はり・きゅう専門 ひごころ治療院

新丸子・武蔵小杉のひごころ治療院でございます。地域の健康を支える鍼灸院。あなたの健康を…

はり・きゅう専門 ひごころ治療院

新丸子・武蔵小杉のひごころ治療院でございます。地域の健康を支える鍼灸院。あなたの健康をカスタムメイド。伝統と最新の科学を融合した治療で心身のバランスを整える治療を提供します。 ネット予約は http://higokoro.com/reserve

最近の記事

東洋医学講座 285

〇五味の生成土の中からつくられている甘味は土質の持つ味で、この土性の甘味質が四季作用にあって他の味質をつくっています。 酸味は、春・朝の大気作用に化生された味 苦味は、夏・昼の大気作用に化生された味 辛味は、秋・夕の大気作用に化生された味 塩味は、冬・夜の大気作用に化生された味 ▽五味との働きと人体 ▼五気と五味 地球の自転公転により、春夏秋冬と二十四時の五気があります。これらが交互に地上に働きかけ、天地交合して人気が生じ、その人気として生じたものがすなわち五味であり

    • 東洋医学講座 284

      〇脾と甘味『素問』に「天は人を養うに五気をもってし、地は人を養うに五味をもってす」とあり、体形の生ずる本(もと)は、酸味・苦味・甘味・辛味・塩味のうち、人体で一番量を必要としているのが甘味であって、その他の四味は比較的少量で良いとしています。 五味は五臓を栄養するといわれ、甘味は脾を栄養するので、脾の占める分野は全身のほとんどであることからも、甘味を大量に必要なことがうかがえます。 脾は最も多く必要とする甘味すなわち糖質は、含水炭素で人間が主食としている米・パン・麺類をは

      • 東洋医学講座 283

        〇脾と思慮▽脾と思慮の関係と働き 脾と思慮の関係でありますが、思慮とは、文字通り思い憂うること、思慮・憂慮ということであります。いずれにしろ、脾は精神的な問題から切り離して考えることは難しいのであります。思うと言うことと考えるということは少し違いますが、どのように違うかはっきり分けるとなれば、一瞬戸惑うかと思います。根っこは一つであるが故にとくに難しいわけであります。 考えるということは、知恵を使い、腎気を使います。一方、思うということは、いわゆる表面的な働き、つまり感情

        • 東洋医学講座 282

          〇脾と思慮思いつめる、考え込む、憂い悩むなどの深い思考をしますと、体内に深く流れている気がひとつに止まって、動きが鈍くなります。気が止まれば、血の流れも停滞しやすくなり、気血を鈍らせ、消化運動も鈍り、脾化を傷つけます。 あまり考えもしないで、性急な行動をとる人は、肝と心が脾・肺・腎より旺盛で、陰陽のバランスがとれていない人であります。また、沈黙の人は、肺・腎が旺盛な人であります。 脾は陰陽の両気を持っていて、脾が強く働くと、動的な陽の心を陰の沈静の方に引きとめようとします

          東洋医学講座 281

          〇脾と涎(よだれ)▽涎は消化力に関係する 脾・胃は消化体なので、消化液が必要になります。希釈液の多い涎も消化液の一種であります。脾・胃の門は口腔であり、口腔は第一の消化器であります。物はよく噛んで食べる必要がありますが、これは消化液の分泌を促進する役目も果たしています。 胃が悪くなったときは、柔らかいお粥より固いご飯を少量だけ噛んでたべるのが良いのであります。本当は何も食べないほうが良いのですが、柔らかいものばかり食べていたのでは、胃の働きがどんどん低下してしまいます。体

          睡眠と病因

          睡眠と病因〇睡眠と休養 最高の休養は睡眠することであります。睡眠には、睡眠のとり方、時間数、時間帯があります。 まず、睡眠方法でありますが、板の間のような硬いものの上に寝る方がよいとされています。しかし、体の下側に面する背中や尻などの一部にだけ体重がかかると、そこだけが血液の循環が悪くなるのでよくありません。 また、あまり柔らかくふわふわしたものの上でも、背中が曲がりよくありません。 床に接する部分だけに体重がかからず、なおかつ背中が曲がらないものがよいとされます。

          東洋医学講座 280

          〇脾と涎(よだれ)脾・胃の門は口腔であり、口腔は第一消化器であります。この口腔には、耳下腺、顎下腺、舌下線の大唾液腺と、口唇腺、頬線、臼歯腺、口蓋腺、舌腺の小唾液腺があり、消化液、粘着液(飲食をまとめる)、希釈液(洗浄性)を滲出させています。 涎は子供に多く、幼少期の消化力の旺盛なことも示すもので、いずれにしても腎精体より脾化体に生育しようとする力が旺盛なため、脾力が盛んに働き、唾液も多く、涎として外に流出するのであります。 また、子供は何でも口にするので、とくに希釈液が

          東洋医学講座 279

          〇脾と肌肉▽人体おける大地〝脾体〟 ▼食事と人体の生成 脾気の働きは、日常においては食事であります。胃腸を使う働きというのは脾気であり、食事として口に入れてよく噛むということは、物体を殺滅するということになります。 先人は「一剋なくして一生なし」といっていますが、これはある物質を殺滅することによって人間の生命を得るということです。何のために殺滅が行われるのかといえば、それは新しい生命を得るためであります。これは一種の変化の作用です。つまり、人間はいつも同じではなく、昨日

