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映画

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2022年6月の記事一覧

「花束みたいな恋をした」【映画は観たけれど】

本や趣味をきっかけに、付き合い始めたカップルの5年を追う本作。久しぶりに恋愛マンガの脚色(シナリオ)仕事が入ったので、イマドキの若者のハートを勉強しようとなめてかかったら、物語の完成度の高さにに打ちのめされていた。平成から令和を生きる、男女の出会いと別れ。同世代を生きる恋愛だ。 何物でも誰でもなかった主人公は、懸命で、ひたむきで、したたかで。男女演じたそれぞれの役柄に、自分の姿が重なった気がした。 なんというかジブリの『おもひでぽろぽろ』のように、「今だけの」恋愛映画だと

映画『ナワリヌイ』と、世界の闇がのぞける傑作ドキュメンタリー3選!

とんでもなく面白いドキュメンタリー映画が公開されたので、今回ぜひ紹介できればと思います。 世界には日本でのほほんと暮らしていると想像もつかないようなヤバいことが起こってます。 現在、ウクライナ侵攻で話題のロシアですが、このロシアで反プーチンで人気を博した若手政治家のナワリヌイに起こったとんでもない事件とそれを追った映画を中心に、常識外の"世界の闇”をのぞくことができる傑作ドキュメンタリーをまとめてご紹介したいと思います! 『ナワリヌイ』(6/17公開)これめっちゃ面白かっ

映画『犬王』を見る

映画『犬王』を観に行く。平日の昼間、TOHO系列は7割程度埋まっていたので、慣れたシネ・リーブルを選ぶも選択肢が少ない。20代~の若い女性が目立つ。 なるほど、これは様々な「推し」の存在を彷彿とさせる。「推し」とは何かについての最大公約数をみるような映画で、熱狂する人々と熱狂させる人々と、設定を平家滅亡後の世にうつすことでちょうどよい距離感をもたらす。今、どこか別の時代に転生しても好きに生きてもいいよな、とか、時代が移ろってもそんなに動揺しなくてもいいな、とか。ストーリーは

小さなからだ(イタリア映画祭2022)

お久しぶりです。 イタリア映画祭2022上映作品を記録。いつか配給が決まりますように。 インスタで投稿ばかりしていたのですが、これからはここに戻って記事を書いていきたいと思います。インスタより読みやすいですし、記録として残りやすいと思ったので。 もし興味あればインスタもフォローしてくださいね。 @cinema_esse 本記事では、私がイタリア映画祭2022にて一番おすすめしたい作品を紹介します。 作品概要小さなからだ [2021/89分]原題:Piccolo cor

【君を救うたった一つの冴えたやり方】映画『ドニー・ダーコ』を改めて振り返る。

6月1日に『ドニー・ダーコ 4K UHD&Blu-ray』が発売された。『ドニー・ダーコ』は今より20年も前に上映された作品だ。そして筆者が映画好きになるキッカケとなった特別な作品でもある。 筆者が『ドニー・ダーコ』を観たのは高校生の頃。インパクトのあるポスターとあらすじに興味を惹かれたことがキッカケだった。"ミニシアター"と呼ばれる映画館を訪れたのもその時が初めて。今は無き愛知の「ヘラルドシネプラザ」で鑑賞したことを覚えている。 初めてのミニシアター体験は衝撃的だった。

「エターナル・サンシャイン」【映画は観たけれど】

2021年5月に発行したフリーペーパー『映画は観たけれど』に掲載した原稿です。一部加筆修正を加えています。 恋愛映画は名作ばかりだ。『Once ダブリンの街角で』や『アバウト・タイム 愛おしい時間について』も好きだし、最近ではAmazon primeで配信中のドラマ『モダンラブ』も素晴らしい。その中でも「何度繰り返してもいい」と名台詞を放った本作を 超えるものはまだ無いのではないか。 主役はジム・キャリー。ただ普段のハイテンションな役どころとは違って、地味で無口な青年だ。

