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義母のひとこと(2)「人殺しをするような子になるよ」驚きとともに悲しくなりました

出産後、20歳の頃から勤めてきた会社に復職するために、長男を11カ月で保育園に入園させました。今でこそ待機児童がいっぱいでなかなか入りにくい保育園ですが、27年前はそれほど人数も多くなく、息子のクラスは8人でした。その7年後、長女が入園する時には30人の定員がいっぱいになっていました。

0歳児の保育園入園は偏見もあり、「かわいそうに」「小さい子に負担をかけてまで仕事をする意味があるのか」とまで言われたこともあります。3歳までは家庭で、と考える人が多かったようですが、その3歳という根拠は特別になかったように思います。幼稚園が3歳からだったからでしょうか。

そこまで復職を否定されると、「当たり前」と思っていた自分自身でさえ疑問に思えてきます。そんな中でも復職を決意し、保育園に入れることを義母に話した時の第一声が、これです。

そんな小さい頃から保育園に入れると、人殺しをするような子になるよ

よほど気に入らなかったようで、なんとも恐ろしい偏見を声高に言い放ちました。初孫がさみしい思いをするとか、かわいそうといった気持ちが強かったんだと思いますが、あまりの言葉に腹が立つというよりとても悲しい気持ちになりました。「私の弟も0歳から保育園に行っていますが、普通に育っていますよ」と言うのが精一杯でした。

保育園に行き始めてからは、発表会や運動会におじいちゃんおばあちゃんを呼んだり、しばしば実家に連れて行って長男の成長を見せるようにしました。2年もすると、すくすく&ちゃっかりと育った長男を見て「保育園に行くとしっかりした子になるね」とブレ幅の大きな偏見を、これまた声高に話していました。家庭保育をしていた息子と同じ年の孫に、「○○ちゃんも保育園に行けばよかったのに」とまで言う始末。呆れましたが、娘が1歳で入園する時には、「同じ保育園には入れてよかったね」と保育園に大きな信頼を寄せるほどでした。

しかし、その義母の言葉と、周囲からかけられた無責任な言葉は思った以上に私の心に刺さっていたようです。「保育園に入れて良かった」と思う反面、息子が3歳になるまでは「罪悪感」と「実はかわいそうなんじゃないか?」という疑問を払拭することはできませんでした。

「なんで○○は保育園に行かんと(行かないの)?楽しいのに」

7歳違いの長女を保育園に入れるのを悩んでいた時、長男が言ってくれた言葉です。「保育園は楽しかった?」と聞くと「バリ楽しいよ!」と即答されたときに、あの時の判断は間違っていなかったと初めて思うことができました。胸の奥でモヤモヤとしていたものが、スッと晴れるようでした。子どもの一言って、大きいです。


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