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子どもと行く美術館 その②

『子どもと行く美術館 その①』の続きとして、こちらの記事を『その②』としたいと思います。

下心について

我が家は夫と私の共通の趣味が美術館巡りで、2人の子どももまだ小さいので、よく休日に家族で美術館へ行きます。
まず大前提として、私は子どもにアーティストになって欲しいとか、小さい頃からアート教育を〜などは全く思っていません。単純に私が行きたいところに一緒へ休日に行っている、という感覚です。一回美術館に行っただけで子どもに何か影響があるとも思いません。なので、美術館へ行った後の感想が「楽しかった」のようなポジティブなものではなく、「つまらなかった」や「なんか怖かった」などでもあまり気にしません。感じる気持ちはひとそれぞれ。なんでそう思ったの?と、リスペクトの気持ちを持って気持ちを分かち合えれば、それで良いと思います。
下心があるとすれば、あまり美術館やアート作品鑑賞を高尚なものと思わずに、図書館や公園のように普通に訪れる場所の中の一つ、という認識して欲しいな、と思います。

子どもと美術館を楽しむアイデアについてご紹介します!

美術館こどもウェルカムの日

我が家がよく訪れる丸亀市猪熊弦一郎現代美術館 では、『こどもMIMOCA』と称して子連れ家族も大歓迎の日があります。
その日は家族連れが多く、普段の美術館よりもとても入りやすいです。
また、展示内容によっては子ども向けにワークシートが用意されていて、作品鑑賞をリードしてくれるものだったり、作品の面白さに気づけるものだったり、とても工夫がありいつも楽しんでいます。
こどもはスタンプカードがあり、展覧会を見たりワークショップに参加するとスタンプを押してもらい、たまるとオリジナルグッズをもらえたり、継続して美術館へ行けるしくみがあります。
お近くの美術館でも、そういった教育プログラムに特化したイベントがあるかもしれません。

おすすめは古典よりも現代アート

私の個人的な体感ですが、いわゆる壁に絵が並ぶような古典的な展示よりも、体感型の現代アートの展示の方が子どもは興味を示す確率が高いように感じます。
私自身は専門が古典西洋絵画であることもあり、『印象派』などの展示も好きです。が、やはり時代背景や画家についての知識があることで楽しめるというのもあると思います。
もちろん現代アートも作家のバックグラウンドや流れを知っていたほうが楽しめます。ですが、そのような情報抜きに体感として美しい、驚きのあるような展示が最近では少なくありません。

具体的に紹介すると、

最初に思いついたのはこちら。とても人気ですね。
こちらの展示に限らず、チームラボのアート作品は小さな子どもでも体感できる作品が多くあります。
美しいデジタルアートの中に触ったり、中に自分が入っていく、まさに体感型です。

瀬戸内国際芸術祭もおすすめです。
島々に渡るという非日常感があるし、室内に展示されている作品だけでなく、屋外である自然の中にアート作品があったり、最新鋭の体感型アートを一日中体感することができます。
瀬戸内国際芸術祭は3年に1度。次の開催は2025年です。

岡山のアートもアツいです!
岡山芸術交流 OKAYAMA ART SUMMIT
こちらも家族で訪れました。とても作品のレベルが高く、どれも楽しめるものです!2022年に訪れたときは、触っても良い作品が多かったり、ライブなど音楽系も強かったり、家族で楽しめるものでした。
瀬戸内国際芸術祭は船に乗るという楽しみももちろんありますが、子連れでの旅はちょっとハードルが高い・・・という方には岡山芸術交流 OKAYAMA ART SUMMITをおすすめします。
作品が歩いて回れる距離にありますので、フェリーの時間などを気にせず自分のペースで回ることができます。
こちらも3年に1度の開催なので、次は2025年ですね!

あと、こちらも話題になっています!
今年の秋から岡山県でスタートする芸術祭!とても気になります。

中庭のある美術館

とはいえ、子どもたちが美術館の中で作品をゆっくり見てくれることはとても稀で、大人しくすることを強要するのも心苦しいです。
そんな時は夫と交代で子どもを外へ連れ出します。ほとんどの美術館は落ち着いた中庭があったり、入り口付近が広く作られていたり、優雅な設計になっています。そこなら少々は走り回っても大丈夫な雰囲気です。
夫が子どもたちを連れ出してくれている間に、自分のペースでゆっくり鑑賞することもできるし、一石二鳥とはまさにこのこと。

家族で美術館へ行く休日

冒頭で「下心はない」と書きました。その言葉に偽りはありませんが、そのときどんな感情であっても、子どもたちにとって美術館へ行ったという経験は事実としてあります。
なので、子どもたちは「これ、あのとき美術館で見たやつに似てる!」や、「この前、美術館に行ったときにね、」と、ふとした瞬間にその経験を振り返ったりします。そんな時、「ちゃんと彼らの経験として蓄積されていくんだな。」と感じるのです。

子どもたちにはできるだけ様々な経験をして欲しいと思っています。その一つに「家族で美術館へ行く」という休日はどうでしょうか。
「美しい」だけでなく、「なんか変」「ちょっと怖い音がする」「すごい!」など、様々な感情になるはずです。そんな感情を家族で楽しめたら、素敵な休日になりそうですね。
すぐに知識や教養に結びつかなくても、経験はきっと蓄積されていて、それが彼らの人生の養分になる、かもしれません。
アートとはそんな、じわじわ〜〜〜っと人生を豊かにしてくれるものだと思います。


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