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料理が好きでもないのに覚え書

 はじめましての人も、
 前から知ってる方も、
 ごきげんよう。

 偏光です。

 料理好きでも得意でもないんだが、
 入籍して12年は過ぎた配偶者から、
 取り立てて不満等は聞こえてこないので、

 「こうしたところが理由かもしれない」
 と思った事柄の覚え書。

 お料理得意な方々にとっては、
 いかにも低レベルでございますが、

 「料理できない」
 と思い込んで悩んでいる方や、

 「うちの嫁料理下手なんだよ」
 とか思い込みやがってる奴の、

 日頃の心持ちが多少なりと、
 やわらかくなればと思った次第。
 では。

(文字数:約3000文字)



単純に配偶者が善良である可能性

  その可能性も捨て切れないので記しておくが、
  まず中学・高校を、
  共学ながら全寮制に在籍していた配偶者には、

  いわゆるオフクロの味が染み付いていない。

  更に高専卒業後は即就職し、
  一度は結婚したものの私と再婚するまで、
  一人暮らしでいる歳月の方が長かった。

  つまり誰かが家にいる有り難みを重々承知している。

  なので毎食後はもちろん、
  食器を片付けて居間に戻ってきた私にも、
  それどころか、
  アパート掃除の内職に出かける私に対しても、

  毎回「ありがとう」と口にしてくれる。

  それはこちらの方でも毎朝お見送りし、
  毎晩お出迎えする際には、
  「無事に帰って来てくれてありがとう」と、
  「貴方が好きな物は貴方が多めにお食べ」と、
  醤油渡してくれる度に「ありがとう」と、
  口にもするというものでしょう。

  「えー! すごい! 羨ましい!」とか、
  「それかえって心こもってないよ」とかじゃない。
  そんくらいは男女問わず年齢問わず、
  毎日何かしらやってもらう度に口にしろや。


お気になさるなお母様方

  「うちの子料理作ってみようともしないのよ。
   あれで一人暮らしとかしたら大丈夫かしら」
  と隣近所にお聞かせした事もあるお母様方、

  もしも貴方の子供が食前食後の挨拶くらいは聞かせ、
  もしかして食後の皿洗いは毎日のようにしてくれるなら、
  気にする必要はない。

  料理は作ってくれるけど、
  皿洗いは家族や兄弟に任せっぱなしな子よりも、
  自炊を始め定着する可能性が高い。

  基本事項として全国民に認識してもらいたいのだが、
  料理の本に料理番組、
  飲食店で目にするメニューばかりが、
  「料理」ではない。

  庶民にとって「料理」とは、
  その日に手に入れることが出来た食材の采配だ。

  「今夜何食べたい?」とか、
  親が子供に尋ねるいかにも心温まる光景は、
  絵空事だと心しておいた方がいい。

  作るメニューに合わせて材料を決めたお買い物と、
  その日その時間帯の特売品を狙ったお買い物とでは、
  給料日前のその家の主婦の表情が違う。

  近所にはどれだけにこやかでも、
  家族の内のただ一人に対してだけは、
  氷の目を向けていたりする。


まずは基本から疑え

  25にもなっていきなり大阪出張になり、
  初の一人暮らしを始めて気が付いた事だが、

  砂糖、いらなくね?

  一人暮らしじゃ使い切れないうちに、
  湿気吸って固まり尽くさねぇかアイツ。
  甘味はみりんとか出汁使えば出てくれるし、
  もっと甘いもんはプロが作ったお菓子買えばいい。

  というわけで基本の調味料とされている、
  さしすせその第一番目砂糖から、
  我が家にはいらないと決め込む事にして、

  あと油もいらなくね?

