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【読了】Thinking Baseball

夏休みの課題図書


サブタイトルの”野球を通じて引き出す価値”が気になったこと、まさに今開催されている105回の夏の選手権大会いわゆる甲子園の神奈川代表の慶應義塾高校の現役監督の森林氏が著者というのも読んでみたくなった理由。
Enjoy Baseballが慶応のモットーなのは前監督の上田さんの頃から掲げられていた。
上田さんの指導も当時は話題に上がり、実際我が家の長男も家から近いということもあり、受験した。(結果はもちろん補欠にもかからず、不合格だった)
その昔、自分も甲子園を目指す高校球児だったが、昨今の高校野球のあり方には、違和感が多かったので、著者の考えに共感することが多々あり、夏休みの課題図書にしてみた。

What(一番印象に残っていること)

案の定、Amazonによる配達されて、一気に読み切った。
本当にそうだと思えたところ、納得いったところなど数々あったが読み終えて一番印象に残ったとことは次のところだ。
高校野球の役割を問い直すという章の中にあった、「スポーツマンシップ」を育むという表現!

Why(なぜ、それが印象に残ったか)

尊重・勇気・覚悟というスポーツマンシップの構成要素という表現に共感した。
”尊重”とは仲間、対戦相手、審判、ルールを尊重すること。
”勇気”とは失敗を恐れずに挑戦すること。
”覚悟”とは最後まで全力を尽くしてどんな結果も受け入れること。
これらを総合してスポーツマンシップと呼ぶと記している。
これって、いわゆるスポーツをやる人だけのマインドセットではないと感じる人は少なくないのではと思った。

So what(そこからの気づき)

著者の一貫しての主張は、自分で考えること、常に問いを持つことということが本の中で繰り返されている。それを高校野球の監督という立場で実践している。
これだけ夏の風物詩的になり、国民の多くが一喜一憂する高校野球。それだけの価値があるのだろうが、それがなぜか旧泰然とした世界観の中にある。まあ、それも含めて甲子園なのかもしれない。
自分や息子もそこ目指したきてので、わからなくはないが、今は相当環境が変わっている中で、しっかりとした実績も残しながら、一石を投じる主張をする内容に大きく共感した。
だけではなく、これって、組織論でもあるということをひしひしと感じた。
スポーツマンシップの表現だけからもそれを痛切に感じた。
同僚、ステークホルダー、社会・組織のルールを尊重し、失敗を恐れることなく自ら考えて勇気を持って取り組み、うまくいかなかった時でも、それを受け入れて次へ繋ぐ覚悟を持つ。社会にでて我々が日々求められていることと同じだ。
途中からは、そういう思い出読み続けると、自分のこれまでの社会人の経験が走馬灯のように蘇ってきた。あの時・・・、こうだった・・・のように。でも変えられない過去に悲観してはいけない。定年過ぎてるからこそ、変えられる未来に向けて希望を持つことの大切さをさらに感じる良書であった。

おまけ

今年の甲子園出場の監督には、色んな方々がいる。
おかやま山陽高校の監督は、元JAICAでジンバブエで野球の普及活動をし、T OKYO 2020ではジンバブエ代表監督として出場しているという異色な監督(将来は当たり前な時代が来るのかも)。
大垣日大の監督は79歳でベンチで指揮をとり、選手には孫が出ているという超ベテラン。甲子園で40勝をしたという実績抜群ではあるが・・・・
「青春ってすごく密になるんです・・・諦めないでよくやった生徒たちを尊敬します。」昨夏の優勝監督インタビューで語った仙台育英の監督などなど。
著者の森林氏、仙台育英の須江氏の勝利監督インタビューは聴いていても、生徒ファーストが徹底している。
指導者いや、組織のリーダの手本のような気がする。

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