ヒダ ヒツキ|Hida*Hitsukï

ヒダ ヒツキ|Hida*Hitsukï

最近の記事

新聞店の怪しいニイカワさんと「世界のビールフェア」

『壊れたソニーのワープロと終わった長い片想い』で書いたけど、僕は26歳で名古屋から上京して半年ほど世田谷の新聞店で働いていた。 そこに「代配」としてやって来たのがニイカワさんだった。代配というのは、人手が足りない時などに新聞を配達する仕事で、あちこちの新聞店を渡り歩いて生活している人が多くて、僕のように真っ当な会社員をやっていた人間からすると、かなりアヤシイ人なのだ。 僕と同じアパートに住んでいた新聞配達一筋の遠藤さんが、代配は給料がいいけど、ワケアリな人ばかりだというよ

    • 壊れたソニーのワープロと終わった長い片想い

      昔好きだった女性とワープロの話。その女性は高校の同級生で、意を決して告白して、18歳の大晦日にきちんと振られたのだけど、彼女のことを忘れることができずに、22歳の夏に初めての海外旅行で行ったサイパンから帰ってきた勢いで、自宅に電話してファミレスで再会してから、26歳で上京するまでに何度か映画に行ったり食事をしていた。 25歳だったと思うけど、フリーライターを目指していた彼女はニュージーランドで生活して、その体験を書くというような企画を立てているのだと話してくれたことがあって

      • 節分に幼稚園で虐待された話

        もう50年以上前になる。私は名古屋市西区に今もある国風第一幼稚園に通っていた。今はどうだか知らないけど、クラスは「ゆり」とか「かんな」みたいに花の名前になっていて、年少か年長かわからないが、私はその「ゆり」と「かんな」の時に、鼻の横に大きなな黒子があるM野という40歳前後の女の先生から虐待を受けた。先に言っておくけど、性的なものでも肉体的なものでもなく、精神な虐待だ。 幼稚園時代の私は物覚えが悪く、クラスの園児達が普通にできることができなかった。例えば、クラスメイト達がいつ

        • 「こっっつ」駅

          ※だいぶ前に書いたものです。 夢の話というのは、聞かされる側からすれば面白くもなく、たいていは苦痛なものなのだけど、それを承知の上であえて書いてみる。 今朝方、目覚める直前に見ていた夢なのだけど、現実には成人しているのに、5、6歳の頃の娘と電車に乗っていた。 停車した木造の古い駅には、3畳くらいの小さな木造の売店があって、看板にはちょっとレトロな赤い字で「リリィ」と書いてあった。僕はそういう古めかしい店が大好物なのだけど、目的地があるようで、後日来ようと車窓から見える駅

        新聞店の怪しいニイカワさんと「世界のビールフェア」