見出し画像

濃い時間を過ごせたジブリ美術館

何年かぶりに、ジブリ美術館に行ってきました。

以前来た時は、家族で来たような記憶があるのですが、今回は友人(水族館に行った時の友人です)と。今回、ジブリ美術館では館内での写真撮影・動画撮影が禁止されていることを初めて知り、ちょっと驚きながら訪れました。

子どもの頃は全く気にもとめなかった"禁止事項"について、パンフレットにはこのように記載されていました。

ジブリ美術館は物語の入り口です。
物語の主人公になるには、カメラを向けるのではなく、この空間をご自分の目で見て、体で感じてください。
そして、思い出は心の中に大切にしまって持ち帰って欲しい、これが私達の願いです。
名誉館主 宮崎駿

パンフレットより

今は、個人がSNSに上げる大量の写真が、施設やイベントのPRにもなる時代。

時代と逆行したスタイルですが、その想いはきちんと来場者にも伝わっていて、館内に入ると、確かに写真を撮っている人はいませんし、スマホを見ている人もあまりいません。そして、大人たちが、あれ、ここ何階だっけ?と言いながら歩き回っている姿が見えるのです。

私も、紙のマップを片手に歩き回り、いいなと思った景色を写真に収めることなく、1日が過ぎていきました。その時間の、濃かったこと!

カメラを通してものを見る時間がすっかり長くなってしまった私たちの、現実のものや出来事との向き合い方の不自然さについては、これまでも何度かnoteで触れています。

今回のジブリ美術館での時間で、カメラを通さずに現実を味わうことの魅力を私は再確認できたように思います。

自分の心で景色を切り取る時間
「わー、すごいね」と言いながら、SNS上の誰かではなく、隣の人と感動を分かち合う時間
そういう時間の濃いことを、ジブリ美術館で過ごした時間が、思い出させてくれたように思います。

一緒にお昼を食べるとしても、まずは写真を撮るのが癖になっている人、Twitterを見ながら食べる人、Instagramを見続ける人……。同じ場所にいながら、別のことを考えている瞬間があって、一緒に目の前の出来事や料理を味わえていない、そんな場面も少なくないと思います。

今は、老若男女問わず、誰もがスマホを持ち、スマホと共に暮らすのが当たり前の時代です。情報収集や発信はもちろん、自分の見た景色もすべて、スマホのレンズで切り取ることができてしまう時代です。

でも、カメラを向けるのではなく、自分の目と体で感じること

人生を真に、主人公として楽しむには、そんな時間がやっぱり必要なのだろうな、と思いました。

*******
そして、ちょっとおまけのようなお話を。

ちょうどこの記事を上げようと準備していたら(最近文化祭の話が急に入ったこともあり、この記事はかなりの熟成下書きになってしまったのですけど)、私がフォローさせていただいてるPさんという方も、ジブリ美術館のことを取り上げられていて。

あまりにもタイムリーだったのと、いつも記事を楽しく拝見させていただいているということで、(勝手に……)少しご紹介いたします。

実は今回のジブリ美術館の記事に限らず、Pさんの撮られる写真の雰囲気が私はとても好きで、Pさんの写真を見ていると、写真ってやっぱりいいなぁと思うのです。

また、Pさんの書かれるnoteには、ご家族との穏やかな時間がにじんでいて、そういうところも大好きなのです。お店の醸し出す空気感やお料理のもつあたたかい感じも、丁寧に切り取られているような感じがして。

誰かとの大切な時間や日常の風景と、そこで写真を撮ること。

その、心地いいバランスが写真にも表れているような気がするのです。

きっと、写真を撮るだけでなく、目や体、心もでも、きちんとその時間・空間を味わわれているのだと思います。だから、素敵な写真が撮れるんだ……というのは私の勝手な想像ですが、そんな風な写真との関係を、私も築いていきたいなと思います。

この記事が参加している募集

熟成下書き

カメラのたのしみ方

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?