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マガジン7冊つくっています。 ★「陸酔いのヘリクツ」 「日本語の破壊についての簡潔な報…

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マガジン7冊つくっています。 ★「陸酔いのヘリクツ」 「日本語の破壊についての簡潔な報告」 「パスポートを捨てる」 「オトナのための共通試験」 「娘のための世界史」 「浪漫特急」The Royal Road to Romance 「YACHTING」

マガジン

  • 日本語の破壊についての簡潔な報告

    6年前、日本語教育能力検定試験から100点満点の10000点で生還して以来5年間、日本語教師を続けてきました。今年(2020年)はコロナで4月から開店休業中ですので、これまで巷で拾ったトピックスをお送りします。表題は「破壊」としましたが、「近頃の日本語は乱れとる。けしからん」などとは思っていません。これは、ある文献のタイトルからのイタダキです。それより、日本語教師がこんな日本語を書いて、とお叱りが来なければいいのですが。

  • YACHTING

    1996年10月から98年4月まで「YACHTIG」誌に連載したコラム「ヨット界斜め読み」の再掲載です。パソコンの底から出てきました。

  • 浪漫特急 The Royal Road to Romance

    Richard Halliburton "The Royal Road to Romance"の子供向け加工翻訳です。1900年生まれのハリバートンは、パナマ運河を史上最安の36セントの通行料を払って泳いで渡ったり、アルプス越えにハンニバルよろしくゾウに乗ったりと世界中を奇想天外な旅をした旅行家です。1939年にジャンク船〈SEA DRAGON〉で香港からサンフランシスコへ太平洋を横断中に消息不明になりましたが、生前は大人気の作家でもありました。日本ではほとんど知られていないようなので、当時の世界情勢を知る上でも興味深いと思い、投稿します。創作で補った部分がかなりあります。

  • オトナのための共通試験

    図形の問題を追加しました。20201229 ま、クイズというかなぞなぞというか。SSDの底から出てきたので、ためしにちょっと載せてみます。けっこう在庫はあるので、好評だったら続けます。

  • 娘のための世界史

    娘が大学受験のために予備校へ行きたいと言い出しました。それはけっこうなことですが、ちょうど古市憲寿『絶対に挫折しない日本史』が出て売れているようなので、その向こうを張って、世界史を独自の切り口で大雑把に語ってみようと思います。

最近の記事

「ワードい」

 先日、別のところに書いた原稿で、1981年にヒットしたトム・トム・クラブの「おしゃべり魔女」にちょいと触れたんですが、後になって思いついたことがあったので、こちらで紹介させていただきます。  こんな記述でした。  原題は「Wordy Rappinghood」です。rappinghoodは作詞したティナ・ウェイマスらの造語で、接尾辞「--hood」は、たとえば、childhood(幼年時代)とかbrotherhood/sisterhood(きょうだいの縁、きょうだい分)、p

    • 「本物」

       本日(2024年4月2日)のわが爱読紙朝刊には、13面にジェラルド・カーチスのインタビューが、21面には真田広之のインタビューが載っていました。     ああ、さっき「佐藤」を書いたあと、日本酒をけっこう、そうだな、4合は呑んだな、へべれけに近いんだけど、最後まで書けるかな。  カーチスは若い頃、『代議士の誕生』が日米で評価された政治学者で、1940年生まれと書いてあるから、もう84歳か。副題が「日本式選挙運動の研究」で1967年の出版。その本で取材対象となったのが、大

      • 「佐藤」姓

         エイプリルフールの1日(2024年4月)に合わせて、東北大学高齢経済社会研究センター長の吉田浩教授が、選択的夫婦別姓を導入しないままだと、約500年後には全員が「佐藤」姓になるという試算を発表しました。  ええっ。結婚して同じ姓にすると、ひとつの姓が「消える」。こうして日本の姓の多様性は失われていっている現在ですが、約1.5%と日本一のシェアを誇る”優姓”の「佐藤」姓はこの1年間で1.0083倍になったそうです。そして、そのシェアが100%になるのが500年後というのです

