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23/12/11(月)妄想、モネ展。

上野のモネ展に行った。
モネと言えば睡蓮の絵。

知識それだけ…

まず、導入の説明パネルを見た。

そこには「印象派」と呼ばれるに至った
成り立ちが書かれていた。

「印象派」あ、そうか、モネは「印象派」なのか。

何か聞いたことがあるな、
そりゃあ大そうな由来なんでしょう…

と読んでいて、驚いた。

「印象派」の成り立ち、
超絶勝手に解釈して妄想するに、こんな感じ。

モネ  あのさー、グループ展やんない?
友人A え、いいけど、俺金ないけど…
モネ  いやだからやるんじゃん

モネは何人かのアーティスト友達と、
グループ展を開いた。

友人A グループ展のタイトルどうしよっか?
モネ  うーん、いやその前にさ
友人A うん
モネ  絵買ってくれんのって基本おっさんじゃん
友人A うん
モネ  そのおっさんたちにさ、このイケてる絵の
    感じ伝わるかなー?
友人B 伝わんなそー、この光とかさ、何でこんな
    色変えてんの?とか言われそー
モネ  だよね、描写が荒い!とか
友人A 言われそー!なんか「写実主義」って
    ダサいよねぇ
友人B うん、てか古い
友人C …ねえモネっちのその絵さ、
    「印象・日の出」って言うの?
モネ  あーなんかカッコつけちゃった。
    印象的な日の出ってだけなんだけど
友人C (笑)
友人A あっ!
モネ  何?
友人A 「印象派」ってどう?グループ展のタイトル
友人C いや堅すぎるでしょ
友人A だからいいんじゃん、そういう方が
    受け入れられそうじゃない?おっさんにも
モネ  たしかにそういう理屈効きそう!

そうして「印象派」と名付けたモネたちの
グループ展が開かれた。

友人B まあまあ盛り上がったんじゃない?
モネ  だね。けどさ、最後に来た奴、なんか
    嫌な感じじゃなかった?
友人B あー
友人A あいつ小難しそうに見てたよねぇ
・そこへやってくる友人C。
友人C ちょっと!これ見てっ!
一同  何々?

新聞を広げる友人C、
そこにはグループ展のことが書かれている。

モネ (記事を読む)あれはまさしく「印象派展」
   でしたねー。若い感性って素晴らしいです
   ねー、奇抜でまさしく「印象派」(笑)。
   すごい「印象的」に物事を捉えててすごい
   ですねー若い若い。目に「印象派」が
   飛び込んできましたよ。でも次の日には
   僕の「印象」には残ってなかったですけどねぇ
   (笑)……何これ
友人A 褒めてる…?
友人B いや超絶ディスってるでしょ、皮肉じゃん
    これ…
友人C (記事の写真見て)あ、こいつ最後に来た
    おっさん…!
モネ  くっ
・苦悶の表情を見せるモネたち。


おそらく史実メチャクチャだろうけど、
そんな妄想でモネに愛着を持つ僕。


そしてゆっくりと、
美術館の絵画の道を歩きはじめた。


風景の絵、

風景の絵、

風景の絵、

風景の絵、

風景の絵…



そこへ突然、巨大な家族の絵が現れた。

モネっちの家族が食卓を囲んでいる。
5歳くらいの、小さい息子がいる。
可愛くて仕方なかったんだろうなー。
ん?真ん中の奥の家政婦がこっちを見ている!


家政婦 見ちゃいましたよ
モネ  え
家政婦 自宅に連れ込むって、どうなんですかぁ?
モネ  え
家政婦 奥様には内緒にしときますけど、
    どうなんですかぁ?
モネ  ……


家政婦が見た!の目が気になったモネっちは、
すぐに風景画にスタイルを戻した。
ニンゲンコワイコワイ…

風景の絵、

風景の絵、

風景の絵、

風景の絵、

風景の絵…

黙々と風景画を描くモネっち。

そんなある日…

友人A  どうしたの?
モネ   ちょっとこれ、見てもらっていい?
・3枚の藁(わら)が積まれた風景画を見せるモネ。
友人A  同じ絵?
モネ   …と思う?
友人A  …うん
モネ   違うんだよ
友人A  どこが?
モネ   天気も、季節も、藁の感じも、風も、
     何もかも
友人A  …めちゃくちゃいいじゃんその発想
モネ   …やっぱそう思う?
友人A  うん。同じ場所、同じ構図でも一瞬一瞬が
     違うってことがめちゃくちゃ表現されてる
モネ   …どう思う?
友人A  …これ多分、賞とか取れるんじゃない?
モネ   だよね…俺今手汗やばい

モネっちは、
その連なった3枚の絵をコンペに出した。
するとその斬新なスタイルは瞬く間に広がり、
皮肉だった「印象派」が、
ちゃんとした若者のスタイルとして
認められた。


チャンチャン!


妄想から現実に戻ると、
もう一つの事柄が気になり始めた。
それはタイトルの下に書かれた
作品の所蔵場所

モナコ王宮コレクション
スコットランドナショナルギャラリー
ボイマンスファンベーニンゲン美術館
ウジュールブータン美術館
メトロポリタン美術館
グラスゴーライフミュージアム
三重県立美術館
ポーラ美術館
ワシントンナショナルギャラリー
リヨン美術館

なんともバラエティに富んだ美術館の数々。
隣に居た友人に話しかけた。

  世界中に散らばってた作品をさ、
   上野に集めたのってすごくない?
友人 たしかに
僕  モネっちもさぁ
友人 モネっち?
  あいや…モネもさ
友人 うん
僕  パリから世界中に絵が拡散されて、
   今日本にあるなんて、思ってもみなかった
   だろうね
友人 たしかに。おそらく日本来たこともなかった
   だろうし


モネが今ここにいたら、
この状況をどう思うんだろう?

モネ 「            」


僕たちはゆっくりと歩きながら、
ときどき立ち止まり、
話した。

サインが
右下の時と、左下の時があるのを
発見したり、

途中からそのサインが
スタンプになっているのを発見したり、

夕暮れを描く時は、
その瞬間だけ毎日その場所に
行っていたのだろうか?

ドローン目線みたいな構図の絵は、
どこから描いたんだろう?

風景を書き続けたモネの
精神状態は安定していた?

晩年、目が悪くなってからの強い筆圧は、
抗えない老化への苛立ち?


「閉館10分前になります」


アナウンスが聴こえ、
パッと絵画から気持ちが逸れた。
いつの間にか、大勢のお客さんがいる。
さすが巨匠モネっち。

そこへカップルの会話が聴こえてくる。

女性 この絵、きれー!
男性 おーほんと、めちゃくちゃきれー!
・ビューティー加工撮影で、写真を撮るカップル。

モネ「いや、色味変わっちゃってるから…

僕  あっ


外へ出ると、夜。


友人
 モネの絵見てたからさ、
   リアルの景色が…
  ダサく見える?
友人 そこまでじゃないけど
   影の色とか、気になっちゃう
  なんかオシャレだな
友人 オシャレかな


上野から御徒町までゆっくりと歩く。
リアルに慣れるよう。

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