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【フードアレルギー2】即時型食物アレルギーをわかりやすく解説


先日に引き続き、フードアレルギー・食物過敏症についてのお話です。

前回は、遅延型(反応が出るのが遅い)アレルギー・食物過敏症について解説しました。記事はこちらから

今日は【フードアレルギー2】即時型食物アレルギーについてです。

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食物アレルギーとは

特定の食品(アレルゲン)に免疫が過剰反応することからおこるアレルギーです。

いくつかのタイプに分けられたりしますが、ここでは一番問題視される『即時型食物アレルギー』を見ていこうと思います。

「即時型食物アレルギー」はIgE(即時型)抗体の免疫反応です。

つまり、

アレルゲンに接触して比較的反応が早く(食後0.5−4時間以内)症状が現れます。

1歳未満の乳児期に一番多く発症すると言われていますが、幼児期から成人でも発症します。

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どうして?

特定のタンパク質に免疫が反応することからおこると言われていますが、原因はまだ解明されていません

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厄介な理由1:不快な症状・時にはとても危険

✅ 辛い症状

「皮膚・粘膜・呼吸器・消化器・全身」などに症状が現れます。一見して様々な症状が出ているように思われますが、炎症「赤く・腫れる・熱・痛み」が引き金になっていてとても不快な症状です。

70-90%の即時型食物アレルギーの患者さんが「アトピーや湿疹」などの皮膚に症状が出ると言われています。30%ほどの患者さんは「呼吸器・粘膜」の症状が出ると言われています。

即時型食物アレルギーをもつ人・家族はこのような不快な症状によりアレルギーがあることを認識されていることがほとんどです。

✅ 重度の時は、命の危険もあるアナフィラキシー

重度のアレルギー反応をアナフィラキシーと言います。

複数の症状、例えば

皮膚のかゆみ・口や目が腫れる・喘息など呼吸困難になど

などの症状に伴い、

血液低下、意識がもうろうとなるなど「ショック」症状

が短期間で現れるとても危険な状態です。

疑いがあるときは一刻も早く救急車を呼ぶ必要があります。(医師などの指示に従いアドレナリン注射の応急処置が必要)

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厄介な理由2:生活に影響する

現段階で、治療薬は発見されていません。

医療機関のサポートが必要不可欠で、原因となるアレルギーがある食品(アレルゲン)を避けて生活しなくてはなりません。

わざと、少しずつ食べたりする治療法(経口免疫療法)がありますが、アレルギー反応がでる可能性があることから、あくまで医師の指導の元に行います。

本人にとっても、家族にとっても大変で、普段の生活に影響します。

例えば、

レストランで食事
お友達のお誕生日パーティー

日常、私たちが何も考えずにいることでも、アレルギーがある場合は「何が料理に入っているか」と気を使うことで、ストレスがたまります。

周りの子供が食べているおやつが自分だけ食べれない、なんてすごい辛いですよね。

家族への負担も大きくなるので、医療機関・教育機関との連携、サポートがとても大切だと思います。

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食物アレルギー回復できる?

乳児期発症の鶏卵、牛乳、小麦、大豆アレルギーは、80-90%ほどが回復が期待できると言われています。

現時点では、重度のアレルギーや、学童期から成人になってからの甲殻類、果物類、魚類、そば、ピーナッツアレルギーは治りにくいと言われています。

まだ研究段階ですが、経口免疫療法など治療法の発展に期待です。

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まとめ

◎ 『即時型食物アレルギー』は特定の食品(アレルゲン)に免疫が過剰反応しておこる
◎ 何歳でも発症するが、1歳未満の乳児期に一番多く発症する
◎ アレルゲンに接触して食後0.5−4時間以内(即時)に症状がでる
◎ 原因はまだ不明
◎ 「皮膚・粘膜・呼吸器・消化器・全身」などに炎症の症状
◎ 「即時型食物アレルギー」は場合IgE(即時型)抗体の免疫反応
◎ 重度のアレルギー反応=アナフィラキシー
◎アナフィラキシーの疑いがある時は、即刻救急車を呼ぶ
◎ 医療機関のサポートが必要不可欠
◎ 乳児期発症の即時型アレルギーでは成長とともに高い確率で治る
◎ 重度のアレルギー・学童期・成人のアレルギーは現時点では治るのが困難な時もある

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食物過敏症との違い

アレルゲンに接触してから反応が早い「即時型食物アレルギー」に対して
反応が遅いのが「食物過敏症」です。
「即時型食物アレルギー」の症状は明らかな不調を伴い、アレルゲンが明確なのに対し、症状もアレルゲンもはっきりせず、比較的軽度の症状が慢性的に続くのが「食物過敏症」です。
「即時型食物アレルギー」は症状が重度で危険でもあるため医師との連携が必要不可欠です。けれど、軽度の不調があっても、「食物過敏症」は本人も気づいていない場合があります。
「即時型食物アレルギー」は乳児期・幼児期に発症するのが多いのに対して、「食物過敏症」は何歳でも起こり、成人になってから発症する人も多い。

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最後に

ちょっと簡略的に、難しい食物アレルギーのお話をしてみました。

ちょっとコアな内容ですが、今までみてきたクライエントさんで、

✅ 原因不明の(特に消化器系の)不調がある人が多かったこと
✅ その多くが何らかの「食物過敏症」があったことから

思っている以上に身近な問題のように思います。

少しでも多くの人が「食物アレルギー・食物過敏症」に理解が深まりることで、

予防できること
偏見をなくすこと
お互いをサポートしたり気遣うことができる社会になること

に繋がればなぁと思っています。

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