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身体と心、足すより引くこと

「腰の調子はどう?」

四連休いただき、店を開けたら、

優しいお客様が声をかけてくれます。

「おかげさまで、だいぶ、楽になりました」

そう答えたいところですが、

事実はそうではなく。


ぎっくり腰ではなく、ヘルニアと判明。

まだ痛み止めを飲み、ステロイドを飲み
コルセット生活でなんとか一日、一日、やり過ごす状態。

いつまた、

「腰痛のため臨時休業します」
と張り紙を出すかわからない状態。

嘘がつけないので

「ん〜なんとか騙し騙しやってます」と

答えています。

スッキリと笑ってお返事できないのが申し訳ない!


椎間板ヘルニア、これは、治りません。

ほとんどの場合、保存療法が用いられます。

運動療法、温熱療法、腹筋や背筋を鍛えるリハビリでこの腰痛とずっと付き合っていかなきゃいけない。

一瞬、どんと落ち込みました。

店、続けられるかな、って。


でも、痛みを抑えながらなんとか1日をやり過ごしていくうちに、

腰痛以前と行動が変わってきたことに気づきました。


以前の行動では1日働くことが困難になり、
必然的にやることを減らしました。

行動が変化する→思考が変化する

以下、今実践していることです


無理をしない
予定を入れない
諦めも肝心
一つのことを終えてから次に取り組む

身体が思うように動かないからこそ、

今、必要なことだけを集中してやる、

そういうふうに頭をシフトさせてきています。


今思うと、

デザートを常に4種類は作ろう、
欠品商品ができないように、常に冷蔵庫パンパンに

お客様が喜ぶものってなんだろう、
試作試作の毎日、
ネットも毎日あげて、変化を知ってもらおう


初めは楽しんでいた、ケーキ作りが

お客様へのサービスの気持ちだった商品ラインナップが、


楽しんでいたと思っていた試作が、


負担に感じていなかったSNSが、

いつしかやらなければいけないこと、として重くのしかかっていました。

これってなんのためだったのか。


今は、体が動かない、を理由に、

定番の、
バスクチーズケーキ、プリン、たまにホットビスケット、
この三つをローテーションしています。

「また、これか・・・」

そう思われるのが怖くて、知らずに強迫観念で作っていたところがあったのですね、

できなくなった今にしてみると、

定番だけでも、いいんじゃない?食べたい方に食べてもらえたらいいか、

少し、そういう風に思えるようになりました。


作るものが少ないせいで、プリンなど、流れ作業のように作っていた

デザートに、変化も生まれました。

プリンの作り方は、至ってシンプル。

卵に砂糖を入れ、温めた牛乳と生クリームを混ぜて
型に入れて焼く、

これだけです。

あまり考えずとも、分量も手順も入っているので
作業として作っていた感があります。

それが、


午前中はプリンだけ、作ろう

そう思うと、疑問が出てきたんです。

そもそも、牛乳ってどれくらいまで温めるといいのだろう?

湯煎で蒸し焼きにしているけれど、
プリンをオーブンに入れた直後の湯煎の湯の温度は何度が適温なんだろう?

焼きすぎが嫌でプルプルキワキワの火の通り具合を狙っていたけど

もう少し焼いてみたら、型から外した時、綺麗なんじゃないのか?


何度となく作ってきたプリンだけど、

毎日温度を変えて牛乳を沸かし、
湯煎の温度を変えて、オーブンの時間を調整し、


緩やかに、一つのものを作り上げることの楽しさ、

これってクリエイティブなんちゃうん?

なんて、遅ればせながら、モノづくりの楽しさを実感しています。


やることを減らしたら、
少しの時間のゆとりと、頭のゆとりができました。

あれもこれも、出なく、

今日の体調、今日の心身バランスでどれができるか?

自分の声に耳を澄ますようになってきました。


できないことが増えて、仕事量も激減したのに、

心は、今、平穏です。

腰は常に痛いけれど、

なんだか、落ち着いています。

畳に寝っ転がって伸びをしているような気持ち。


1日、1日、

今日も店に立てました、
お客さんに会えました、

美味しいご飯が食べられました、

疲れてぐっすり眠れそう、


この感覚を忘れないように。




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