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アルモンデごはん Reスタートの旅

年明けに計画していた友人との小旅行。長野県に行ってきました。仕事が全く絡まない旅なんて、いつぶりだろう。スマホもSNSも最低限にして、いつもと違う場所にいる自分にどっぷりと浸かりました。カメラ越しではない、私の瞳を解放して広い広い世界をみるっていいね。とはいえ、食べた物の写真は撮らずにいられない…これも性なのでした。


新たな始まりのごはん


<3月11日>

必要最小限

Netflix沼にハマっていた頃、「ザ・シェフ・ショー」という番組が大好きでした。映画『シェフ 三ツ星フードトラック始めました』の監督ジョン・ファヴローと、この映画のモデルと言われているシェフのロイ・チョイ。2人が料理界のプロや親しい有名人と共に、キッチンの内外で食の世界を探求する番組です。好きすぎて何度も繰り返して観るうちに、すっかりロイ・チョイのファンになった私。今はオンラインプログラム「MasterClass」で毎朝ロイのクラスを観ています。小さなフードトラックからシェフ人生を始めたロイは、アルモンデの先生なのです。MasterClassで彼が選んだ最小限の調理道具は、写真にある包丁・まな板・ボウル・スプーンの4つ。これさえあればひとまず大丈夫だと話す彼の得意げな顔に、私が好きな料理人や料理家さんの基本はこれなんだ!と気づきました。
置かれた状況に関わらず、食べる人を心地よく満たすごはんをつくる人。至高や感動の料理じゃなくて、私にとっての一番は満たすごはんなんだ!好きな人の好きなところを深掘りすると、自分の根っこが見えてくる。面白いです。


<3月12日> 

3月の味噌レシピ

野菜室が空になるまで、新しい野菜は買わない!と決めてはや2週間。どれだけストックがあったのか…。どうやら私は自分の食べ切る量を把握しないまま、長く一人暮らしをしていたようです。
この時点で野菜室に残っているのは、人参3本と紫キャベツ1/6、カブが3個と玉ねぎ1個。手前味噌クラスの生徒さんへお送りする月1味噌レシピもこの中から作ります。3月は人参の味噌ヨーグルト和え。味噌とヨーグルトって相性抜群なのですが、すりおろしたニンニクを加えると一体感が増して美味しくなります。人参1本分作ったものの、半分以上食べてしまいました。みんなのおうちでも味わってもらえたらいいな。


<3月13日> 

古き良きステーキハウス

明日からの長野旅のため前入り。仕事終わりの友人と合流して前夜祭のスタートです。連れて行ってもらったのは古き良きステーキハウス。私の好み、わかってるねー。熱々の鉄板で、半生の安曇野牛100%ハンバーグをジュージューしてもらう幸せよ。ちなみに今回のハンバーグ180gで注文しましたが、苦しかった…。もう私は120gしか食べられないと知ってしまいました。美味しいから残したくなくて食べ切りましたが、お風呂で自分のお腹と対峙し愕然としたのはいうまでもありません。



<3月14日> 

過去最高の野沢菜漬け

長野旅1日目。東御のわざわざで焼きたてのパンを買うところからスタート。その後でモーニングを食べ、本物の野沢菜漬けを求めて野沢温泉向かうも、冬期でことごとくお店がやっておらず涙。気を取り直しておやき村でおやきを食べ、松本へ。夕飯は、長野営業担当の友人が大のお気に入りという「しづか」に連れて行ってもらいました。このお店が最高だった…ありがとう!お店自家製の野沢菜漬けは、まさに私が求めていたベッコウ色の本漬け。やっと野沢菜欲が満たされて、その後も山賊焼に馬の煮込みに信州サーモンにと、土地のものを大いに食べて飲んだ夜でした。なんでもお取り寄せできる今だけれど、その料理が根付く土地で食べると、土地の空気すらも美味しさを引き立てる要素となるみたい。そんな味にまだ出会えることが嬉しい夜でした。


<3月15日> 

冬ならではの

長野旅2日目。友人が冬ならではの味だよとおすすめしてくれた、とうじそばを食べに奈川に向かいました。冷たいお蕎麦を温かい汁の中でしゃぶしゃぶしながら食べる、とうじそば。初めて食べましたが美味しかったなぁ。地元在来の蕎麦粉を使っていると聞いて、本当にここでしか食べられない味なんだ!と気分も上がります。
ご馳走様の後は一度Uターンして、とうじそばのお店の近くで見つけたパン屋さんへ。「製材所のパン屋」という不思議な名前に惹かれてお店の扉を開けると、うっとりするような小麦の香りに包まれました。材料にこだわった天然酵母のパンはどれも美味しそうで、お昼ご飯を食べて5分もたたないのに山盛り買い込んでしまいました。聞けば金土日の昼間しか営業していないのだとか。私たちラッキ〜。その後車の中で食べてみたら、私の好みど真ん中の味!友人も悶絶する美味しさ。ここはまた絶対に来ます。


<3月16日> 

おうちごはんはアルモンデ

旅から戻り日常へ。再び野菜室食べきりチャレンジが始まります。この夜はかぶと豚肉のトロトロ煮を作りました。農家さんから届いてもう2週間以上経つであろうかぶは、すっかり水分が抜けてカスカスに。…ごめんなさい。でも捨てないよ!こんな時は煮込めばいいのだと知っているからね。水だけで煮込んだかぶが柔らかくなったら、豚コマを加えて塩と醤油で味付けします。最後に青のりを振り入れて、片栗粉でとろみをつけたら出来上がり。スカスカだったからこそ、水分をたっぷり含んでトロトロになったかぶ。これぞおうちごはんの醍醐味ですね。でも本来ならもっと早く食べるべきでした。ごめんよ、かぶ…。


<3月17日>

春の色

楽しい旅の後はがっつりお仕事。職場に向かう道すがらに、春の存在を感じます。幼い頃はよく母と春を探す散歩をしていました。つくしやノビルをとったり、菜の花やたんぽぽを摘んだりしながら、家からほど近い土手を探検していたっけ。春が来るたびに思い出します。
ほんの数年前まで、毎年花粉症で涙や鼻水を流しながら土手でよもぎを摘み、草団子を作ってはご近所に配っていた母。今は土手もコンクリートが打ち付けられ、他の場所も除草剤が撒かれてしまい、よもぎを見つけられなくなったと悲しそうです。植物は季節とともに生きているのに、私たちは季節を均し植物を蔑ろにして、季節と共存する道を捨ててしまうのかな。
強風の中でシャンと咲き誇る菜の花のしなやかな強さに、我が身を振り返る朝。地球の住人としてこの大地に住む生き物として、私は相応しい生き方をしているかな。そんな不安や恐れすらも大地は受け止めてくれるんだけどね。甘えてばかりはいられない。


毎月開催している、旬の野菜とアルモンデ(あるもので)つくるごはんクラス。3月のテーマは乾物です。
乾物を気軽に使えるようになると、おうちごはんはより豊かにより楽しくなります。だって乾物って、一年中いつも変わらぬ美味しさですよ!変化がないのが嬉しい乾物と、変化していく季節にある野菜たちの組み合わせは無限大。このクラスでは基本的な乾物の扱い方、ちょっと変わった使い方、野菜との組み合わせ方などをお伝えしながら、出来上がった料理をお弁当箱に詰めていきます。昨年も大好評いただいた、春の行楽弁当クラス。
ぜひご参加ください。


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