冊をようやく手にする。
筋疾患先天性ミオパチーによる症候性側彎症、人工呼吸器使用・車椅子当事者が芥川賞を狙って受賞したという本作の内容は衝撃的、思っていたものとはぜんぜん違っていた。
自身の障害と重ね合わせた主人公の望みは妊娠し、中絶すること。
自虐と皮肉をこめて「障害者がいないことになっている」日本社会を痛烈にあぶりだす。そして・・・

紙の本への称賛が障害者の心を傷つけていたなんて、想像もつかなかった。
電子書籍で読んで良かった…そうゆう問題ではないが笑
テーマは障害というだけでなく「社会的弱者」という視点でも描かれる。
なかなか刺激の強い描写が多く、内容に触れることが(私には)難しいが…
ネタばれにならないからいいか笑
読後感は悪いが、世界観が変わってよかった。

女性活躍もトランスジェンダーなどへの理解ももちろん大切だが、多様性の原点はここにあると感じている。

ハンチバックとは“せむし”のこと

<引用文>
目が見えること、本が持てること、ページがめくれること、読書姿勢が保てること、書店へ自由に買いに行けること
5つの健常性を満たすことを要求する読書文化のマチズモを憎んでいた
その特権性に気づかない「本好き」たちの無知な傲慢さを憎んでいた

紙の匂いが、ページをめくる感触が、左手の中で減っていく残ページの感触が、などと文化的な香りのする言い回しを燻らせていれば済む健常者は呑気でいい
出版界は健常者優位主義(マチズモ)ですよ、と私はフォーラムに書き込んだ

生まれ変わったら高級娼婦になりたい

釈華(市川沙央)


②「君が代」手話版を(2024.4.18読売新聞)

昨年末、日本手話に関心を持ったことがきっかけでイベントに参加。

イベントのスピーカとして参加されていたデフリンピックの選手たちから(無理を言って)サインをいただくことができた。

瀧澤選手は初サイン?笑


その後、4月からの転職をきっかけにマイタスクの優先順位を見直して、手話の勉強は一時休止することにした。
そんな折に、サインをいただいた中田選手の新聞記事が目に入る。

聴覚障害者の女子バレー選手、中田美緒さんは2025年に東京で開催されるデフリンピック出場で2大会ぶりの金メダルを目指す。
23歳の若さながら3度目の出場で後輩を引っ張る立場にそんな中田さんの夢は金メダルと「君が代の手話言語化」

そう、君が代の正式な日本手話(共通語)が存在していないのだ。
ここにも「障害者がいないことになっている」社会の一部が垣間見える。
つまり、これに限らず、障害者の視点で見ると気づくことはもっとたくさんあるはずなのだ。
「バリアフリー」が必要なのはハード面だけではない。

また、聴覚障害だけではパラリンピックに出場できない。
そんな人たちにとっては、日本で行われるデフリンピックは認知度を高める意味でも大きなチャンスなのである。

まず「知る」ことが大切である。

手話には表情も大切

<記事要約>
🔹君が代には正式な手話言語訳がない
 ー国家を背負うのに認められていない
  豪/NZ(手話公用語)ー手話国歌あり
🔹全日本ろうあ連盟が手話版試作→政府に要望
  中田さん神奈川県議会で訴え(3月18日)
  県議会→岸田首相へ「手話言語による国歌」策定意見書提出
🔹手話は私たちの言葉、同じ人間として歌いたい
  デフリンピックや聴覚障害者に関心を持ってもらいたい(中田選手)


今回は障害者に焦点を当てた記事を投稿、最後まで読んでいただき感謝いたします。偉そうに?書きましたが、かつて企業の採用で障害者雇用に関わっていたことはありますが、本格的に障害者に向き合ってからまだ3週間余り、知識も経験も圧倒的に足りません。
障害者に限らず、自分のサードストーリーのテーマ「社会的弱者への支援」の道を今後も模索していきたいと思います。

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