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東洋医学講座 275

〇脾と口唇

口は脾胃の竅、唇は脾胃の華、その栄気は口から入り、五味を知覚し、神気は鼻柱を上って、印堂に応じています。

観相の顔面、五官部位では、鼻全体を脾とみていますが、その葉や花に当たるところが口唇です。

もっとも口唇は、消化器系全体の外開部唯一のところで、いわば消化器の門であります。

口唇から肛門まで消化器体を一つの胃体と考えれば、口唇は胃門であり、胃体の一部であり、胃の枝葉であります。

その枝葉の色が悪ければ、胃体も同じく不調であり、それを司る脾も不調なのです。

≪口唇の診断例≫

①口唇の乾きは、胃熱があり、胃炎の兆し。
②口唇の皮膚、はしゃぎ、荒れるは、胃炎。
③口角の荒れ、胃障害(多くは過食か、胃熱からくる)。
④口唇の黒色、胃腸が悪く痔疾。
⑤口唇が黒く、ネバネバしているもの、痔疾または性器疾患あり。
⑥口が大きく、上下唇が適当に厚くて締まりあり、血色の良いものは脾胃健全。
⑦口の小さきものは、脾胃機能弱小。
⑧上下唇の薄いものは、薄情にて多弁、脾胃も弱く、辛口を好む。
⑨上下唇の厚いものは、脾胃が丈夫で、厚情に過ぎ、情に溺れやすい。口が重く、気が向くとよくしゃべる。甘味を好み、酒を飲むと強い。
⑩歪んだ口は、子宮異変、前後屈、月経困難症、頭痛、ヒステリーなど。顔面麻痺の場合もあるが、概して素直でない、偏人。
⑪唇、黄色いのは脾が病んでいる。とくに口唇は、土中の水にして腎に深く関連している。口唇の変化は脾と腎の合体した病変である。


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