        • 「ホメオパシー」

           理科教育を専門とする大学教員が書いた『暮らしのなかのニセ科学』(左巻健男著)を読んでいたら、第5章 あの健康法に効果ある? 1.ホメオパシー に面白い記述をみつけました。  そもそもホメオパシーって何?という向きもいらっしゃるでしょうか。代替医療のひとつで、同書では、 と紹介しています。  〈薄めて〉とありますが、どのくらい薄めるのかというと、 ということだそうです。さらに、2010年当時の日本学術会議の金澤一郎会長(医者、医学者)の次のような談話を紹介しています。

        「ワードい」

        マガジン

        • 日本語の破壊についての簡潔な報告
          82本
        • YACHTING
          16本
        • 浪漫特急 The Royal Road to Romance
          4本
        • オトナのための共通試験
          12本
        • 娘のための世界史
          8本
        • パスポートを捨てる
          9本

        記事

          「夏日」140日の年間最多タイ記録

           息子の会社では、海外進出を企図して社員に英語を勉強してもらおうと、英語能力テストのTOEICで650点以上をとるとボーナスが出るそうです。その人が次に760点以上をとると、さらにボーナスが出るそうです。  それで息子は言いました。  「1回目の試験では手加減して、650点以上759点以下をとり、2回目で760点以上とれば、2回もらえる。制度ミスだね」  何を言うか。たぶん300点台しかとれないくせに(笑)  さて、10月20日、東京は最高気温27.1度Cを記録し、今年

          「夏日」140日の年間最多タイ記録

          「♪わ~すれられないの~」

           今井むつみ×秋田喜美『言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか』(中公新書)が評判になっています。新春に発表される「新書大賞」の有力な候補ではないかとみています。  乱暴ながら、内容をかいつまんで紹介しますと--、  オノマトペ(擬音語・擬態語)という一群の言葉は、肌感覚にあふれている。つまり言葉という記号が身体に接地している。これが言葉の最初ではないか--というのがひとつの主題です。  ほら、ふつうの言葉は知らなければ意味が分からないけれど--、  --オノマトペ

          「♪わ~すれられないの~」

          「神は人が創った」

           別マガジン「娘のための世界史」で、『4 宗教史1』というのを書いています。 https://note.com/hemmik/n/n00d7de5b874f?magazine_key=m3baba285a7d6  その口絵として、「Deus creavit omnia. Et creavit Deus homines.」というラテン語を載せました。私はラテン語を勉強したことがないので、ネットの自動翻訳を使ったデタラメです。  もう3年近く前のことになるのだなあ。  最

          「神は人が創った」

          「まるで映画や漫画のストーリーかのような」

           朝刊が届けられる前に家を出る仕事を終わって、朝刊を読みながら晩酌をしました。わが心のない爱読紙の今日(2023年5月1日)の1面トップ記事は、服役中に勧誘されて、ウクライナでの戦争に赴いたPMC「ワグネル」の戦闘員たちの証言でした。ウクライナ軍の捕虜になって、爱読紙の取材に応じたようです。  2面にも続き、小泉悠氏が〈非常に興味深い証言集だ〉とコメントを寄せていますが、たしかに興味深いネタです。  で、取材者であると思われる署名人の杉山正記者は、1面に、〈弱みつけ込む 

          「まるで映画や漫画のストーリーかのような」

          「国軍」

           一昨年2月にクーデターで民政からまた軍政に引き戻したミャンマーの軍部は、報道などでは「国軍」と呼ばれます。違和感がありませんか。おそらく、他の国でクーデターが起きたら、その主体は「軍は」とか「軍部は」と表現されるでしょう。なぜ、ミャンマーでだけ「国軍」なのでしょうか。  グーグルで期間を指定して、クーデター勃発当時の見出しを以下のリンクにしてみました。ほとんどが「ミャンマー国軍」を見出しにしているようです。それは、続報の今も同じです。  「国軍」とは、一般的には「国家

