最後の医者は桜を見上げて君を想う

小説家 二宮敦人さんの小説。

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病院では「死」は日常。

白血病の会社員・ALSの大学生・下咽頭癌の医者それぞれの「死」に対し、3人の医者と各患者の感情が伝わってくる作品。


医者も人間なので、患者の接し方にはそれぞれの思いがある。

余命の宣告や、最期を看取ることなど、自分や家族に置き換えて考えさせられる。

最終的には本人の決断である。

今考えても、おそらく「その時」とは答えが違うこともあるだろう。

なぜなら、今は明日もあることを前提に生きているから。


「死」に直面すると、諦めること・振り返ること・死までの生き方・死との向き合い方・死に方、など状況によって変化がある。


医者にも患者との向き合い方がある。

「死」を伝えるか・治療はどうするか・患者をどうしたいのかなど。

そして、生きる道と死への道をどう患者と歩くか。


本書を読んだときに一番初めに読んで欲しいと思ったのは、医療関係者。

日常である「死」について、あらためて本書から感じることもあると思う。

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表紙がイラストなのでアニメ化されると考えていたが、映画化が企画されている本作品。

続編もあるので、次も噛み締めて読みたいと思います。


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