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傍にいる理由 -男と女の睦言ー

男と女の睦言

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男と女の一問一答
女の問い掛けに答える男
二人の何気ない掛け合いを通して
綴られれる

小さな物語


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きっと、
何か悲しいことがあったのかも知れない。
女はソファーに深く腰掛けて、
溜息を吐いた。

うつむく女の頬に薄っすらと、
涙の跡が見える。

男はキッチンの換気扇の下で煙草を咥えながら、
静かに女を見つめていた。

女は男に尋ねた。

「あなたは何故
わたしの傍にいてくれるの」

男は、


ずっと昔、
生まれるずっとずっと前に、
誰かに言われたんだ。

いつか、
君が悲しいとき、寂しいとき、哀しいとき、
苦しいとき、泣きたくなったとき、

誰かに傍にいて欲しいとき、

そんなときには、
他の誰かじゃなく、
必ずあなたが傍にいてあげなさい。

そう言われたんだ。

ずっと昔に、
生まれるずっとずっと前に、
誰かにそう言われたんだ。

だから、だよ。


そう答えた。

女は男を見つめ、
頬に伝う涙を拭いながら言った。

「それ以外のときでも、
ずっと、
傍にいてよ」

男は笑ってうなずき、
ふーっと煙草の煙を吐き出した。



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第1話から5話までは無料。 第5話から10話までは有料となっています。 マガジンで購入すると2話分がお得になります。

男と女の一問一答。 二人の会話から生まれる小さな物語。 1分で読める超短編小説の詰め合わせ。 少し大人な、そして甘い二人の幸せなやり取り。…

「一場面小説」という日常の中の一コマを切り取った1分程度で読めるような短い物語を書いています。稚拙な文章や表現でお恥ずかしい限りではありますが、自分なりのジャンルとして綴り続けていきたいと思います。宜しくお願いします。