シンガポールに拠点を置くベンチャーキャピタルのレオ・キャピタルは、2023年後半にヨーロッパへのビジネス拡大を決断しました。共同創業者のShwetank Verma氏と、ヨーロッパ拠点のパートナーであるHenry Goodwin氏は、ヘルシンキ市を拠点として選び、レオ・キャピタルはフィンランドのスタートアップをグローバルに展開する大きな力となりました。彼らのヘルシンキ市での成功ストーリーをぜひ知ってください。

• シンガポールに本社があるベンチャーキャピタルであるレオ・キャピタルは、2023年後半にヨーロッパに進出し、ヘルシンキ市を拠点として選びました。ヘルシンキ市には優秀なエンジニアと最先端技術が存在していたことが選ばれた理由となりました。

• レオ・キャピタルはヘルシンキパートナーズが主催する90 Day Finn プログラムに参加し、このプログラムはレオ・キャピタルのフィンランド市場参入において重要な要素となりました。

• レオ・キャピタルは、フィンランドのスタートアップが世界的に拡大するのを支援することを目指しています。彼らは、クロスボーダーチームの構築と米国市場への展開戦略に精通しており、スタートアップが人材獲得や市場拡大の課題に対処するのを手助けしています。

ヨーロッパへのビジネス拡大の課題に取り組む

国際ファンドにとって、ヨーロッパへのビジネス拡大は簡単ではありません。EUには多くの規制があり、進出しようとするファンドにかなりのコンプライアンス負担をもたらします。報告要件はEUの基準に従わなければならず、運営に複雑さが加わります。それでもなお、ヨーロッパはテックの成功事例が豊富で、その中でも北欧は際立っています。

「当社は主にB2B SaaSに注力しています。フィンランドは、強力なテクノロジーとエンジニアリングを持ち、この分野で他のヨーロッパ諸国とは異なる環境と実績を持っています。成功事例が次々と生まれています。」

Henry Goodwin氏、ヨーロッパ担当ベンチャーパートナー、レオ・キャピタル

フィンランドは一貫して｢世界人材競争力指数（GTCI）｣で高いランキングを獲得しており、それがヨーロッパで最も急速に成長しているユニコーン工場としての地位を確立した理由の一つです。レオ・キャピタルは、世界クラスのテック人材の不足や移民の課題、そしてリモートワークや国境を越えたチームの増加によって、人材の問題がますます重要になっていると感じました。その経験を通じて、フィンランドとの連携を強化し、成功への道を切り拓いています。

エコシステムの規模も、進出する際に考慮すべき点です。多くのヨーロッパの国々は大きくて密集し、競争が激しいエコシステムを持っており、そのエコシステムに深く組み込まれていない限り、適切な人々や適切な取引にアクセスするのが難しい場合があります。Verma氏によると、北欧諸国はその程よいサイズのおかげで良いネットワークを築くことができ、小さいながらも世界規模の影響力を持っています。新参者に対して歓迎する態度も、北欧諸国の素晴らしいところであり、レオ・キャピタルが進出した決め手にもなっています。

「北欧諸国の魅力は、外部からの新規参入者に対するオープンな姿勢にあり、とても歓迎されるエコシステムが形成されています。また北欧の起業家たちは、最初からグローバルなビジネス展開を視野に入れているところもまた頼もしい。」

Shwetank Verma氏、共同創業者、レオ・キャピタル

ヘルシンキ・パートナーズがフィンランドのエコシステムへのアクセスを提供

しかし、新しい市場への第一歩を踏み出すにはどうすればよいのでしょうか？Shwetank Verma氏にとって、ヘルシンキ・パートナーズが主催する90 Day Finn プログラムが、決断と飛躍を遂げるための鍵でした。このプログラムは、3ヶ月間現地で過ごし、地元のビジネスエコシステムを知りながら重要なつながりを築くというユニークな機会が提供されました。レオ・キャピタルの事業拡大に関しては、90 Day Finnプログラムの経験と、ヘルシンキ・パートナーズが提供するサポートによって、フィンランドが明確な選択肢となったのです。

「当社にとって、フィンランドはエキサイティングな国です。なぜなら、本社のあるシンガポールで私たちが最もよく知っていることと平行する点が多く見られるからです。政府の支援、優れた人材、そして起業家精神の組み合わせがフィンランドでもみられるのです。小さな市場ではあるますが、非常にダイナミックです。」

