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-茶摘み- 夏も近づく八十八夜。

「夏も近づく八十八夜。野にも山にも若葉が茂る。」

立春から数えて八十八日目。古い歌にもあるように、今日は茶摘みです。

この頃になると朝の冷え込みがなくなり、霜が降りなくなる時期なので農家にとっては植え付け、種まきの目安となる日だったそうですね(八十八夜の別れ霜)。

また、八十八は、末広がりの「八」が二つあることから、縁起が良いとされ、八十八夜に摘んだ新茶は不老長寿の縁起物とされたそうです。

さてさて。あまり早く出かけると茶葉が朝露で濡れてるので、お茶でも飲んでゆっくり出かけましょう(笑 

はい、お茶を飲んで二度寝してる間に朝露も飛びました。

この辺りは昔から茶畑だけでなく、生垣や畑の畔など、あちこちに茶の木が植えられ、各家で茶摘みをし、製茶工場に出して、お茶は買うものではなく、摘んで、作るものでした。

とはいえ、今となってはわざわざ摘んで製茶に出すよりも、お茶なんて買った方が安いので、昔植えた茶が放ったらかしに…なんてのは、沢山あります。なので、「おーい、茶摘みせんならあんたげんとば摘んでよかね?」と尋ねると、「おー、よかよか、どしこでんよか(笑」「おー、じゃあついでに剪定しといてやるわ」と、なります(笑

まー、ここも伸びてますね。野性味あふれる茶の木(笑 自然に育った茶の方がなんだか力強くて美味しそうな気がします(笑

それでは、レッツ茶摘み。必要な道具は籠だけです。

「一芯二葉」(まだ葉が開いていない芯(芽)と下の葉二枚)なんて言いますが、まぁ自家用なんで、そこまで厳密に気にする必要もありません。手でさくさくと摘んでいきましょう。

電動バリカンのような専用の道具もありますが、自家用分なら手摘みで充分収穫できます。そもそも、野生化した茶の木に規格の決まった機械なんて使えねぇ(笑 はい、手で摘みましょう。

ちなみに、山ほど収穫しても乾燥してお茶にすると残るのはほんのちょっとです。その辺を考慮しながら必要な量を集めましょう。

はい、収穫が終わったら次は「茶揉み(お茶の加工)」です。

基本的な工程は「洗って→蒸して→揉んで→炒って→水分を飛ばして完成」です。

昔は各家に「茶入り釜」という専用の大きい釜があって、それで摘んできたお茶を炒って加工していましたが、今日は簡単な「ホットプレートを使ったお茶づくり」です。 あ、我が家にも茶入り釜はあるんですけど、猪や鹿の頭を煮る鍋として活躍しております(笑

さてさて。持って帰った茶葉を軽く洗いましょう。

まずは「茶葉を蒸す」工程です。 

洗って水気を切ったら「250℃に余熱しておいたホットプレートに30秒程放り込みます」。30秒たったら箸で混ぜて、また蓋をします。これを数回繰り返して、「茶葉の青臭さが消え、しなっとするように」して下さい。焦がさないように注意。

だいたい出来たかな、くらいの適当でいいので、一旦取り出します。こんな感じでしんなりします。いい香り。

次に、「ホットプレートの温度を130〜150℃くらいに下げて」おいて下さい。次は「茶葉を手揉みしながら乾燥させる」工程です。揉むことで細胞が壊され香りが出るそうですね。取り出した茶葉をごしごし揉みましょう。

揉むことで茶葉から水分が出るので、これを先ほど温度を下げておいたホットプレートで炒って水分を飛ばします。(僕のように手の皮が厚い方はホットプレート上で揉んで炒ってもいいですがヤケドしないように笑)

あまり温度が高かったり、長く炒り過ぎると葉だけ焦げて、茎はまだ生、みたいになっちゃうので、「低めの温度で、炒って、出して、揉んで、炒って」を繰り返しましょう。無限に。

家の中がお茶屋さんのような香りで幸せになりますよ。

売ってるお茶を目指して、ひたすら繰り返して下さい。無限に。最低でも、10回位。1時間はかかると思います。途中、揉んでると油が手につくような感覚になると思いますが、それで約半分位かな。

はい、ひたすら手揉み、釜入り、を繰り返して「握ってもふわっと膨らむくらい」まで頑張って下さい。

なんとなく、パラパラしてきたかなー、と思ったら、最後に仕上げの乾燥です。「ホットプレートの温度を保温まで下げて」茶葉を2,30分炒ります。

写真では伝わりずらいですが「白い粉がふいたようになる」と完璧です。とはいえ、自家用だし、そんなに沢山の量は出来ないでしょうからだいたいで大丈夫です。

あくまで、自家用茶の作り方なので、「だいたい」なんて言ってるとお茶屋さんから怒られそうですね(笑 お茶には「玉露」「煎茶」「番茶」「ほうじ茶」「抹茶」、「新茶」「煎茶」「上煎茶」「特上煎茶 」「白折」「玄米茶」「ほうじ茶」なんて色々な種類がありますが、うちのお茶は「その辺に生えてた野生の自家用茶」です(笑

と、いうことで、今年も八十八夜の新茶。

新茶らしい爽やかな香りのお茶。不老長寿の縁起物らしいので、近所の爺さん婆さんにお裾分けして、完成。

でわでわ、また何かつくったらこちらに投稿します。


ーーー(おまけ)ーーー

茶摘みしてたら、久々に赤いバッタを見かけました。結構珍しいです。よ、久しぶり!トノサマバッタか、ツチイナゴか、ツマグロイナゴモドキか、とりあえず、アカバッタ。