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悪魔の輪!? 教育システムについてドイツ人に聞いたこと(No.2)

こんにちは。

私は、いまドイツで教育について研究をしています。
そんな中で、同僚のドイツ人たちと教育システムについて話をしました。

そのときに聞いたドイツの教育システムの現状について聞いたことを紹介しようと思います。

ドイツの教育システムについて

この1つ前の記事で、ドイツの教育システムを少しだけ
ご説明させていただきました。

この記事でも、ご紹介したのですが
ドイツでは10歳(小学4年生)で1回目の進路選択を行います。

日本でいう、普通科の進学校にあたるギムナジウム(Gymnasium)や
工業高校や商業高校のようなレアルシューレ(Realschule)や
その他にも、さまざまな学校があり、どこに行くのかを
10歳(小学4年生)で決めます。

前の記事で書いたことを、ざっくりまとめると
・親は、子どもに学力がなくても、一番大学に進学しやすいギムナジウム(Gymnasium)に入学させたい。
・もし、ギムナジウム(Gymnasium)で留年を2回すると、レアルシューレ(Realschule)などの学校へ転校しなくてはいけない。

です。

このように、子どもの学力と親の思いのギャップがあり
最終的には、子どもにとってつらい現実を突きつけられてしまうような状況が生まれています。

「親がまったく子どもの進路に関心がない」


今回の記事は
「親がまったく子どもの進路に関心がない」
という場合に生まれてしまう状況をお伝えします。

親が子どもの進路に全く興味がない場合、10歳(小学4年生)のときに行われる進路指導のときに、親や子どもは教師がアドバイスする通りに進路選択をします。

ここまで聞けば
「なんだ、先生がアドバイスしてくれるなら問題ないじゃん」
と思いますよね。
私もそう思いました。
しかし、問題は、もっと根が深いようです。

そもそも、小学4年生の子どもだけでは、進路選択は難しいです。
そのため、普通なら親はとても気にかけて進路について考えます

「子どもの進路に興味がない」という親は、そもそも
自分の子どもの将来についても興味がないと言えてしまいます。
ですので、家で一緒に宿題をしたり、家庭教師を子どものために雇うことなどしません。(ドイツに日本のような塾はほとんどありません)

家庭に勉強する環境のない子どもは、どうなるでしょうか?
勉強をする習慣がなくなります。
そして学力は伸びません。
ですので、進学校であるギムナジウムにいく学力を身に着けることはできません。
そうして、子どもが大学へ進学する可能性が低くなってしまいます。

皆さんは、この「子どもの進路に興味がない親」を責めますか?

私の同僚は、この親も「子どもの進路に興味がない親」に育てられた可能性が高いと言っていました。
そう考えると、その親を一方的に責められないなと思いました。
さらに、ドイツは移民を多く受け入れています。
ですので、移民としてきた親は、子どもの教育を充実させたいと思っているが、言語の問題や人脈といった原因で、子どもをサポートできない場合もあります

このように、いろんな原因で
高い教育レベルの学校になかなか行けなくなってしまう家系ができる
負のスパイラルが生まれてしまう
のです。

ドイツ人は、これを
「悪魔の輪 (Teu­fels­kreis:トイフェルスクライス) 」と呼びます。

この輪を断ち切りたいと話していました。

もちろん、大学に行くことがすべてではないですし、ギムナジウムに行かなくても、努力次第で、大学に行くことができます

しかし、小学4年生の時点で、子どもは自分の進路を決めることは、その子の人生に大きな影響を与えます。学校ごとに学習環境やレベルも違います。
周りの環境に逆らって、自力で進路を切り開いていくことは難しいのではないかなと考えてしまいます。

この話を聞いたとき、意外と日本の教育システムはいいのかなと感じました。少なくとも(建前上ですが)中学三年生までは、同じクオリティの教育を受けることができます。
15歳まで自分なりに人生を考えることができます。
ですが、日本にも「悪魔の輪」現象があると思います。

極論を言えば、「自分が頑張れば、教育システムなど関係ない!」

のかも、、、しれません。
しかし、自分で頑張るというのも、、、、難しいです、、、

相変わらず、自分の意見がはっきりしなくて、だめですね(;^ω^)







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