  肉とか魚とかの油で充分、
  野菜あたりも炒まらねぇ?
  ガッツリ油もんはプロの店の方が旨いし。

  とは言え卵焼きとか餃子焼く時には、
  さすがにいるから小ぶりの買っとくけど、
  ホンマに大して減らないよ。


調味料は吟味する

  一方で塩には気を使う。

  と言っても、
  海系の粗塩と、
  山系の岩塩の、
  それ自体を舐めても旨いと感じるヤツを、
  二種類買っといて、

  魚・野菜系には海系を、
  肉系には岩塩を、
  どんな料理であれ小さじに3分の1は、
  まず振りかけているだけだが。

  塩は調味料ではない。
  食材から水分と、
  食材それぞれの旨みを浸み出させてくれる、
  化学成分だ。

  調味自体は各種調味料が担う。
  我が家の場合は
    エバラ黄金のタレ中辛
    旭ポンズ
    桃屋キムチの素
    キッコーマン丸大豆醤油
    ヒガシマルうどんスープ
    カドヤ胡麻油

  この辺りから三種類は揃えてローテーションだ。

  「それって調味料の味じゃない」とか、
  「調味料って結構塩分多いよ?」とか、
  苦笑混じりの声が聞こえてきそうだが、

  だからこそ塩にはこだわっている。
  素材から旨みが出ているから、
  一度に使う調味料はごく僅かでいいし、
  調味料そのままの味にもならん。

  調味料とはあくまでも、
  同じ食材の使い回しでも、
  飽きを来させないために使うものだ。

  私にとってはな。


一汁三菜ったって

  三菜目は、
  漬物買っときゃいいんだろ?

  子供漬物食べないよ、
  って思うなら食べさせなくて良いんだよ。

  私も漬物嫌いだし、
  って思うならチーズとかヨーグルトで良いんだよ。

  三菜目は大人向けの日々の整腸剤だ。

  二菜目は、
  納豆とか冷奴でいいんだろ?

  そうしたもんも無きゃ卵焼き作るか、
  キュウリ切って塩揉みして、
  ごま油であえるとかでいいんだろ?

  ニ菜目は味変とか箸休めだ。

  そしたら毎日気合い入れて作る料理は、
  メインの一菜目と一汁で充分だろう。


一度に一つの事しか出来んよ

  お料理得意な方はよく、
  時短テクニックとか、
  効率の良い調理の流れとか、
  教えて下さいますよね。

  料理の合間に後片付けもキッチリ、みたいな。

  あれ、落ち込みますよね。
  マルチタスクが出来ない自覚がある人間には。

  出来なきゃやらなきゃいいじゃん。

  汁もの作ってある程度沸騰させたら、
  火を止めて気を落ち着けてから、

  メインのおかず作ってある程度火が通ったら、
  火を止めて気を落ち着けてから、

  調理道具片付けてある程度終わったら、
  汁物にメインのおかずに火を入れて、
  仕上げにかき玉流したり調味料かけたりすりゃ、

  配偶者が帰る頃には温かく仕上がってんじゃん。

  余熱でも火は通るし、
  冷めてく間に味は染みるし、
  問題無し。

  もちろんインスタになんざ上げられんが、
  何も上げんで良かろ?


結果的にSDGs

  しかしながら我が家の場合は、
  配偶者が味付けとか見栄えの良さよりも、
  食品廃棄量を気にする人間であり、

  私自身が庶民の中でも限界集落で育ったため、
  食品廃棄量には結構気を使う日常が、
  身に染み付いていたため成立した、

  食事風景であり夫婦関係ではあると思う。

  とは言え結果として、
  冷蔵庫内は爽やかだ。
  毎週の売り出し日に買い揃えた生鮮食品群を、
  翌週までには使い切るぞ。

  ってか使い切れるだろう分しか買わねぇ、
  ってか買えねぇ額しか財布に入れてねぇから、
  余らせて困る食材なんざねぇ。
  (ローリングストック分は、
   防災系のまた別の話。)

  賢くも美しくも見えないが、
  日々の食事に罪悪感が無い。
  この爽快感だけはオススメしたい。

    

何かしら心に残りましたらお願いします。頂いたサポートは切実に、私と配偶者の生活費の足しになります!