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書き遺すということ

義祖父さんが生前したためていた小説は無事に本に出来ました。

自費出版から手製本まで色々アドバイスを頂き感謝です。

孫である主人と話し合い、形見分けという意味を込めて、遺品となる紙原稿をそのままスキャンして製本してくださるサービスを利用しました。

シンプルな丁装を選びましたが、とても品よく仕上がって感謝です。

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原稿も丁寧に扱っていただき、返却もしていただけました。

義祖父さんの手書きの題字や、修正書きなどそのままの貴重な本は、孫を中心とした親族の方へお渡ししました。

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「俺は親父に認められなかった。俺はいらない人間だった。」

そう、ぽつりと寂しそうに語ってくださっていた、そのご実家とご兄弟とのお話でした。

末期癌になり、死期を悟って語ってくださったのだろうと、私も受け取っていて。

社会人になるまで同居していた主人が、大学生時代に門限は10時までと定められたりと、生前、生真面目すぎるお祖父さんと色々あり、長い間ずっと嫌がり避けていたので。

血縁のない私がこの話を聞いてしまって良かったのだろうかとも思いましたが、結果として主人にこのことを話した際に、本にしてあげたいと言ってくれたので、その橋渡しを出来たことは良かったのかなと。

国鉄で勤め上げ、真面目で勤勉で倹約家で。でも不器用で。

言葉でのコミュニケーションがなかなか上手くいかなかった分、文章をしたためることで自分の思いを伝えたかったのだろうとも。

家族であっても、家族だからこそ、分かり合えなかったり、伝わらなかったり。

義祖父さんが書き遺してくださったものを通して、ほんの少しでも思いが伝わってくれたらよいなと。

そう願います。


義祖父さん、どうぞ安らかに、安らかに。

先立たれた奥様とお嬢様2人と再会して、温かな世界でどうか見守っていて下さい。




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