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映画

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2023年9月の記事一覧

【最高にイカした亀たちが大暴れ!!】映画『ミュータント・タートルズ ミュータント・パニック!』感想

子供の頃、タートルズが大好きだった。 あのOPは今でも思い出せるくらい好きだったし、クリスマスのプレゼントにはタートルズのフィギュア(亀から変身するタイプ)をお願いするほどハマっていた。 成長するにつれその熱も落ち着いてしまったが、子供の頃好きだったものはやはり特別な思いがある。内容云々の前にあのタートルズの新作というだけで感慨深いものがある。 だが、そんな思い出補正がなくてもこの映画の良さは変わらない。本作はタートルズを知らないという人にもお薦めできる作品である。興味あ

【感想ではなく記録のための雑文】八月に観た映画7作品(2023/8/1~2023/8/31)

今年からはじめた映画の記録。 本を読むのは実はあまり得意ではないので、映画を観ようという流れです。 アマゾンプライムは月500円だから、5本くらいは観たいなと思っています。 (最近600円になったとか。そろそろ年間契約に切り替えようか……そういえばネットフリックス限定公開の作品も気になる……) 例によってアウトプットする準備は一切なく書いています。観てない人から見れば(観た人もかも)意味不明かもしれません。 どうぞすっ飛ばしてください。 サイレントトーキョー 2020年1

映画サバカンが最高すぎる

映画・サバカンが最高すぎる 金沢知樹監督の映画・『サバカン』があまりに良すぎて、なぜこんなに自分の胸に響くのか考えてみました。 1 サバカンはTKO木本さんのおすすめ サバカンを知ったきっかけはTKOの木本さん。今年の四月にTKOさんの半生を僕が小説にした、『転落』を発売したのですが、執筆のために、木本さんと木下さんにずっと話を聞いていました。 基本お二人のこれまでの人生を丹念に聴く時間だったのですが、世間話もしてました。そこでふと木本さんが、「浜口さん、金ちゃんのサ

仙台短編映画祭にて

【兎を暴走させたのは誰?】映画『兎たちの暴走』感想

中国で実際に起きた誘拐事件を題材にした映画『兎たちの暴走』。 9月15日から開催されている「あいち女性国際映画祭」で特別上映されていると知り鑑賞してきた。 実は本作を鑑賞するのは2回目。 1回目は2020年の東京国際映画祭で鑑賞したのだが、その年観た映画祭の作品の中で最も刺さった作品だった。大好きな作品なのでもう1度観れたこと自体が嬉しい。 配給会社がアップリンクということで思うところはあるが、この作品を配給してくれたことは感謝したい(ちなみに愛知ではシネマスコーレで一般

映画「バグダッドカフェ」

その日、特許庁からザ・縦割りって感じの電話がかかってきて、ゲリラ豪雨の境目あたりの変な雨が降っていて、少し離れた場所で雷鳴がとどろき、気圧が下がって私はやる気をなくして、意味もなくお粥を炊いていた。 Amazonプライムでバグダッドカフェが見れると広告が流れてきて、そういえば観てないよねと思ってみることにした。 おしゃれな映画として、例えばオリーブとかで俳優やモデルがインタビューで「②好きな映画・バグダッドカフェ」とかクレジットされている感じで知ったのが入り口だと思う。

愛され映画『ロスバンド』をお薦めしたい。

『ロスバンド』という映画を知っているだろうか? 年端もいかない子供たちがロック大会に向かうまでの道中を描いた作品で、日本では2018年に公開され人気を博した青春音楽ロードムービーだ。 この映画、少し前までソフト化に向けてクラウドファンディングが行われており、自分も微力ながらソフト化に向け協力させて頂いた。 めでたく目標を達成し返礼品も頂いたのだが、想像以上に多くの人の支持を受けたことで何と『ロスバンド』のソフトの一般販売も決まった(詳細・リンク先は記事下記に)。 そこ

日本でなかった『君たちはどう生きるか』の予告編!

