見出し画像

レタル展示会記録6:レタルのフィロソフィー後篇

タイトル画像は昔制作のUstream中継をしていたときの画像である。

制作の様子の動画配信をUstreamが終了する頃までずっとやっていた。

我ながら先見の明があるぞ、と思うものの、Ustが終了してからは、動画にあんまり力を入れてないが、以前はかなりよく配信していた。

パターンを引いたり、サンプルを縫う様を配信していたが、いい感じに飼い猫が邪魔をするのである。

そしてなかなかフォトジェニックじゃないですか。

制作の配信をしていたのは、まずは他人の目がないと、私はすごーくサボる人間なので、家でなんて制作しないと思っていたからだ。

配信の予告をし、配信してしまえば、寝てるときもあったけど、やらざるを得なくなる。

そんなこんなで自分にムチ打って初期の頃の自分はひたすら商品をあげようと努力していた。

パタンナーの地位向上のために

もう一つ理由がある。

以前こちらのnoteがプチバズりしたのだが、

服は機械で作られていると思われている

https://note.mu/herzensnacht/n/n87b308177329

さすがに機械で作っている(ミシンや裁断機は使うけど)とは思っていなかったけど、服の値段がどんどん下がっていく現状を見ながら、きっと服を作ることがどんなことかわからないから安く買えてしまうのではないか、と思っていた。

そして、私が就いてるパタンナーという仕事は、デザイナーよりもマイナーで、日本だと地位も低かったりする。

実際は、いくらデザイナーが絵を描いても、パタンナーがパターン(型紙)を引かなければ絵に描いた餅で、なのにパタンナーはなかなか知られてない仕事だったりする。

ヨーロッパでは、デザイナーと同じくらいモデリスト(パタンナーのこと)は大事なポジションと思われているのだけど。

そういった「パタンナーの地位向上」のために、制作過程を公開していた。

制作過程の楽しさや苦労をUstを観る人達が共に私がパターンやサンプルを縫う追体験したら、パタンナーという職業を理解してくれたり、服作りの難しさを理解してくれるのではないかと思ったのだった。

服作りは一人では出来ない

最近は照れずに「デザイナーです」と言えるようになったけど、私はしばらく「レタルのデザイナーです」と語るのが恥ずかしかった。

私はパタンナーだからか「デザイナーなんてなんぼのもんじゃい」と思うところもあるし、服を一着作るのに、数多くの人が関わるし、ブランドとなれば更に多くの人が関わる。

そういう人達を無視して、自分だけがしたり顔で「デザイナーです」と言うのは抵抗があった。

「こんなに服作り、ブランド作りに人が関わっているのに、その人達を紹介しないのはおかしい。是非紹介していくべきだ。」

そういう想いから公式ホームページに『レタルの人達』というページを作った。

http://retar-amip.jp/persons.html

最近はこのページをマメに更新出来てないので、良くないなぁと思いつつ、自分なりに伝えたい気持ちを形にする努力は見せられたかなと思う(努力だけじゃダメだけどね)。

私はお客様だけが幸せでも、私だけが幸せでもダメだと思っている。

ダメというか、結局幸せじゃない。

買い手も売り手も経営者もみんな幸せ、それが困難なことはわかっているけど、それが一番幸せというか、そういう想いを全員が共有出来たとき、私はかけがえのないものになると思っている。

というか、みんな楽しそうじゃなきゃ、私がつまらないのだ。

昔、今話題の石野卓球さんが「テクノはみんなが主役なんだよ」と言っていた(確か私が高校生の頃のCutieで)。

ロックは、ステージにいるアーティストを崇め奉るけど、テクノのDJは崇め奉られる(ときもあるけど)存在じゃなく、フロアみんなが主役。

それはクラブに行って実感したことがある。

あの多幸感溢れる感じ、確かにライブも好きだけど、クラブはクラブでみんな楽しそうで楽しいなと思った。

私はそういうことをやりたいと思う。

誰かが苦しんだりしていたら、もう私達は「アガらない」時代になってきているはずだ。

そしてレタルは少数とは言え、文句なく精鋭部隊だ。

我ながらここまで優秀な人間を集められていると思う。

私がレタルの商品に自信があるのは、私の実力だけではなく、むしろ他の支えてくれる人達が私以上に優秀だからだ。

私の能力や考えを先回りして、対応してくれるチームレタルのメンバー、私のパターンを必ずチェックし、良い製品を上げることを怠らない縫製の人々、現場で素晴らしいアイデアを出してくれる撮影メンバー。

そして、私は周りの人間に応えるため、優秀な人達を惹きつけ続けられるよう、努力する必要がある。

そういうチームと働けることは、本当に幸せだと思っている。

手前味噌かもしれないし、一歩間違えれば楽屋オチになるかもしれない。

けれど、自分が優秀と思う人達と作る商品は、間違いなく皆様にオススメ出来る。

うちは、給料はそんなに高くない。

もっとあげたい気持ちを持ちながら、ギリギリでしか渡せない自分の不甲斐なさも痛感している。

だからこそ、楽しく、自由に、伸び伸びとそれぞれの能力を発揮して欲しいし、私はそういう人達の働きぶりを伝え続けていこうと思う。

だってみんなが主役なんだから。

【白いシャツの店レタル新作展示会】

“The Stories of the Twelve Apostles:the First Part”
(12使徒物語:前編)
会期:5月23日(木)〜26日(日)
会場:西荻窪ギャラリーステラ
〒167-0042 東京都杉並区西荻北3-13-11-1F

5月23日 16時〜20時
24日・25日 11時〜20時
26日 11時〜18時30分

レタルの新作の白いシャツの展示会となります。

レタルのシャツ以外に参宮橋ピカレスクギャラリーからアート作品とアクセサリー、Miyako Gotoの帽子を一緒に展示販売します。

『いままでのシャツ』も注文可能です。

本展示会は受注生産となります。

お支払いはVISA/Master、代引き対応可能。

9年目に突入するレタルの新しい世界観をどうぞお楽しみにくださいませ。

白いシャツの店レタル
http://retar-amip.jp

お問い合わせ
retar.amip@gmail.com


#レタル #白いシャツの店レタル #オーダー #セミオーダー #西荻窪 #ギャラリーステラ #展示会 #受注販売会 #ファッション #デザイナー #パタンナー #fashion #clothes #apparel #shirts #白シャツ #白いシャツ #modelist #制作過程 #展示会準備中 #トワル #ピカレスク #参宮橋ピカレスク #MIYAKOGOTO #石野卓球


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?