学力がなければ、転校する!? 教育システムについてドイツ人に聞いたこと(No.1)
こんにちは。
私は、いまドイツで教育について研究をしています。
そんな中で、同僚のドイツ人たちと教育システムについて話をしました。
そのときに聞いたドイツの教育システムの現状について聞いたことを紹介しようと思います。
ドイツでは、なんと10歳で1回目の進路選択を行います。
6歳から10歳までは小学校です
(下の図ではPrimarbereichと表示されています。)
その後、様々な種類の学校から1つを選択します。
学校ごとに特徴があります。
例えば、「ギムナジウム(Gymnasium)」という学校を選ぶと、大学受験を見すえた高度な教育を受けることができます。下の図の真ん中あたりにあるGymnasiumの矢印のさきにはUniversität(大学)という矢印があるのがわかります。
他にも「レアルシューレ(Realschule)」という、公務員や技術者を目指す学校があります。もちろん、途中で編入することもできますが、そういう人は、限られているそうです。また、Realschuleの矢印の先にはUniversität(大学)はありませんね。
では、ここから、子どもの進路について、もう少し詳しく記します。
始めにも書きましたが「10歳で1回目の進路選択」を行います。
しかも、日本でいえば高校選択をするくらい重要な選択です。
工業高校に行くのか、普通科の高校にいくのかという選択と感覚的には同じです。
たとえば、もしレアルシューレ(Realschule)にいくと
大学までいく進路がほとんどなくなるのです。
進路に関しては、子どもの成績をもとに担任教師と親と子どもで面談をしながら決めます。
最終決定は、やはり子どもと親で決めます。
しかし、10歳の子どもに進路の判断ができるのでしょうか?
多くの親は、ギムナジウム(Gymnasium)に入れたいと願います。
ギムナジウム(Gymnasium)に行き、大学にいけたほうが、将来の職業選択の幅も増えるからです。
ですので、成績がギムナジウム(Gymnasium)でやっていけそうになくても、無理を通してギムナジウムに入学させるのです。
その結果、成績は悪くなり留年をします。
ドイツでは、小学校でも留年があります。
そして、私が聞いたドイツ人の同僚たちの話では、もしギムナジウムにいて通算で二回留年をした場合、ギムナジウム以外の学校に行かなくてはいけません。
例えば、ギムナジウムからレアルシューレに転校を余儀なくされます。
学力が十分身に付いていないのに進級する日本と
早く進路選択をして学力がなければ留年や転校があるドイツ
どちらのシステムがいいのでしょうか?
完璧なシステムなどないと考えている私にとっては、この質問は意味のないものです。しかし、既存のものを比べて、少しでも完璧を目指すことも大切だと考えています。
最近は、どんな教育がいいのか
毎日考え、結局わからなくなるという日々を過ごしています。
ですので、教育改革!と聞くと
その改革した教育は今のものよりいいものなのか?と思ってしまいます。
ですが、今のままでもいけないとも感じています。
noteでいろんな考えを読ませていただき
「なるほど」と思いながら懐疑的でいる自分は
教育を研究するものとして信念がなく
未熟だなと勝手に落ち込み
その愚痴をここで曝け出す残念な人間だと思います。
みなさんの理想の教育は何ですか?
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