          「国軍」

          「同志国」

           日本政府が武器供与を含めた支援を行うOSA(政府安全保障能力強化支援)の相手先を「同志国」と呼ぶのが、よく分からないと書き出したのが、昨日(2023年4月11日)の天声人語です。  そして、〈同志と言えばかつての共産主義国でさかんに使われた呼称を連想してしまう〉と続けます。なるほど、ソ連だと「タヴァーリシ」ですね。  さらに、〈同志と呼ばれなくなることは粛清を意味した〉〈時代がかった排他的響き〉と、「同志」の言葉を腐します。  ところで、OSAの目的は、中国のとどまる

          「同志国」

          「母語」

           ここで扱う「母語」とは、 のうちの、1のことです。まず、本論から外れたことをわらわら書き連ねますが、どんでん返しの本論は後半で。ダメですね、こういう書き方は、読者さんにとっては読みにくいんでしょうなあ。  さて、わたしの母国語も母語も日本語です。さらに言うと”母方言”は今治弁ですが、東京界隈に住んで40数年、いまはもう今治弁をちゃんとしゃべることはできません。そもそも、父親が瀬戸内海の島の出身で、その島は平成の大合併で今は今治市となってはいますが、その言葉は広島の言葉に

          「母語」

          「テンパる」

           先日(2023年4月)、地元の区立図書館の棚を渉猟していて、『不都合な日本語』という本を見つけました。著者は大野敏明さん。以前、お世話になったこともあるわたしの先輩記者です。もう20年ぐらいも会ってないかなあ。思わず「ああ、ビンメイさんのだ」と手にとってみました。出版は平成29(2017)年9月9日。時事的な用語などを取り上げて、解説・展開した、まあエッセイかな。  平成20年10月号の雑誌「正論」に6年半、79回にわたって連載したものをまとめたもののようでした。  さ

          「テンパる」

          「クラシック」

           2023年3月8日開幕予定の第5回WBC(ワールドベースボールクラシック)が楽しみですね。先のサッカーのワールドカップ・カタール大会では侍ブルーが健闘して大いに盛り上がったので、WBCはかなりハードルが高くなっています。もう優勝以外はありえない、の勢いです。  というわけで、今回はわが侍ジャパンの戦力分析で…はなくて、ここは日本語に関するマガジンなので、「クラシック」という言葉を考察してみます。みなさんも十何年前、初めて「ワールドベースボールクラシック」という言葉を聞いた

          「クラシック」

          「オリジナル」

           またまた英語じゃねえか、と言うなかれ(笑) オリジナルな日本語ではないですが、外来語という歴とした日本語です(笑)  先日、YOU TUBEで1970年代の音楽のコンピレーションを再生したところ、「Bland New Key」から始まりました。邦題は「心の扉を開けよう」 1971年にビルボードチャートで全米ナンバーワンにもなったメラニー・ソフィカの楽曲です。  知っている曲ではあるんですが、聞き覚えがある程度なので、なんとなく、とくに気にもせずに聞き終わって、次の曲がか

          「オリジナル」

          「ご近隣の民様へ」

          はーい、もうすぐ、あけましたらおめでとうございましょう。(2022年12月27日) 今回取り扱う見出し語は写真の通りです。近所の工事現場の電光掲示板です。施工主は東京都、施工者は「論語と算盤」が社是の大手ゼネコンです。 民(たみ) たぶん、現代口語では死語ですな。 weblio辞書には、上のような語釈がありますね。まあ、知っている通りの意味ですな。だけど、使いません。だから、死語です。 それでも使おうとしたら、どんなニュアンスがあるでしょうか。 「上から目線」です

          「ご近隣の民様へ」

          自然相手、風相手は、運・不運の不条理ゆえに ドラマが生まれる

          YACHTING 98年4月号   今回は、「風」をキーワードに、ヨットの周辺に話を追いこむ魂胆でしたが、桶屋が儲かる方向へ進んできたので、皿まで食ってしまいます。  ドーム球場の話です。ドームには風がありません。空調も整っていて、選手も観客も快適に観戦できるわけです。まあ、ドーム球場は新しいので、グラウンドが広い(といっても、野球規則のほぼギリギリ程度)ので、非力な下位打者の凡フライが風に乗って(風はないんだけど)ホームランになるということはなくなりましたが、逆にいうと、

          自然相手、風相手は、運・不運の不条理ゆえに ドラマが生まれる