自信のない部屋へ

気分をよくするために

ついこの間から、小掃除を始めた。

ほうきで床を掃いたり、机の上を占拠していたものを整理したり、毎日部屋をかるく綺麗にしてから、一日を終える。

やった結果、めちゃめちゃハッピーというわけではないけど、結構気分がいい。

部屋を掃除する行為そのものより、気分をよくするために掃除をしている感すらある。

すこしずつやっていく

なぜこんな風に、こまめに掃除しようと思ったかというと、雨宮まみさんの『自信のない部屋へようこそ』という本を読んだからだ。

我ながら、影響を受けやすい。

この本は、理想的な暮らしを目指すなかで著者が感じたことや失敗談が語られている。部屋にまつわるエッセイ集だ。

部屋についてのエッセイだから、当然掃除についてのエピソードもある。

そこで著者は、大掃除は気が重いので、小分けに掃除をする「小掃除」制度を導入する。

主な理由は、大掃除したあとの「自分はこんなに怠けていたんだな」という情けない気持ちの回避と、肉体的な疲労から逃れるため。

「小掃除」のコツは、

「大掃除・・・憂鬱だな~」と思ったとき、その気持ちを見過ごさず、「よし、一個だけやっておこう!」と換気扇のカバーを外してみたり、窓だけ拭いてみたりする。

ことであるらしい。

いきなり全部に手をつけようとすると、時間もかかるし、面倒だけど、すこしずつやれば、それだけでも気分がスッキリするし、前向きになるとのこと。

そうすると不思議なことに、あっちの棚も整理してみようかなという気持ちになって、いらないものを整理したり、使ってなかったものを発見したり、家具の配置を変えたりと、掃除がだんだんと楽しくなってくる現象が。

たしかに、この副次的な効果には身に覚えがある。

「いつか」を「今」に

散らかった部屋は心の乱れとはよく言ったもので、部屋を掃除すると、気持ちまで整理されたような実感がある。

そして、気分がふわっと上がる。

他にも、部屋の「インテリア」や「人をもてなすこと」などのトピックについて書かれていて、自分の部屋は居心地のよいものになっているだろうかと考える、いいきっかけになった。

で、あとがきの文章がまたよい。

すごく素敵な広い部屋に住むのは無理でも、今の部屋をちょっとだけいい感じにするのは、思ったよりも簡単なことだった。ものの置き場所を変えてみたり、どういう色が合うか考えてみるだけで、以前よりぐっと部屋がまとまった。「いつか何とかしたい」ことの「いつか」を「今」にするだけで、こんなに変わるのか、と自分自身がいちばん驚いた。

いつかやろうと思っていることは、だいたいやらないし、今できることだったりする。

「いつか」はホコリをかぶって、部屋の隅に積みあがっているのだ。それをすこしずつ整理していく。

やるべきことがたくさんあって、どこから手を付けていいかわからないことでも、ちょっとでもいいから、軽い気持ちでスタートしてみる。

「いつか」を「今」にする。

この言葉を心の中に留め、意識していたら、だいたいのことは解決しそう。

ぼくにも、たくさんの「いつか」が山のようにある。

とりあえず、去年の年末から処分しようと思っていた本を片付け始めました。

すこしでも、気分をよくするために。



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Twitter:@hijikatakata21

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