スタジオジブリ制作、宮崎駿監督の『君たちはどう生きるか』。 宣伝をしない宣伝で話題となり、広告展開は一切せず、公式サイトもなくチラシもなく、予告編も作られなかった本作。 しかしながらここに来て、海外向けのトレーラーが公開となりました。 日本だったらこういう感じでは作らないだろうなーという海外ならでは、老若男女向けの娯楽大作ではなくて、アート系の味わいのある作りとなってます。 ▼「THE BOY AND THE HERON」 タイトルが「THE BOY AND THE H

DUNE/デューン 砂の惑星(2021)|ドゥニ・ヴィルヌーヴ/ワーナー|映画感想・レビュー

久々に、これはものすごく好みに分かれるだろうなって作品をみたわ。 個人的には、また観たいというか何度も観たいけど、そうじゃない人も多いだろうなっていうのがわかるんだよね。 ということで、今回みたのは、コチラ▼ 私が選んだのではなく、例によってゲーム友達に選んでもらってる。 ゲームにせよ映画にせよ、友達に選んでもらった方がちょうどよく裏切られてておもしろいの多いんだよなぁ。 自分の好みド真ん中は予定調和。(ついでにいうと自分でみたいやつは、1人でもさっさと見るw)ちょっと

9/10 ぴあフィルムフェスティバルへ

ぴあフィルムフェスティバルへ。髙橋監督『サッドカラー』が入賞&上映されている。 上映後、国立映画アーカイブの2階がまるで高円寺シアターバッカスかよ、という雰囲気になり大変驚く。こんなにみんなしゃべるんだ。いい光景を見せてもらう。 監督と新作のビラ配りをしていると、Uさん。気づくと監督もファンたちに囲まれたり2ショットを撮ったりしていたので、雑談して過ごす。 壇上で荒木さんの問いになぜか「人望がないんですよ、ぼく」と話しているの、本気か冗談か分からないテンションで話していたな

【ウェス・アンダーソン流アメリカへの郷愁】映画『アステロイド・シティ』

50年代のアメリカ、南西部の砂漠の架空の街「アステロイド・シティ」。 隕石が落下して出来た巨大なクレーターが観光名所となっている街に、科学賞を受賞した5人の少年少女とその家族が招待される。しかし、その授賞式の最中にとんでもないことが起き… 映画『アステロイド・シティ』は『グランド・ブダペスト・ホテル』、『ムーンライズ・キングダム』のウェス・アンダーソン監督の最新作だ。 アメリカの架空の町を舞台にそこに集まった人たちによる騒動が描かれる。 ウェス・アンダーソンといえばミニチ

【吸血鬼はスケボーに乗って夜を漕ぐ】『ザ・ヴァンパイア 残酷な牙を持つ少女』感想

最高にクールな『吸血鬼映画』を知っているか? 例えるなら「イラン×吸血鬼×ジム・ジャームッシュ」を掛け合わせたような見たことない吸血鬼映画だ。 『ザ・ヴァンパイア 残酷な牙を持つ少女』は日本で2015年に公開された。イランの架空の街を舞台に人間の青年と吸血鬼の少女の出会いがモノクロ映像で描かれる。 監督をつとめたのはイラン系アメリカ人のアナ・リリー・アミールポアー。本作が長編デビュー作となる。俳優のイライジャ・ウッドが製作総指揮を務め、世界のインディペンデント系映画祭で

【わき道に逸れてからが本番です】映画『マンディブル 2人の男と巨大なハエ』感想

2人の男が仕事の途中で巨大な蠅を見つける。 『マンディブル 2人の男と巨大なハエ』は『ラバー』、『ディアスキン 鹿革の殺人鬼』のカンタン・デュピュー監督の2020年製作の映画だ。 これまでに『地下室のヘンな穴』、『タバコは咳の原因になる』とカンタン・デュピューの作品を見てきたが、本作がこれまでの作品の中で一番見やすく感じた。 物語は主人公のマヌがある男にスーツケースを届けるという怪しい仕事を引き受けたところから始まる。 親友のジャンと盗んだ車で目的地に向かおうとする最