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本当は青チャートをやってもらいたいけど

息子の教材選びのために、青チャートを吟味してみた。
実は、動画チャンネルの受け売りで、息子は基本的な解法を身につけられていない→網羅系参考書をする必要があるよね→でも青チャートは問題数が膨大で何時まで経っても終わらないよね→基礎問題精講にしようという流れになっていた。
そこで、基礎問題精講を立ち読みするが、何となく肌に合わない。紙面構成というか活字ポイントというかが平板で、ポイントが目を引きにくい。無理に見開き2ページに収めているので解答解説も親切ではない。スタートレベルも教科書の各単元の後ろの方の例題レベルから始まる感じで(青チャートのコンパス2〜3から始まる感じ)、まったくの初学者には取っつきにくいだろう。それでいて到達点はそれほど高くないらしい。

どうしたらいいのか分からなくなってきたので、とりあえずは定期テストの成績をあげるため、学校で使っているシニア数学演習ⅠAⅡB(理系なのに。上位クラスはプラチカを使っている。)と比較しつつ、青チャートを真面目に吟味してみた。

実は、受験生時代、青チャートを使ったことはなく、網羅系参考書・問題集だとか問題数が多いだとかは、動画チャンネルや一瞥して形作ったイメージに過ぎない。そもそも、受験生時代、青チャートには赤チャート(今より本が小さくハードカバーだった)の劣化版というイメージしかなく、チャート式自体についても、難問の解法の糸口を教える参考書であって、すべて潰す問題集というイメージはなかった(だから使いこなせなかったのだが)。なので、お姉ちゃんや息子が学校で青チャートの完成ノートを配られて、課題として提出を求められているのを見て、無茶なことをするもんだと思っていた。

実際に青チャートを吟味してみると、各冊とも、例題が400題程度、例題と同数の練習問題、やや程度が高くなるエクササイズ、さらに程度が高くなる総合演習があり、合わせると1000題前後になる。例題のレベルは、教科書の例レベルから入試の標準からやや難レベルとされる。エクササイズでは少し骨のある問題が扱われるが、例題とのクロスレファレンスが充実し、例題で学んだ知識の応用が学べる。総合演習になるとさらに難度がアップし、難関大学の過去問がゴロゴロだ。解説やコラムも充実しており、落としてはならない点やポイントが分かりやすく示されるほか(視覚的にも)、理解が深まる事項にも触れられている。なるほど、これをコツコツとこなしていけば、基礎からどんな難関大学にも対応できる力を養っていくことができるだろう。
しかし、この問題数では、学校の進度に合わせるかしてコツコツやっていくのでないととてもこなせない。学校が完成ノートを課題しているのもそのためだろう。いっぺんにやろうとすれば、何時まで経っても終わらない果てしない道のり(しかもその先には問題演習、過去問もある)に見えて挫折しがちだし、終わる頃には最初の方のことを忘れているという事態になりかねない。短いスパンで回せそうな基礎問題精講が推奨されるのもうなづける。
しかし、例題が400題以上あるといっても、半数くらいは教科書の例題レベルの問題だ(コンパス2以下)。コンパス3でも教科書の章末問題レベルだ。学校の勉強がしっかり身についていれば、コンパス2であれば瞬殺できるだろうし、コンパス3でも半分以上はできるだろう。そうすると、本当にやらなければならない問題はそれほど多くないだろう(というか、青チャートをやるのと同程度のことは教科書や4STEPでやっているということだろう)。逆に言えば、そこそこの進学校で学校の勉強がしっかりできていれば、青チャートなどやっていなくても結構戦えるということだ。

では、学校の勉強もしっかりやってこなかった息子はどうするか。抜け漏れを防ぐとともに勉強の素地を作るためには、やはり網羅的な問題集、できれば青チャートをやってもらいたい。しかし、青チャートはおろか基礎問題精講ですら自学自習する意欲を保ち続けることは難しいだろう。定期テスト対策を兼ねることでかろうじてインセンティブになるというところだ。幸い、今学校で使っているシニア数学演習という問題集(それすらやっていないのだが)は、青チャートのコンパス2〜3たまに4の例題程度の典型問題が集められており(ⅠAⅡBを49講に分け、各講8題くらいで合計400題くらい)、これをやれば感覚的に青チャートの6〜7割はカバーできるだろう。数研なので解答が簡潔という難点はあるが、青チャートで似た問題を探して解くということをすれば、青チャートの例題、練習問題をやったのと同じ効果が期待できる。問題と解説が同じページにあるため、まずは自力で解いてみるとはなりにくいという青チャート等の難点も免れている。定期テスト対策のほか、進研模試、全統模試に合わせて頻出範囲から潰していけば、成績も上がってモチベーションも保てるだろう。高2のうちに全部回すことができれば、かなり力がつくだろう。










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