          東洋医学講座 278

          〇脾と肌肉▽人体おける大地〝脾体〟 ▼肌肉とは〝脾体〟の総称 図のように、自然界において大地とは形を成しているものであり、もともとはどのような働きでできているかといいますと、まず陰の宇宙の冷気とそこに何らかの原因で発生した微熱によって、冷気と暖気のぶつかり合いが生じ、大気が動き始めて旋回します。その旋回によって生ずる熱気によって物体化されたものが、いわゆる大地であります。つまり、形とは陰と陽、冷気と熱気からつくられているわけであります。 地球の生成を考えますと、中心はも

          東洋医学講座 277

          〇脾と肌肉脾は、太極的にみますと全身の肉体部分すべてであり、天地に当てると、全肉体が大地であり、その地上地中において四季を成す働きが天気であります。  脾気  春気・・・肝気 (大地) 夏気・・・心気      土気・・・脾気      春気・・・肺気      冬気・・・腎気 例えば、肝臓という臓器は脾の一部で、そこに肝気が間借りしているのであります。筋肉自体は脾でありますが、その働きは、肝によって行われます。だいたいにおいて肌肉とは、四肢をはじめとした皮下組織、筋肉層

          東洋医学講座 276

          〇脾と口唇▽口唇の診断の仕方 目が心の窓であるならば、口唇は消化器の門であり、脾胃の華であり、その栄気は口に通じて五味を知覚します。口気は鼻柱を昇って走り、眉間の印堂部に通じ、印堂から脳に通じています。鼻は「花」なりといわれ、鼻全体は脾力をみるところですが、口唇も一枚の花に当たり、やはりここでも脾の状況が分かります。 口腔から肛門まで一つの臓器とみれば、口唇はその消化管の門にあたり、その色が悪ければ、消化管の機能の不調を示し、脾の働きが悪いことが分かります。 次に、口唇

          東洋医学講座 275

          〇脾と口唇口は脾胃の竅、唇は脾胃の華、その栄気は口から入り、五味を知覚し、神気は鼻柱を上って、印堂に応じています。 観相の顔面、五官部位では、鼻全体を脾とみていますが、その葉や花に当たるところが口唇です。 もっとも口唇は、消化器系全体の外開部唯一のところで、いわば消化器の門であります。 口唇から肛門まで消化器体を一つの胃体と考えれば、口唇は胃門であり、胃体の一部であり、胃の枝葉であります。 その枝葉の色が悪ければ、胃体も同じく不調であり、それを司る脾も不調なのです。

          東洋医学講座 274

          〇脾と胃 ▽脾と胃の関係と働き ▼〝腎補脾整〟の治療法 飲食が胃に入ることは、鍋で物を煮炊きするのと似ています。つまり、胃は火力をもって煮炊きし、脾力によってそれが養われて、形づくられていくものであります。その火力というものは腎力が根底にあり、心力の相火の力であります。鍋が胃に当たるならば、火力は腎に当たります。この腎力がないと煮炊きは不可能です。体力が落ちれば火力も落ちるので、火力に合わせた食物の量、質を考えることが必要になります。 また、火力を強めるためには腎を補

          東洋医学講座 273

          〇脾と胃▽脾と胃の関係と働き ▼脾・胃に障害が起きたら… 胃には飲食物の栄養が、水が海に集まるような様から〝水穀の海〟といわれています。ここで胃気が生じ、この気に脾が働き、それが原気となって各器官・組織を営々します。したがって、脾は人体の母ともいえます。つまり、先天の腎精を育むのは、脾の司るところであります。脾の元気が各臓に配分され、そして各臓の精選された純気を腎に収め、それで、先天の腎気を育みます。したがって、脾・胃に障害が起こったとしたら、まず脾・胃を治さないと他のい

          東洋医学講座 272

          〇脾と胃▽脾と胃の関係と働き ▼脾と胃は兄妹関係 脾と胃は〝倉廩の官〟であるといわれていて、倉廩(そうりん)とは食料を入れる倉のことで、栄養系統を司るところであります。そして、胃は食物を化生し、脾はそれを各臓器組織に分配し、三焦の働きを司っています。脾・胃は土系なので、五臓のバックボーンとなって五臓の気を養っています。 『黄帝内経』では、六腑を倉廩の本としています。六腑を木火土金水に割りますと、木は胆のう、火は小腸、土は胃、金は大腸、水が膀胱と配分されます。ただ、前者四

          東洋医学講座 271

          〇脾と胃脾と胃は倉廩(米倉・飲食を司る)の官に属し、五味を化生し、各組織に配分します。 胃は五味化生を主に行い、脾はこれを配分して五臓の気を養うといわれています。 『黄帝内経』では、六腑を倉廩の本(もと)としています。 (消化器) 木・・・胆 火・・・小腸 土・・・胃 金・・・大腸 水・・・膀胱 六腑倉廩の本は、五味を化生するための役割を果たしています。これらの六腑の胃気、陽気をはじめとした精気が脾の力によって各機能に配分されていきます。 したがって、脾は中央に位し