Shwetank Verma氏、共同創業者、レオ・キャピタル、90 Day Finn 2022

90 Day Finnプログラムを経て、ヘルシンキ・パートナーズは引き続き、レオ・キャピタルのフィンランドでのビジネス展開をサポートしています。適切な人材紹介から銀行口座の開設まで、全てがスムーズに行くように支援をしています。

ヘルシンキ・パートナーズは、現地にいる弊社のチームのような存在です。彼らのサポートがなければ、私たちは今のポジションにはいなかったでしょうし、おそらくフィンランドにビジネス展開をしていなかったかもしれません。ヘルシンキ・パートナーズは我々のビジネス戦略を可能にしてくれました。フィンランドは「国ではなくカントリークラブだ」という冗談がありますが、ヘルシンキ・パートナーズは我々を常に推薦してくれる大切な仲間です。

Shwetank Verma氏、共同創業者、レオ・キャピタル、90 Day Finn 2022

「ヘルシンキ・パートナーズから受けたサポートは非常に素晴らしいものでした。彼らは初日から、私たちに対して高い付加価値をもたらすディスカッションと洞察を提供してくれました。特に印象的だったのは、ヘルシンキ・パートナーズがグローバルなレベルで支援を行っていることです。公的機関であるヘルシンキ・パートナーズが、我々のようなビジネスを一歩先んじて支援してくれるのは非常に価値があることでした。」とHenry Goodwin氏にも意見をいただきました。

レオ・キャピタルは、グローバルを目指すフィンランドのスタートアップの成長を支えます

ヘルシンキにはグローバルでの成功を目指す野心的なスタートアップが豊富に存在します。レオ・キャピタルは、創業者を適切な人材と結びつけ、利益の大きい米国市場進出をサポートすることで、この都市に貴重な専門知識を提供しています。Verma氏が次のように説明しています：
「現在、才能を持つ人材発掘は世界を股にかけて行われています。私たちが目の当たりにしてきた大きな変化の一つは、多くの仕事がリモートで可能になったことです。これにはコーディングだけでなく、営業やマーケティングのような職種も含まれます。これにより、人材の活用法に変革が起こりました：異なる文化、チーム、企業として、どのように国境を越えてチームを組織するか。多くの創業者は優れた技術製品を開発していますが、流通については十分に考慮していないことが多いです。その結果、初期段階では技術に関する人材は豊富ですが、マーケティングや市場進出については相対的に人材が不足しがちです。私たちはそのような場面でのサポートも提供しています。」

国際的なチーム構築の経験を持つレオ・キャピタルは、グローバル市場での成功に不可欠な人材の不足を補うことで、フィンランドの起業家たちを支援しようとしています。そして、グローバル市場と言えば...
「フィンランドのSaaS企業にとって、米国市場は非常に重要です。私たちの米国市場進出の戦略は、提供する非常に価値あるツールの一つです。米国への移転の是非、市場への参入方法、ビジネスの拡大手法について、私たちはその方法を知っています。創業者が抱えるこれらの疑問すべてに対し、私たちは解答を持っており、それについてどのように考え始めるかを案内できます。」

ヨーロッパ市場への進出を検討するVC（ベンチャーキャピタル）に向けた3つのアドバイス

1. 自分たちの存在理由を知ること：「多くのVCファームが存在する中で、あなたが市場に何をもたらせるのか、そしてそれが本当に独自の強みで自分たちのものであるとはっきりさせる必要があります」とVerma氏は述べています

2. 急速に広がりすぎるのはリスクが伴います：「フィンランドに来たことで安心しました。なぜなら、私たちが目指すものと市場のシナジーが豊富にあり、市場規模がコントロールしやすいからです。あなたの強みに最も合致する場所について慎重に考えてください。最も大きいということが、必ずしも最良とは限りません。」とGoodwin氏は警告します。

3. VCはネットワークで成り立っています：「あなたのアンカーLP（リミテッドパートナー）が誰であるかを特定することはとても大切です。これは最初からから正しく取り組むべき重要な部分です」とVerma氏は言います。

レオ・キャピタルについてもっと知る

レオ・キャピタルは、インド、東南アジア（SEA）、そして北欧諸国における初期段階の企業間取引（B2B）ソフトウェアアズアサービス（SaaS）に投資を行っています。レオ・キャピタルが新しく始めた国境を越えるLEAPプログラムについて学び、SaaS創業者がどのようにプレゼンテーションを行うべきかを見てみましょう。

Venture Nordicsプログラムに申し込む

Venture Nordicsは、国際的なファンドマネージャーやLP（リミテッド・パートナー）が、ゲーミング、ソフトウェア、メディカルテクノロジーなど、フィンランドの活気あるセクターをもっと知るために体験型のプログラムを提供します。このプログラムをとおして、ヨーロッパの投資の隠れたユニコーン企業を発見し、欧州ビジネスアクセスへのゲートウェイとしてヘルシンキ市を考慮していただきたく思います。是非プログラムに申し込んでください。

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