見出し画像

「失恋レストランに」奥渋谷のサジヤでビストロワイン

「リベルタン」へ行ってみたら、「あ、今日は営業していないんです」と言われ、さてどうしようかと19時すぎの渋谷をさまよっていた。

私はグーグルマップを開き、たくさん付いている“行きたいお店ピン”をたどる。

彼氏が、「たくさんピンあるね」と笑ってくれた。

「サジヤって…なんでしたっけ。聞いたことある」

私のマップにあるピンのひとつに目を止めた彼。

場所は奥渋谷だ。

とりあえず、行ってみよう!ということで、スクランブルを抜けて、パン屋のVIRONを通り、向かう。


「あれ、今日って第3火曜日ですか」

と彼がスマホをみながら言う。第3火曜日は定休日なのだろう、スケジュールをみると、その日は第4火曜日だった。

「よかったー!」

入れるかわからないけれど、2人なら、相手が相手なら、どこへでも行ける、行こう、という気持ちだったので、足どりは軽い。


奥渋谷の道を右に曲がった、一軒家のようなたたずまいに、ときめいた。

入れたらいいなあ、と思って、まず彼が入る。

「2名なんですけれど」

「はい、奥の席どうぞー」

白いワンピースを着た女性が迎えてくれた。


お店の雰囲気はもちろん、照明といい、壁やテーブルの木の質感といい、「アットホーム」そのままである。


私はアットホームという言葉があまり好きじゃない。

バイト募集の売り出し文句でみかけると「ケッ」とすら思うし、レストランなどでもなんとなく常連以外うけつけない、という印象を受けるのだ。


しかしながらこのお店は、飛び込みで入った私たちをすんなりと受け入れてくれた。

私たちは初デートではないけれど、初デートでも行けるアットホームなレストランだと思う。


外からは見えない奥のほうの席は、完全に私たちの空間だった。


ビオワインのみ置いている、と店主さんが教えてくれる。

彼氏は「カルヴァドスがある…!」と喜んで、そのソーダ割りをファーストドリンクで飲み「しみる〜…!」と言っていた。

私は微発泡を。

ワインは食事に合わせて持ってきてくれるという。


画像1

チーズとハーブのカナッペ。

画像2

ムール貝の白ワイン蒸し。

画像3

きのことお芋、砂肝のコンフィ。

画像4

下にたまごが。絡めて食べましょう、ワインがさらにすすみます。

画像5

メインの豚肩ロースのロースト。

ナスのピューレと、このお肉の下には付け合わせのマッシュポテトが。


最初のオーダー時に、店主さんが「おふたりなら、メインから一品、前菜から二品、あとすぐでるここら辺のもの(カナッペを頼んだ)を一品、くらいがちょうどいいと思います」

と言われて、「え〜?そんな〜?いうほど〜?足りないんじゃない〜?」と思っていたけれど、いやあ、けっこうボリューミーで、食べ終わった後「足りたねえ」とふたり顔見合わせました。


メディアにあまり出ないというこのサジヤさんが、「渋谷のラジオ」という

渋谷富ヶ谷アヒルストアの齊藤輝彦さん、六本木祥端の柴山ケニヤさん、渋谷リベルタンの 紫藤喜則さん、アートディレクターの岸直人さんのトークラジオ

ゲスト出演している回を見つけたので、聞いてみました。


失恋レストラン的な」

「穏やかな、天気よすぎない

「ちょっと傷ついたりした人がきて、癒されてくみたいな」

お店に、というコンセプト、のつもりで…

と女性店主が言っていました。


「食べ物って残らない。それをふるまって、世界観を作っていく」


「お任せするってことは、その人にすべて任せるってこと。そこに、こっちが“ん?”てなって修正を頼むのは違う。

違うなって思ったら、それはこっち側の責任」

というのは、アヒルストアの店主さん。


飲食を扱う人のなかでも、いろんな人のいろんな考えがあるなあ、と、聞いていておもしろい。

もっといろんなお店に行って、その雰囲気まで食べたいと思う。

嬉しい!楽しい!だいすき!