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東洋医学講座 274

〇脾と胃

▽脾と胃の関係と働き

▼〝腎補脾整〟の治療法

飲食が胃に入ることは、鍋で物を煮炊きするのと似ています。つまり、胃は火力をもって煮炊きし、脾力によってそれが養われて、形づくられていくものであります。その火力というものは腎力が根底にあり、心力の相火の力であります。鍋が胃に当たるならば、火力は腎に当たります。この腎力がないと煮炊きは不可能です。体力が落ちれば火力も落ちるので、火力に合わせた食物の量、質を考えることが必要になります。

また、火力を強めるためには腎を補うことが第一で、そのためには脾を整えることが大切です。いくら立派な鍋(胃)があっても、火力がなければ煮炊き(消化)はできません。ものは簡単に食べられますが、消化はそうはいかないことが多くあります。消化力を高めるには火力を強くすればいいので、腎を補うことが優先されることになります。脾を整えるということは、火力に合わせた食物の量や質、それから季節に合った質の物をとることなども含まれています。

治療には腎補脾整が欠かせません。脾を始めに整えるよりも、まずは補腎をして、その後に脾を整えるほうが脾剋腎になりません。ただし、その前に食を絶って、脾力を瀉す必要があります。

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