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伝統派武道が改めてMMAで評価される?

格闘技は、いわゆる伝統派の武道(古武道など)と呼ばれる日本古来格闘技ベースとボクシング、レスリングなど海外の格闘技ベースにわかれる。

初期のUFCではブラジリアン柔術を使ってホイス・グレイシーが優勝した。ブラジリアン柔術は、日本人柔道家・前田光世が他流試合などで修得した技術や柔道の技術をカーロス・グレイシー、ジュルジ・グレイシーに伝え、ホイスやヒクソンの父であるエリオへと代々受け継がれた格闘技だ。

ブラジリアン柔術は、完全なバーリトゥード(なんでもあり)を前提とした格闘技で、伝統派武道の立ち合いと同じだ。

単純に殴る、倒すといった喧嘩ファイトをする選手が多い中、総合的な武道とブラジリアン柔術を使って戦い、初期のUFCでホイスは無類の強さを示した。

進化するMMA

UFCでは、オープンフィンガーグローブ着用、肘ありというユニファイドルールが出来るようになるとブラジリアン柔術の寝技全盛期が終わる。

打撃の時代

オープンフィンガーグローブを着用したことでパンチが撃ち抜けるようになり、スタンディングでのボクシング力が試されるようになった。もちろん寝技はある程度出来ない選手はUFCではほとんど勝てない。例外はチャック・リデルくらいだろう。

リングではキックボクシングの選手も多く活躍していたが、このころのUFC(ケージ)ではボクシング力が試されていた。パンチでKOするか、ダウンをとってパウンドで決める展開が多かった。

最新のMMAはレスリング力

そして現在もっとも必要とされるのが、レスリング力だ。MMAとして競技が確立し、「多くの選手がケージ内でどう戦うかを戦略的に考える」ようになり、競技が進化していってる。

ケージでの戦いでは、レスリングのタックルが非常に有効で、タックルで相手を押し込んでもロープのようにリング外に出てしまうことはないので、UFCでは昔から多用されていたが、打撃を優先する時代に埋もれていた。

現在はケージに押し付けている状態からレスリングのスラム(投げ)、足をかけてのテイクダウンなどでポイントが稼ぎつつフィニッシュするのが主流だ。

倒した相手は、抑え込んで肘やパンチで削って行くことが可能だ。柔術の対策もされており、押さえ込みの技術も進化しているので単純にアマチュアレスリングが強いからレスリング力があるというわけではないのがポイントだ。

UFCの現ヘビー級、ライトヘビー級の二階級同時制覇のダニエル・コーミエもオリンピックのレスリングアメリカ代表(試合は不戦敗)で、アメリカのレスリング選手権を制覇するほどの実績があっても、MMAではキング・オブ・ザ・ケージやStrikeforceを経てUFCにたどり着いた。

アマチュアレスリングをベースにMMAにフィットしたレスリング力で世界最強のMMAファイターになった。

これが現在のMMAであり、海外の格闘技のベースが進化したものだ。

武道がMMAにフィットして制圧する?

では、日本古来の武道はどうだろう?

武道の中でも空手出身のMMAファイターといえば、少し前で言えばジョルジュ・サンピエール、最先端の選手は堀口恭司だ。

ジョルジュ・サンピエールは、UFCではウェルター級、ミドル級の二階級を制覇しており、特にウェルター級で怪我をして長期欠場するまでは「MMAを進化させた男」と呼ばれるほどに完成されたMMAファイターだった。

ただジョルジュ・サンピエールの場合は、極真空手だけでなく早い時期からレスリングやブラジリアン柔術、ボクシングを学んでいるので、どこにベースがあるのかよくわからないが、日の丸のはちまきを巻いて道着を着て入場していたので、空手がベースだと思いたい。

アントニオ猪木が日本に連れてきたことがあったリョート・マチダも空手出身のファイターだ。

リョート・マチダは構えからして空手そのもので、前蹴りやいわゆる突きを活かした戦いをUFCで実践した。ライトヘビー級、ミドル級とタイトルマッチに挑戦した。

リョート・マチダのタイトル戴冠について、コメントが有りましたので調べ直したところ、UFC98でラシャド・エヴァンスからライトヘビー級タイトルを奪取していました。追記させていただきました。

堀口恭司という伝統派空手の最高傑作

堀口恭司は、幼い頃から長く続けてきた伝統派空手のスタイルを活かしつつ、MMAにフィットした武道出身者の最高傑作だ。日本では修斗でアマチュア、プロと実績を積み、UFCへ移籍。合わせて所属ジムもクレイジービーからアメリカン・トップ・チームに移籍している。

伝統派空手では寸止めだった遠い間合いから飛び込み突きが、そのままMMAで活かされた戦い方をしている。

UFCでは、日本人最高のフライ級3位、UFCフライ級王者でパウンド・フォー・パウンドランキングでもトップだったDJこと、デメトリアス・ジョンソンに挑戦し、唯一の敗北。

RIZINに移籍後はバンタム級に階級を上げてバンタム級GPを制した。

今度も伝統派からプロファイターが続々と登場する?

MMAではジョルジュ・サンピエール、リョート・マチダ、堀口恭司が伝統派空手の強さを体現したが、柔道であれば吉田秀彦、小川直也、ロンダ・ラウジーがいる。

今後も空手もオリンピック種目になってしまったが、オリンピックを目指すのもいいが、伝統派空手からMMAに挑戦する選手が増えることを期待する。

個人的には空手以外の武道、特に合気道や古流柔術をベースにした選手がMMAで活躍するのを見てみたいと期待してしまう。カーロス・ニュートンは合気道をやっていたが極めてはいない。

塩田剛三が生きていたら。なんて思ってしまうのが格闘技のロマンですね。

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フリーランスのPM/ディレクター格闘技マガジンを作りました。観戦記、コラムなどをnoteに掲載していきます。写真はTwitterの埋め込みか、自分で撮影したものしかないので写真の掲載は期待しないでください笑

格闘技コラム

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コメント2件

すごく共感できるのですが、リョートはラシャドエバンスの勝って戴冠しています。すんません、どーしても気になっちゃいました。
おっと、ご指摘ありがとうございます。戦績うる覚えだったので、wikiを見て書いたので後ほど訂正させていただきます。
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