三叉路の供物

近所の交通事故現場にお供え物が置かれたことがありました。といっても、その事故で死者は出ていません。

現場は住宅地のはずれの三叉路。軽自動車がT字の突き当りに突っ込み、そこに立っていたカーブミラーをへし折りながら大破。派手な事故でしたが、不幸中の幸い、車に一人で乗っていた運転手は軽傷で済みました。

翌日には事故現場はすっかり片付けられ、近所の野次馬も落ち着き、ほとんど普段どおりに戻りました。折れ

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ありがとうございます。
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名前と弔い

非難の声こそあれど、それはそれで。分からないわけではない。

名前の報道によって、世間で、社会全体で、人を弔う機会や空気を生み出すというこれまでやってきた「役割」をそのまま担い続けようとしたのかもしれない、と考えた。

名前が出ないと弔えないのかというとそういうわけではないけど、名前がある事で弔う相手がよりはっきりとするのだろう、と考えた。

家族やパートナー以外の人が安否を確認するのに「一番早い

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"Adventures on foot"
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funeral

歌はみな、
遠くの果てに消えていってしまった

一人残された私は何処、
鳥が飛び立つ様を見ていた

忘れゆく想いはたくさんあれど、
何度も聞いたあなたの声だけは

風のない夜の凪
金色に光るリスの尻尾
舞い戻ってきた手紙の温かさと、
二度と触れられぬ手

変わらないでいると誓った声が
今でも耳に響いている

終わらないでと泣いた夜に
朽ち果てそうなこの煉瓦の塔の中で

静かに時は過ぎ、
海の歌が止

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良い今日を!
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甘くて冷たい、新しい夏

おじいちゃんの戒名に「夏」の文字が付いた。

幸いなことに、27年間の人生でわたしのまわりには不幸がなかったのだけれど、初めて亡くした身内の祖父を乗せた黒い車は、強い日差しに照らされてわたしの前から遠ざかって行った。
わたしの27年の平穏が、一緒に去っていった気がした。

その夏、6年くらい交際していた人と別れることを決め、部屋を探し、水面下で引っ越しの準備を進めていた。
朝~日中は大きな窓から逃

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292 弔い

292日目。

先日亡くなった友人のことを、時折思い出す。
仕事中にいきなり、何のまえぶれもなく喉に何か詰まったように込み上げて泣きそうになる。

わたしは彼女と出会った追っかけの現場に行かなくなって、たぶんこれからも行かない。
そこで出会った人たちとは、偶然ばったりする以外にこの先に会うことはないと思う。
だから彼女も「これから会う予定のない、かつての友人」だった。
心の中の彼女の存在感や彼女へ

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ありがとう!……好きです!(ノ´∀`*)
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11ヶ月目

愛しき友が旅立って11ヶ月目。

あれから何かが劇的に変わった訳ではないけれど、一日一日を大切に過ごしていると胸張って言えるほどでもないけれど、出来るだけ自分に嘘をつかないように心がけている。

誰でも無条件に爺さん婆さんになれる訳ではないから。

最近も血液検査で骨髄球が出て再検査した。
最終的には問題なかったけれど、ちょっとググってみたら恐ろしい病気のことが書かれたサイトばかり引っかかった。

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【訂正あり】「弔いと生活 ~死をめぐる現在をとらえる」 日本生活学会公開シンポジウムより

〇はじめに

日本生活学会公開シンポジウム

「弔いと生活 ~死をめぐる現在をとらえる~」

先々週末に、都内の大学で開かれたシンポジウムを聴講してきました。登壇されたのは以下の方々

・「無葬社会」の慣れの果て(鵜飼秀徳さん/浄土宗総合研究所嘱託研究員・佛教大学・東京農業大学非常勤講師)
・「伝統的」葬墓制の近代性について(土居浩さん/ものつくり大学准教授)
・海洋散骨の現状と広まっている背景(

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グリーフサポートに興味を持っていただけたら幸いです
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「ともいき堂」に重ねる自分の看取りとその後について

〇はじめに

はや3週間前となりますが、大阪の大蓮寺さん&應典院さんにて開催された「ともいき堂」さんの落成記念法要に参加させていただきました

お堂の落成記念法要、と呼ばれるのものへの参加自体が初めてのこと。どんな格好で行けばよいのかも分からずで。当日はドキドキしながらでの参加でした

今回はその「ともいき堂」さんの落成と、その後に行われたシンポジウムを通じて感じた自分の看取りと。その後について、

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記憶の導火線となる写真集

『THE ABSENCE OF TWO』(青幻舎)を出された、写真家・吉田亮人さんに話を聞いた(前編)

聞くひと/朝山実(今回は撮影も)

 スーパーで手をつなぐ写真や、縁側でふたりがいる写真。『THE ABSENCE OF TWO』に収められているのは、まったく知らない「若者とばあちゃん」なのだが、なんだか親しみを覚えてしまう。
 写真家の吉田亮人さんにお会いしたのは昨年12月、東京・墨田区の

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やがて日常に変わりゆく

2月11日、世界から重さが2.02kg減った。
人間の魂の重さは21gってオカルティックな通説に倣うなら、そこにプラス3gくらい。

可愛かったねえ ずっとかわいいよ
空き地で拾った時からおよそ10年、今もずっとかわいい
ふわふわでもちもち 痩せても顔の形は丸いままだったの面白いな 骨が丸いのかな(2/13追記:本当に頬の骨が丸かった…。)

色々頑張ってえらい猫だった。
連日の通院も点滴も注射も

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やったー
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