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スタートアップが感じた最初の壁

株式会社ブレーンバディ執行役員CHROの永井です。今回は、当社が初めて感じた組織の壁を振り返っていきます。スタートアップ・ベンチャーで人材・組織開発に関わるみなさんは、「〇〇人の壁」という表現をよく耳にするのではないでしょうか?今回は、そんなよく聞く組織の壁をテーマに人材・組織開発についてみなさんと考えていければ嬉しいです。

最初に感じた組織の壁とは

一番最初に感じた壁は、創業メンバーと中途メンバーの壁です。ただ、当社に、大きな壁として立ちはだかったという訳ではないです。ただ、この壁を無視すると組織が一気に壊れる可能性を感じたのがリアルです。
そのため、今回はその壁について振り返り、創業期の組織づくりに少しでも役立てていただければ嬉しいです。

なぜ組織の壁となるのか

中途メンバーが入社するタイミングで感じた違和感や、問題になり得る要素は以下です。今回は、特に注意すべき3点をご紹介します。

①社内の制度や体制が整い切ってないことよる中途メンバーの不安
②創業メンバーからの過剰な期待
③知っている情報量の格差

①社内の制度や体制が整い切ってないことよる中途メンバーの不安

創業初期の会社を、リアルに見たり経験したりしたことがある方は少ないのではないでしょうか?リアルは、みなさんが思っている数倍もカオスな状態です。社内規程やルールがなかったり、あっても明文化されていなかったり。ルールに限らず、一般的な会社にあるべきものが存在しないケースは、多々あります。当社は、創業期から比較的ルールなどの決め事は明文化していたので幸い、大きな問題とはなりませんでした。ただ、細かい部分で決まり事化していないものや、体制として整備できていなかったものももちろんあり、中途メンバーを不安にさせたことが何度もあったと思います。
ここで注意すべきは、単に「制度やルールを整備しましょう」という話ではなく、この状況に対するそれぞれの立場での捉え方が異なるということです。当社で言うと、創業メンバーは「これまで無かったから新しく創ろう!」というカオスを整備しながら前に進むマインドがある程度定着していました。しかし、中途メンバーにとっては、「あるべきものが無いからどうして良いかわからない。」「会社として大丈夫かな?」などと感じる人もいただろうなと感じています。
前回のnoteで紹介しましたが、人間には欠乏欲求というものが存在します。会社としての安全性や大切にされていないと感じてしまうと、成長に向き合うことができない人もいると思います。また、人間は空白(思考のスキマ)を嫌い、自分で勝手にその空白埋める習性があります。そのため、新しく入ったメンバーにとって、カオスな状況は、創業メンバーと異なった感覚に陥る可能性が高いことを振り返ると理解できます。

②創業メンバーからの過剰な期待

創業メンバーにとって、初期に入ってくるメンバーはまるで救世主のように見えます。初期になればなるほど、人の採用には慎重です。それ故に、ギリギリまで既存のメンバーで耐えようとすることが多いと思います。そうすると、限界を超えて走っている創業メンバーにとって新メンバーは待望かつ期待の星です。
ただし、ここにも大きな落とし穴が存在します。それは、入ってくるメンバーが、自分達と全く同じマインドを持ち合わせていると勝手に解釈をすることです。少しドライに聞こえるかもしれませんが、創業メンバーと全く同じマインドで入社してくることは、ほとんど無いと思います。その理由は、リアルを経験していないからです。新しく入ってくるメンバーが悪い訳ではなく、経験していないから当然だと思います。この前提条件を創業メンバーが正しく捉えないと、お互いが不幸になる結果が生まれます。

③知っている情報量の格差

最後は、情報量の格差です。当たり前ではありますが、入ってくるメンバーと既存メンバーとの間には、知っている情報量に格差が生じます。特に創業初期は、スピードを上げるために属人的に仕事をすることが多いです。なおかつ、変化スピードも速く流れていく情報量は膨大です。また、その情報が創業メンバー間の暗黙知化されているケースも多いと思います。この情報量の格差が思っている以上に入ってくるメンバーを苦しめます。入ってきたメンバーからすると、「知っていて当然でしょ?」の空気は居心地が悪いと思います。
小さなことに感じ入るかもしれませんが、組織のバグは思考の中にあることが多いです。情報の非対称性は、バグを発生する大きな要素です。
そのため当社でも、情報量の格差を減らすことには今も注力しています。

組織の壁が起こる理由

組織の壁という言葉はよく聞きますが、振り返ってみると、意外と当たり前のことが壁を引き起こす要因になっていることが多いと感じました。例えば、30人の壁というのも、人がマネジメントできる人数には限界があることを理解していれば大枠イメージできます。
だからこそ、組織をつくる人間は、諸先輩方から学ぶことや人間・組織の原理原則を理解することが極めて重要だと強く感じています。スタートアップの初期は、日々ハードシングスに向き合うことになります。組織が急拡大すればその分問題も大量に発生する可能性があります。できる予防は最大限にして、発生しても最小限の被害に抑えられるかどうかは人事の力量だと思っています。自分自身も引き続き学び続け、働くみんなが幸せになれて、会社の目的を実現できるように組織づくりに取り組んでいければと思います。


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