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-蜂ウト- 日本蜜蜂の巣箱づくり。

みつばち、飼ってますか?

数日前からぼちぼち初めた日本蜜蜂の巣箱づくり。今朝は朝から雨だったので、巣箱の仕上げをしていました。来年用の巣箱。せっかくなので作り方を書いておきますね。

この辺だと、日本蜜蜂は「地蜂」、西洋蜜蜂は「洋蜂」なんて呼びます。今日作るのは日本蜜蜂(地蜂)の巣箱です。

蜜蜂の巣箱には色んな形がありますが、大きく分けて板で作る四角い「重箱式」と丸太をくり抜いてつくる「丸太式」がありますが、うちで使ってるのは「丸太式」の方です。どちらでも蜂は入りますが、ずっと集落に置きっ放しなので、丸太の方が見た目が可愛いじゃないですか!(笑

と、いうことで丸太式の蜜蜂巣箱の作り方です。

まず、手頃な杉の木を切り倒します。

大きさは、だいたい根元の太さで腕が回らない程度のもの。

はい、安全第一で伐採したら、こんどは巣箱に使う部分を玉切り(短く切断)します。うちの巣箱は運搬の都合や採蜜の都合を考えて長さは「50cm程度」を標準にしています。

この杉で樹齢50年くらい。巣箱に使うのは根元の方の太い部分なので、玉切りして、不要な部分は近所の爺さん婆さんに「風呂焚き物(薪)」として配りましょう。無駄にならないし、えげつなく喜ばれます(笑

次の作業です。玉切りして、山から下ろしてきた丸太をくり抜きます。まず、チェーンソーを縦にぶっ刺します。ケーキ入刀。

こんな感じで、真ん中のくり抜きたい部分に切れ目を入れておきます。何等分でもいいですし、別に均等に切れ目を入れなくてもいいです。ケーキじゃないので喧嘩にはなりません(笑

切れ目を入れたら、木目にそって「矢」を打ち込んで割っていきます。木目にそって綺麗に割れるので、「真ん中の方から」少しずつ抜いていきます。

こんな感じで、真ん中が少し苦労すると思いますけど、だんだん楽になります。あ、「矢」というのは、木を伐採したり、割ったりするときに使う山仕事の道具です。上の写真のは「袋矢」。持ってない場合は、不要な木(樫のがいいです)を使って簡易的に作っちゃえばいいです。

こんな感じでくり抜けます。これで完成ー! …でもいいんですけど、今日は雨で時間もあるし、もう少し綺麗にしましょう。

大工さんなんかが使う鑿(のみ)の親玉みたいなこれ。九州の方の刃物になるのかな?この辺だと蜂の「うと」を「くり抜く」ので「ウトクリ」。という刃物。これで中を削ってもう少し整えます。

(ここ重要)くり抜く大きさですが、空洞部分の直径が「最低でも25cm程度」、とても重要なのが「壁の厚さが最低3cm以上、出来れば5cm程度」あるといいです。つまり、最低でも直径35cm以上の丸太がいいですね(むしろそれ最初に書けよ)。空洞の直径は後で作業しやすいように。壁の厚さは内部の温度が安定するように、クマバチなど外敵から守れるように。

はい、こつこつくり抜いたらこんな感じになります。ほぼ完成。中や外をバーナーで焼く人も居ますが、お好みで。うちは面倒なのでそのままです。ところで、作ってる最中に、色んな人が通りかかって「わー、今どき木の臼は珍しいですね!」とか「太鼓ですか?」と声をかけられますが、元気に「はい!そうです!」と答えておきましょう。蜂には関係ありません。

くり抜いた中身はまた近所の爺さん婆さんの「風呂焚き物(薪)」として配りましょう。「巣箱置かせてー」と頼むと嫌とは言えなくなります(笑

中をくり抜いたら、今度は皮を剥がしておきます。専用の道具もありますが、マイナスドライバーで充分です。皮はどうせ後から落ちるので、そのままにする人も居ますが、皮を剥いでおいた方が虫も付きづらいのでおすすめです。

最後に蜜蜂が出入りする穴を刻んでおきます。この時、なるべくチェンソーではなく、ノミやノコギリなどで作業した方がいいと思います。チェンソーはオイルが出るのでその匂いを蜜蜂が嫌う可能性があります。

はい!これで完成。丸太の日本蜜蜂の巣箱。上下の床と天井も厚みに注意しながら適当な木から切り出しましょう。

とはいえ、まだまだ切り倒したばかりの杉は匂いも強くて蜂が嫌うので、「一年ほど雨ざらしにして匂い抜き」をします。実際に使うのは来年の今頃ですね。設置する際は、中と外に蜜蝋を塗っておきます。

これは昨年の今頃に設置した巣箱。ちょうど災害の倒木があったので、その木で作りました。太い(笑 蜜蜂もびっくりの大豪邸です。もう蜜蜂がぶんぶん入って仕事しております。あまりに大きい丸太の場合は中に縦仕切りを入れて二世帯住宅にしてもいいですよ。

ちなみに、巣箱を設置する場所は「朝日が当たって、夕日が当たらない、風通しのいい、東向きの岩場の木陰」がベストかな。さらっと書きましたけど、日本蜜蜂は場所次第です。頑張っていい場所を見つけましょう。

日中も暖かくなってきて、そろそろ蜜蜂の分蜂(巣別れ)も本格化する季節です。この辺だと分蜂時期は「蜜柑の花が咲く頃」とか「柿の葉が太る頃」なんて言います。

皆さんのところにも日本蜜蜂がやってきますように。

でわでわ、また何かつくったらこちらに投稿します。


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あ、板で四角い重箱式の巣箱を作る方は、できれば最低でも厚み8分(24mm)、出来れば一寸(30mm)あるといいですね。あと、杉でも良いですが、可能であれば松がいいです。長持ちするし、硬いので虫など外敵に強いです。古い松の床板とか最高ですね。