映画「屍人荘の殺人」

観た映画の紹介 制作:2019年 日本 上映時間:120分 配給:東宝 劇場公開日:2019年12月13日 この映画を選んだ理由 単純にNetflixで配信が開始されたことと、NHK土曜ドラマ「17才の帝国」に出演していた山田杏奈さんがキャストの中にあったので、見ることにしました。 キャスト・スタッフ キャスト:浜辺美波、神木隆之介、中村倫也、矢本悠馬、佐久間由依ほか 監督:今村ひさし 原作:今村昌弘 脚本:蒔田光治 主題歌:Perfume あらすじ 感想 「

『フレンチアルプスで起きたこと』【映画は観たけれど】

夫の定時は22時のはずだが残業があるそうで、帰宅時間が23時をまわっている。 わたしも寂しくならないように週に2~3回はそのあたりまで仕事しているので、0時前から夕食もとい夜食をとりはじめる。最適なバラエティ番組や動画をザッピングしても、疲労と食事と刺激的な笑いをなかなか難しい。そんなある日沖田修一監督の『南極料理人』を見はじめたら結局最後まで見てしまう出来事があった。(そして観た人はわかると思うけど、無性にラーメンが食べたくなる。)すでに5回は観てる。やっぱり沖田さん映画

【引退撤回】我らのアキカウリスマキが戻ってくるぞ!!【新作撮影のお知らせ】

先日、SNSで「アキ・カウリスマキが新作を撮っている」というニュースを見かけて驚いた。 アキ・カウリスマキは『過去のない男』(2002)、『ル・アーヴルの靴みがき』(2011)などで知られるフィンランドを代表する監督。日本でも映画好きを筆頭にファンが多く、筆者も大好きな監督の1人だ。 だが、アキ・カウリスマキ監督は2017年の『希望のかなた』を最後に監督業を引退していた。 情報が載っていたのはアメリカ発のエンターテイメント業界媒体『Variety』。記事内容を日本語でま

【ある男女の恋愛譚】『スーパーヒーローズ』感想【イタリア映画祭2022】

4月29日から開催している『イタリア映画祭2022』。2001年から始まったイタリア映画に特化した映画祭で今年で22回目の開催となる。5月19日からは第1部がオンライン上映も始まっており、その中の1作『スーパーヒーローズ』を鑑賞した。 こちらは今年のラインナップを見た時から楽しみにしていた作品。というのも本作の監督はブラックユーモアの大傑作『おとなの事情』のパオロ・ジェノベーゼ。この監督の作品は大好きなので、上映を知った時から絶対観ようと思っていた作品だ。 本作は『スーパ

『ジョーカー』の続編の脚本と、脚本を読むホアキン・フェニックスの画像がSNSにアップされてる。 前作が1本の作品として素晴らしかっただけに続編は期待半分不安半分。 副題は日本語で「感応精神病(直訳)」といい「2人のための狂気」ということから、バットマンかハーレイが登場か…?

【また夏がきた!】映画Tシャツカタログ2022年版【映画Tシャツの出番だ!】

今年も、Tシャツ一枚で過ごす季節がやってきたということで、2020年から挙げている「映画Tシャツ」に関する記事を今年も挙げていきます。 この記事はいわゆる「映画Tシャツ」と呼ばれるTシャツの種類や買い方、通販サイトなどをまとめた記事になります。興味ある方は是非覗いていってください。 【映画Tシャツの魅力とは?】まず、純粋にデザインが良いものが多い。映画はアートや絵画など様々な要素も含んでいるためファッションとも相性が良い。近年では映画Tシャツの特集記事なども見かけるが、そ

【映画は観たけれど】わたしの映画エッセイ

感想や考察を書くだけではない、映画を通したコラムっぽいことがやりたくて作ったフリーペーパーです。 全8ページで、とりあげたのは、「花束みたいな恋をした」「すばらしき世界」「ソウルフルワールド」「エターナル・サンシャイン」「バックトゥ・ザ・フューチャー」「デッドオアアライブ犯罪者」の6本。新旧、邦画洋画のバランスいれつつ。ちょうど映画スクールに通い始めるころ合いだったような? 今見返すとまた違う感想が浮かび上がるのかもしれない。 昨年2021年5月16日の文学フリマで、当日

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DC最新作『ブラックアダム』12/2公開決定!